首都直下地震、南海トラフ巨大地震の2つの大きな地震は、今後いつ起きても不思議ではないとして注目されています。
地震や災害を特集した番組も増え、国民の防災に対する意識は高まってきていることでしょう。
日本は地震大国として有名な国ですが、そもそも地震の発生メカニズムをご存じでしょうか?
改めて地震のしくみを学び、大地震を知らない子供たちに語り継いでいっていただければ幸いです。
地震が起きるのはどこなのか
出典:気象庁 https://www.data.jma.go.jp/svd/eqev/data/jishin/about_eq.html
私たちは、プレートと呼ばれる硬い板の上に暮らしています。
プレートはマントルの上に載っている状態にあるため、ゆっくりと動いているのです。
プレートは一つにつながっているものではなく、それぞれがぶつかり合っています。
そのため、プレートの内部に強い力が加わったり、プレートの境界で歪みが生じてしまうというわけなんですよね。
岩盤の中には歪みが溜まりやすい場所があり、ストレスが集中すると断層となりズレができてしまいます。
そのため、プレートのつなぎ目である海溝や陸地における活断層では地震が起きやすくなるのです。
地震には種類がある!メカニズム(しくみ)
出典:気象庁 https://www.data.jma.go.jp/svd/eqev/data/jishin/about_eq.html
上の図で赤く示されている部分は地震が起きている場所になりますが、プレート境界での地震が多いことがお分りになるかと思います。
しかし、ところどころつなぎ目以外の場所でも起きていますよね。
地震には大きく分けて2つに分類されます。
1つはプレートの境界で発生する「プレート間地震」「プレート境界地震」と呼ばれるもの。
もう1つは、プレート内で起こるもので「プレート内地震」と呼ばれています。
プレート間地震(プレート境界地震)
出典:気象庁 https://www.data.jma.go.jp/svd/eqev/data/jishin/about_eq.html
プレート同士による地震は以下の3つに大きく分けられます。
・発散型
・すれ違い型
収束型地震
収束型の地震は、さらに「海溝型地震」と「衝突型境界地震」に分けられます。
海溝型地震
海洋プレートが大陸プレートの下に沈み込み、海溝やトラフと呼ばれる沈み込み帯では歪みが起きます。
大陸プレートのストレスが限界となりバネのように跳ね返るとしてよく表現されています。
しかし、実際は両方の地殻面がズレるように跳ね返り、海溝から離れた場所にまで震源域が広がることもあるんです。
細長い海溝の場合はいくつかの領域に分かれ、それぞれで大きな地震が連動して巨大地震になる可能性があります。
また、マグニチュード9クラスの超巨大地震が起きる可能性も高く、数10年~数100年の周期で大地震が起きています。
2011年3月11日の東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)や、いつ起きてもおかしくないと言われている南海トラフ巨大地震も海溝型地震にあたります。
・関東大震災(1923年9月1日・M7.9~8.1 震度6)
・根室半島沖地震(1973年6月17日・M7.4 震度5)
・十勝沖地震(2003年9月26日・M8.0 震度6弱)
・東北地方太平洋沖地震・東日本大震災(2011年3月11日・M9.0 震度7)
東日本大震災と同じく日本海溝の付くで繰り返される三陸沖地震。
南海トラフ巨大地震に繋がる駿河トラフ(東海地震)、南海トラフ(東南海・南海地震)。
他には、首都直下地震や関東大震災の原因とされる相模トラフなどが、海溝型地震を引き起こす可能性が高いと言われています。
衝突型境界地震
衝突型境界地震は、プレート同士が激しくぶつかり合うことで起きる地震になります。
境界部分では強い圧力が働き、プレートが砕けて破片などがズレて生じます。
・日本海中部地震(1983年5月26日・M7.7 震度5)
・北海道南西沖地震(1993年7月12日・7.8 推定震度6)
発散型地震
大洋を縦断する中央海嶺の下で発生し、海嶺型地震とも呼ばれています。
震源は12キロメートルより浅いという特徴がある地震になります。
・東太平洋海嶺
・オーストラリア南極海嶺
・中央インド洋海嶺
・南西インド洋海嶺
・大西洋中央海嶺 など
すれ違い型境界地震
すれ違い型境界地震はトランスフォーム断層とも呼ばれ、プレートのすれ違いにより発生します。
海嶺周辺の海底で起きることが多いですが、陸地で起こることもあります。
・サンアンドレアス断層(アメリカ西海岸)
・アルパイン断層(ニュージーランド)
・北アナトリア断層(トルコ) など
プレート内地震
プレート内地震は、大陸プレート側で起きるものと海洋プレート側で起きるものがあります。
しかし、単にプレート内地震と呼ぶ場合は、海洋プレート側でのタイプの場合がほとんどになります。
大陸プレート内地震
出典:地震本部 https://www.jishin.go.jp/main/yogo/d.htm
「内陸地殻内地震」とも呼ばれ、大陸プレートに沈み込む海洋プレートの押す力によって発生します。
プレートの表層部では様々な場所でひび割れができ、これを断層と呼びます。
・逆断層=押された力で山が高く、押された側の谷が深くなる
・正断層=周りに引っ張られた力で谷ができ、反対側の岩盤が結果として高くなる
・横ずれ断層=断層が水平にズレる
断層型地震、活断層型地震とも呼ばれ、プレート内で起こる地震は断層によるものとなっています。
震源は浅い奈署で起こる特徴があり、都市部の直下にあることもあり直下型地震とも呼ばれています。
・阪神淡路大震災(1995年1月17日・M7.3 震度7)
・鳥取県西部地震(2000年10月6日・M7.3 震度6強)
・新潟県中越地震(2004年10月23日・M6.8 震度7)
・能登半島地震(2007年3月25日・M6.9 震度6強)
・岩手・宮城内陸地震(2008年6月14日・M7.2 震度6強)
・熊本地震・前震(2016年4月14日・M6.5 震度7)
・熊本地震・本震(2016年4月16日・M7.3 震度7)
・北海道胆振東部地震(2018年9月6日・M6.7 震度7)
海洋プレート内地震
海洋プレート内地震も2つにタイプが分けられます。
「沈み込んだ海洋プレート内(スラブ内)で起こる地震」と「これから沈み込む海洋プレート内(アウターライズ)で起こる地震」。
前者は震源が深くなり、後者では震源が浅くなることが多くなります。
沈み込んだ海洋プレート内(スラブ内)で起こる地震
大陸プレートに潜り込む海洋プレートは、さらに下にあるマントルに沈み込む際に途中で割れたり反り返って割れたりします。
その際に大きな地震を発生させることがあり、沈み込んだプレート内をスラブと呼ぶことから「スラブ内地震」とも呼ばれています。
震源が深いことから「深発地震」とも呼ばれています。
・千葉県東方沖地震(1987年12月17日・M6.7 震度5)
・釧路沖地震(1993年1月15日・M7.5 震度6)
・宮城県沖地震(2003年5月26日・M7.1 震度6弱)
これから沈み込む海洋プレート内(アウターライズ)で起こる地震
プレート境界で地震が起きる際には、大陸プレートが反発し歪みが生じます。
沈み込む海洋プレートでも歪みが溜まり、海底が隆起することがあります。
境界での地震で解消されない場合もあり、割れやズレが起き地震を誘発。
アウターライズ(海溝上縁隆起帯)で起きることから、「アウターライズ地震」と呼ばれています。
・昭和三陸地震(1933年3月3日・M8.1 震度5)
・千島列島沖地震(2007年1月13日・M8.1 日本の影響は震度3)
・東日本大震災の余震(2011年)
まとめ
地震は、発生のメカニズムによって様々な名前がありましたが、非常に分かりにくいんですよね。
収束型
・海溝型地震
・衝突型境界地震
発散型
すれ違い型
大陸プレート内地震(内陸地殻内地震・断層型地震)
・逆断層
・正断層
・横ずれ断層
海洋プレート内地震
・スラブ内地震
・アウターライズ地震
マグニチュードは、数値が低くても浅い震源であれば揺れは強くなるので注意しなければいけません。
日本ではいつどこでどんな大きさの地震が発生するか分かりませんし、もしかしたら安全な場所はないのかもしれません。
命が助かるためにはどのような行動をすればいいのか、防災への意識を高めておくようにしましょう。
持ち出しリュックや備蓄、防災グッズはしっかりと準備していますか?
いったい何をやっておけばいいのか分からないという場合は、後悔しないためにもまずは家族での話し合いをしておくと良いでしょう。
何が必要になってくるのか、もしもの時はどういた行動を取れば良いのか・・・防災グッズは安くても高くても信頼のできるものを手元に置くようにしてくださいね。
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