いつ起きてもおかしくないと言われている「首都直下地震」。
大都市で起こる大地震は、国に多大な危機をもたらすことは間違いありません。
甚大な被害となる可能性の高い東京都、国が予測している被害想定はどれくらいなのかご存じでしょうか?
また、首都直下地震が発生する確率はどれくらいのものとされているのか、しっかりと把握しておきいつかやってくる事態に備えておきましょう。
首都直下地震の東京都の被害想定は?
国では、2013年に「首都直下地震」による被害想定を打ち出しています。
もし、首都直下地震が発生した場合には、なんと犠牲者が最大で2万3,000人におよぶと予測されているんです。
さらに、経済への被害はなんと約95兆円という莫大な損失になっています。
近年では建物の耐震化に力を入れていることもあり、火災の対策を徹底的に行えば10分の1にまで減らせるとしていますので、数年後にはかなり変わってくると思われます。
とはいえ、10分の1になっても犠牲者の数は2,300人という数なので、被害が小さいとは言えません。
さらに、冬に発生すれば風の強さも影響し、全壊・焼失する家は61万棟になるとされています。
火災に限れば41万2,000棟となっています。
全壊家屋:17万5,000棟
建物倒壊による犠牲:1万1,000人
要救助:7万2,000人
焼失:41万2,000棟
倒壊と合わせて:61万棟
犠牲:1万6,000人
倒壊と合わせて:2万3,000人
避難者数は720万人にもおよぶと言われているんですよね。
都心南部直下地震の建物の想定被害
項目 | 冬・深夜 | 夏・昼 | 冬・夕方 | |
---|---|---|---|---|
揺れによる全壊 | 約17万5,000棟 | |||
液状化による全壊 | 約2万2,000棟 | |||
急傾斜地崩壊による全壊 | 約1,100棟 | |||
地震火災による焼失 | 風速3m/秒 | 約4万9,000棟 | 約3万8,000棟 | 約26万8,000棟 |
風速8m/秒 | 約9万棟 | 約7万5,000棟 | 約41万2,000棟 | |
全壊及び焼失棟数合計 | 風速3m/秒 | 約24万7,000棟 | 約23万6,000棟 | 約46万5,000棟 |
風速8m/秒 | 約28万7,000棟 | 約27万2,000棟 | 約61万棟 | |
ブロック塀等転倒数 | 約8万件 | |||
自動販売機転倒数 | 約1万5,000件 | |||
屋外落下物が発生する建物数 | 約2万2,000棟 |
都心南部直下地震の人的想定被害
項目 | 冬・深夜 | 夏・昼 | 冬・夕方 | |
---|---|---|---|---|
建物倒壊等 | 約1万1,000人 | 約4,400人 | 約6,400人 | |
(うち屋内収容物移動・転倒、落下物) | (約1,100人) | (約500人) | (約600人) | |
急傾斜地崩壊 | 約100人 | 約30人 | 約60人 | |
地震火災 | 風速3m/秒 | 約2,100~3,800人 | 約500~900人 | 約5,700~1万人 |
風速8m/秒 | 約3,800~7,000人 | 約900~1,700人 | 約8,900~1万6,000人 | |
ブロック塀等の転倒、屋外落下物 | 約10人 | 約200人 | 約500人 | |
犠牲者数 合計 | 風速3m/秒 | 約1万3,000~1万5,000人 | 約5,000~5,400人 | 約1万3,000~1万7,000人 |
風速8m/秒 | 約1万5,000~1万8,000人 | 約5,500~6,200人 | 約1万6,000~2万3,000人 | |
負傷者数 | 約10万9,000~11万3,000人 | 約8万7,000~9万人 | 約11万2,000~12万3,000人 | |
要救助者(自力脱出困難者) | 約7万2,000人 | 約5万4,000人 | 約5万8,000人 |
もちろん、電気や上下水道、ガスなどのライフラインにも影響し、交通網への影響は長期化します。
電車でさえ、1週間から1ヶ月ほど運行しないと予想されているんです。
首都直下地震はいつ起きる?
首都直下地震は、2020年に起きると予想する専門家もいますが、政府では30年以内に起きるのではないかと予測しています。
現代の技術では時期や日付などをピンポイントで予測することは難しく、過去の地震から導き出すしかないためどうしても30年になってしまいます。
マグニチュード7レベルだというから、その被害は多大なものとなることが誰にでも予想できるでしょう。
マグニチュードといえば熊本地震の本震M7.3と同等ですが、人口が圧倒的に多い東京や神奈川では多くの被害が出てしまうのです。
熊本地震の本震は深さ12kmだったので、さらに震源が地上に近ければどうなってしまうのか。
ちなみに、東日本大震災は震源の深さ24kmで、マグニチュード9.0という規模でした。
これだけの規模となってしまえば、備えがどれだけ効果があるのか分かりませんが、防災への意識をしっかり持ち、いざという時のために準備しておくようにしましょう。
首都直下地震の確率は?
地震 | マグニチュード | 発生確率 (30年以内) |
||
---|---|---|---|---|
日本海溝沿い | 超巨大地震(東北地方太平洋沖型) | 9.0程度 | ほぼ0% | |
福島県沖 | 7.0~7.5程度 | 50%程度 | ||
茨城県沖 | 7.0~7.5程度 | 80%程度 | ||
青森県東方沖から房総沖にかけての海溝寄り | Mt8.6~9.0 | 30%程度 | ||
沈み込んだプレート内の地震 | 7.0~7.5程度 | 60~70% | ||
房総沖 | ー | ー | ||
相模トラフ | 相模トラフ沿いのM8クラスの地震 | 8クラス (7.9~8.6) |
ほぼ0~6% | |
プレートの沈み込みに伴うM7程度の地震 (首都直下地震) |
7程度 (6.7~7.3) |
70%程度 | ||
南海トラフ | 南海トラフで発生する地震 | 8~9クラス | 70~80% |
※2020年1月1日算出
出典:地震本部 東京都の地震活動の特徴
https://www.jishin.go.jp/regional_seismicity/rs_kanto/p13_1_tokyo/
↑の表は、東京に影響を与える可能性のある海溝型地震の発生確率を示したものです。
首都直下地震は相模トラフの震源域で起きるプレートの沈み込みによる地震であり、相模トラフ沿いでマグニチュード8クラスになると「相模トラフ巨大地震」となります。
ちなみに、前回起きた大地震は1923年9月1日に起こった大正関東地震(関東大震災)で、地震のサイクルは180年~590年となっています。
最後の地震活動:1923年9月1日(大正関東地震)
地震の間隔:180年~590年
首都直下地震が30年以内に起きるとされている確率は、なんと70パーセントというかなり高い確率となっています。
2013年から30年以内としていましたが年々ずれ込み、いつまで経っても30年以内ですが、やはり地震を正確に予測することはできないので仕方がないんですよね。
一ヶ所で起きるのではなく、震源は複数になる可能性があるとも言われていて、都心南部で起きるのは最大でマグニチュード7.3と予想されています。
その他、神奈川・埼玉・千葉・茨城など、各地で集中的にマグニチュード7が起きるという予想が打ち出されいるんです。
東京都の江戸川区と江東区では震度7、東京・埼玉・千葉・神奈川の各地で震度6強の強い揺れが予想されています。
耐震の強化、家の密集地帯の都市計画、避難する施設の充実、国民の防災への意識の高まりなどにより、犠牲者を減らすようにするしかありません。
ぜひ、「自分は大丈夫」なんて考えはなくして、備えと心構えはしっかりとしておいてください。
まとめ
首都直下地震は、30年以内に70パーセントの確率で起こると予想されています。
想定被害では、最大で2万3,000人の犠牲が出ると言われ、超大規模の地震となる可能性が非常にくなっています。
いつか来る首都直下地震に備えて、防災の意識を高め災害についての情報に耳を向けることを心がけけ、できることから準備しておきましょう。
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