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2017年に「Seismological Research Letters」という学術誌に発表された研究では、150年間に728ヶ所で人為的な地震が発生していたという報告がなされました。
その中にはマグニチュード7.9という大規模な地震も含まれているとされ、驚きを与えたといいます。
人為的な地震とはいかなるものなのか、原因や過去の事例についても見ていきます。
人工地震（人為的地震）とは？原因は？
そもそも人為的地震というのは、人間が引き起こす地震のことでそこには様々な原因があります。
人為的な地震は、本来であれば地震活動がない場所で発生することが多く、プレートや断層とは関係なく地震が起こっているのだという。
一番多い要因として挙げられているのは資源の採掘で、その周辺で地震が発生。
次に多いのはダムの建設によるもので、規模は一番大きいものとなっています。
ダムでは水の重さによって断層に影響を与え、地震が起きたと言われています。
他、人工地震の原因とされているものには次のものがあります。
・エアガン（水中で圧縮した空気を放出）
・ウォーターガン（水中に水を放出）
・スパーカー（水中で放電）
・サンパー（マスと呼ばれる重しを地面に落下）
・バイブロサイス（マスを機械に振動させスイープ波を発生）
また、過去にはロシア（ソ連）、アメリカ、北朝鮮における核実験でも人工地震が起きていて、1971年にアメリカで行われた実験では最大でマグニチュード7.0を記録しています。
自然に起きる地震のメカニズムについては↓を参考にしてみてください。
四川大地震
2008年5月12日14時28分に、中国四川省アバ・チベット族チャン族自治州汶川件で発生した「四川大地震」。
マグニチュード（Mw）は7.9、（Ms＝8.0）を記録し、最大震度はメルカリ震度階級でⅪとなっています。
津波はなく、地震の種類としては「内陸地殻内地震 右横ずれ成分含む逆断層型」。
中国地震局では「汶川地震」、マグニチュードを表した「四川汶川8.0級地震」、または、「512地震」などとも呼ばれています。
四川大地震は、紫坪埔（しへいほ）ダムに溜められている3億2,000万トンの水の重さが原因だとされているというのです。
ダムの下に断層があったために引き起こされたとのこと。
負傷者：37万4,176人
行方不明者：1万8,222人
家屋の倒壊：21万6,000棟
損壊家屋：415万棟
人工地震の事例
四川大地震だけでなく、人為的な要因によって引き起こされたとされる大規模な地震は他にも多数あります。
発生日時：1959年8月17日
マグニチュード：7.1
原因：ダムの水
発生日時：1976年4月8日
マグニチュード：7.3
原因：地下水
発生日時：1979年10月15日
マグニチュード：6.6
原因：地熱
発生日時：2015年4月25日
マグニチュード：7.8
原因：地下水
ちなみに日本でも人為的な地震は発生していて、25件あると言われているんです。
原因として一番多いのはダムの水によるもので、15件。
次に多いのが、鉱業によるもので5件となっています。
日本の最大規模の人工地震は、1961年8月19日に黒部で起きたマグニチュード4.9で、原因はダムによるものでした。
都市伝説としてよく聞かれた、巨大地震が人工的に発生させられたという陰謀論は、データに入っていなかったため一応は否定されています。
人工地震は150年で728件も起きていた！？
冒頭でお伝えしたとおり、150年間で728件の人為的な地震が発生していたという研究結果が報告されています。
資源の採掘では271件、ダムの建設では167件。
2017年までの10年間に限定すると108件発生しているとされ、特にアメリカとカナダで行われている地中への廃水の注入が原因となっているとのことです。
2020年1月までには1,174件まで増えていて、アメリカでは人為的な地震のハザードマップまで作成されています。
オクラホマ州
カンザス州
コロラド州
ニューメキシコ州
テキサス州
アーカンソー州
これらのアメリカ中部・東部の州に住む700万人が人工地震の脅威にさらされているといいます。
まとめ
150年間に728ヶ所の人工地震が発生し、四川大地震のような大規模なものまで起きていると言われています。
ただでさえ、地震大国と言われている日本でも人為的な地震が発生していたとなれば、今後も起こりうるということでしょう。
過去の歴史において炭鉱で地中を掘りまくった地域やダムがある場所や建設が行われる場所には十分に注意しておきたいものですね。
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