首都直下地震が起こった場合、犠牲者2万3,000人、被害額95兆円という想定が国から示されています。
地震は、揺れによる被害だけでなく数々の二次災害をもたらし、東日本大震災では「津波」による甚大な被害に加えて、火災も多くの場所で起こりました。
ここでは、首都直下地震で起こるとされる火災について、予測されている被害想定はどれほどの規模となるのでしょうか見ていきましょう。
首都直下地震での火災の想定被害の規模はどれくらい?
首都直下地震による全体の被害想定は
要救助者:7万2,000人
全壊・焼失家屋:61万棟
被害額:95兆円
となっています。
これは、想定される一番最悪のケース(冬の夕方に風速8m/秒の風が吹いている時)で、要救助者の数は冬の深夜を想定しています。
犠牲者の7割が火災によるもの
最大の犠牲者2万3,000人のうち、7割の1万6,000人が火災によるものという驚きの結果が出ています。
耐震、耐火の技術が進んでいる現代において、なぜそんなに火災が影響してしまうのか疑問ではないでしょうか?
その要因として、以下のことが考えられています。
・同時多発のため消防が限界
・木造の建物の密集
・帰宅困難者が知らぬ間に火災に巻き込まれる
・停電回復の後の通電火災
などなど。
これらは、対策を徹底すれば10分の1まで被害を抑えられるとも予測されています。
とはいえ、以下の区は特に火災の被害に遇うのではないかと言われていますので注意しておく必要があります。
いずれも、木造の建物が多く密集(木密地域)しているという特徴があります。
・杉並区
・中野区
・世田谷区
・大田区
・江戸川区
・葛飾区
・足立区
どこも下町という印象で、昔ながらの建物が多く残っている地域ですよね。
通路が狭いため逃げ遅れてしまう可能性が高く、救急や消防も近寄れないという欠点があるので助け出せないという悲劇が起こりやすくなってしまいます。
徐々に整備が行われ、解消されていっていますがかなりの時間がかかって計画されているので、密集が解消される前に地震が起きないことを祈るばかりです。
また、帰宅困難者が道路に溢れかえってしまうと、近くで火災が発生した際に逃げ遅れてしまうことも考えられています。
都心南部直下地震の建物被害
揺れによる全壊は約17万5,000棟と圧倒的な数の家が倒壊してしまうと想定されています。
揺れによる倒壊のほか、液状化現象、急傾斜地の崩壊、火災など、二次災害による被害も多くなっています。
以下の表は、国が発表した都心南部直下地震の建物の想定被害になります。
項目 | 冬・深夜 | 夏・昼 | 冬・夕方 | |
---|---|---|---|---|
揺れによる全壊 | 約17万5,000棟 | |||
液状化による全壊 | 約2万2,000棟 | |||
急傾斜地崩壊による全壊 | 約1,100棟 | |||
地震火災による焼失 | 風速3m/秒 | 約4万9,000棟 | 約3万8,000棟 | 約26万8,000棟 |
風速8m/秒 | 約9万棟 | 約7万5,000棟 | 約41万2,000棟 | |
全壊及び焼失棟数合計 | 風速3m/秒 | 約24万7,000棟 | 約23万6,000棟 | 約46万5,000棟 |
風速8m/秒 | 約28万7,000棟 | 約27万2,000棟 | 約61万棟 | |
ブロック塀等転倒数 | 約8万件 | |||
自動販売機転倒数 | 約1万5,000件 | |||
屋外落下物が発生する建物数 | 約2万2,000棟 |
都心南部直下地震の人的被害
建物の倒壊による犠牲者は冬の深夜で約1万1,000人、火災では冬の夕方で約1万6,000人。
全体では冬の夕方による約2万3,000人が最大で、負傷者数も約12万3,000人という数字が出されています。
以下の表は、国が発表した都心南部直下地震の人的の想定被害になります。
項目 | 冬・深夜 | 夏・昼 | 冬・夕方 | |
---|---|---|---|---|
建物倒壊等 | 約1万1,000人 | 約4,400人 | 約6,400人 | |
(うち屋内収容物移動・転倒、落下物) | (約1,100人) | (約500人) | (約600人) | |
急傾斜地崩壊 | 約100人 | 約30人 | 約60人 | |
地震火災 | 風速3m/秒 | 約2,100~3,800人 | 約500~900人 | 約5,700~1万人 |
風速8m/秒 | 約3,800~7,000人 | 約900~1,700人 | 約8,900~1万6,000人 | |
ブロック塀等の転倒、屋外落下物 | 約10人 | 約200人 | 約500人 | |
犠牲者数 合計 | 風速3m/秒 | 約1万3,000~1万5,000人 | 約5,000~5,400人 | 約1万3,000~1万7,000人 |
風速8m/秒 | 約1万5,000~1万8,000人 | 約5,500~6,200人 | 約1万6,000~2万3,000人 | |
負傷者数 | 約10万9,000~11万3,000人 | 約8万7,000~9万人 | 約11万2,000~12万3,000人 | |
要救助者(自力脱出困難者) | 約7万2,000人 | 約5万4,000人 | 約5万8,000人 |
まとめ
首都直下地震のみならず、地震が起きれば火災にもつながってしまうということを日頃から肝に銘じておく必要があります。
最大の犠牲者2万3,000人のうち、7割の1万6,000人が火災によるものとなっています。
ガスコンロや電化製品の取り扱い、消火器の場所、火の元栓など、確認を怠らないようにしておきましょう。
小さな火元であれば自分で消火できるかもしれませんが、逃げ遅れては元も子もないので一番は命を優先することを忘れずに。
→「持つ・背負う・転がす」3つのスタイル・防水仕様
・オリジナル防災バッグ OTE(On The Exit)【ミヤビワークス】
→玄関のドアにくっつける新しい収納方法を実現
・SHELTERシリーズ【LA・PITA】
→国内最大級の防災グッズメーカー防災リュック・Amazonや楽天では常に上位の人気商品
・防災士厳選の防災グッズ43点セット【ディフェンドフューチャー】
→防災士が被災者の声を元に形にした防災用品ブランドの人気商品
»【防災グッズ】持ち出しリュックセットに最低限用意しておくべき中身一覧リスト
»【防災グッズ】家の備蓄セット(自宅避難用)に絶対に必要なもの一覧リスト
»【防災グッズ】普段持ち歩くバッグの中に必ず入れておきたいもの一覧リスト
»【防災グッズ】職場にも備えておきたいもの一覧リストを紹介!
»【防災】災害で生き残るには72時間が勝負!避難行動シーン別まとめ