富士山は日本の象徴として親しまれている一方で、大噴火を起こせば日本に多大な被害をもたらすと考えられています。
最後に大噴火が起きたのは1707年、今から300年以上も前のことになります。
その後は、多少の噴煙があった時期もありますが、平静を保っている状態となっているため次の噴火がいつになるのか気になるところでしょう。
噴火の時期を正確に予知するのは難しいものですが、前兆と思われる現象があるというので紹介します。
その前兆とは、1707年の宝永大噴火の5年前から富士山付近で地震が絶え間なく起こっていたということです。
1707年の富士山大噴火
富士山が最後に大噴火を起こしたのは、1707年12月16日~12月31日かけて発生した宝永大噴火です。
西暦が始まってからの歴史で起こった三大噴火の1つで、噴煙は上空20kmまで昇ったとされています。
火炎は11kmまで吹き上がったという記録もあり、世界の終わりを感じたという記述や女性や子供が泣き叫んでいたという内容のものもあります。
・延暦の大噴火(800年~802年)
・貞観の大噴火(864年~866年)
・宝永大噴火(1707年)
出典:<a href=”https://ja.wikipedia.org/wiki/User:Ans” class=”extiw” title=”ja:User:Ans”>ja:User:Ans</a>; <a href=”//commons.wikimedia.org/wiki/User:Miya” title=”User:Miya”>Miya</a> added some retouchment and the numbers – the original version: <a class=”external free” href=”https://ja.wikipedia.org/wiki/Image:Fuji-suruga2.jpg”>http://ja.wikipedia.org/wiki/Image:Fuji-suruga2.jpg</a>;, CC 表示-継承 3.0, リンクによる
噴火口は頂上ではなく、東南側の斜面に3つ(画像の1~3)作られました。
・1:第一火口
・2:第二火口
・3:第三火口
・4:宝永山
溶岩が流れることはなかったものの江戸まで火山灰が積もったとされ、その移動距離は100kmにも及んでいます。
静岡県と神奈川県にまたがる酒匂川(さかわがわ)では、灰が積もったせいで水が溢れ堤防が決壊。
富士山の周辺では40cm積もったというのだから普通の生活はできないですし、そこにきて洪水となればもうどうしようもありません。
関東周辺の農作物は灰に埋もれ、藩単位での復興は自力でできないほどになってしまっています。
幕府に助けを求め、小田原では噴火前と同じくらいのお米が収穫できるようになったのは90年経ってからだったといいます。
ちなみに、火山灰は約半月間降り続いたという資料が残っているので、現代において発生した場合は暗闇の世界が待っているということを覚悟しなければいけなくなります・・・。
富士山噴火の前兆は5年前に現れる?
自然災害の前兆を捉えることは、科学が発達している現代においても難しいとされています。
しかし、宝永大噴火を参考にしてみると、前兆と思われる現象があったのです。
土屋伊太夫「富士山噴火事情書」には、約5年ほど前から富士山の周辺で軽めの地震が多発していた記されています。
さらに、2年前になると富士山にのみ地震が続いたのだといいます。
さらに、4年前の1703年には相模トラフを震源域とする「元禄地震」が発生。
49日前には南海トラフを震源とする「宝永地震」が起きているのです。
富士山噴火と南海トラフ・相模トラフ地震との関係とは?
地震と噴火の関連性について、静岡大学の小山真人教授は過去のデータから読み取っています。
それまでも相模トラフや南海トラフで巨大地震が起きた場合、同時か前後25年以内に噴火が起きているといいます。
大地震13回に対して5~6回噴火が起きていて、その確率は約40パーセント。
今後30年以内にかなりの確率で起きると予想されている首都直下地震や南海トラフ巨大地震ですが、もしかすると連動して最悪の事態になってしまう可能性もあるということになります。
1703年の元禄地震
1703年12月31日の午前2時頃に起きた元禄地震は、推定震度7を記録した関東直撃の大地震でした。
相模トラフ巨大地震と考えられていて、今後30年以内に起きるとされている首都直下地震よりもさらに大きい地震となっています。
1901年の大正関東地震(関東大震災)と同様のタイプとされマグニチュードは8.1~8.2(諸説あり)と推定されています。
武蔵、相模、下総、上総、安房など関東一帯が主に被害を受け、犠牲者は6,700名以上にも及びました。
房総半島には8~10mの津波が押し寄せ、三浦半島には11m以上の可能性も指摘されています。
静岡県の伊東市(鎌田)では17.3mにもなったという見解もあります。
元禄地震によって、富士山の噴火を呼び起こしたとも考えられているのです。
1707年の宝永地震
富士山噴火の49日前の1707年10月28日の13時45分頃に発生した宝永地震は、南海トラフのほぼ全域が震源となった歴代でも最大級の巨大地震でした。
マグニチュードは8.4~8.6(諸説あり)と推定され、最大震度は7と同等。
畿内、東海道、東山道、北陸道、南海道、山陰道、山陽道、西海道などが主な被害地域となり、犠牲者は5,000~20,000名と言われています。
東海・東南海・南海エリアがほぼ同時に連動した巨大地震で、30年以内に起きるとされている南海トラフ巨大地震で考えられている最悪の規模となっています。
津波も震源域一帯(千葉~鹿児島)に押し寄せ、遡上高が高いもので20mを超えたという文献もあるといいます。
特に高知県では至るところで10m~20超の津波があったとされているんですよね。
一説では青森県でも津波が発生したという資料もあるようです。
元禄地震の復興も途上の状態で、宝永地震が起こり、さらには大噴火も発生。
現代においても、まさに同じようなことが起こらないとも限りませんし、もしかしたら現実的に最悪の未来が待っているのかもしれません。
まとめ
富士山の噴火はいつ起きるか分かりませんが、首都直下地震や南海トラフ巨大地震が引き金となって起きてしまう可能性は十分に考えられます。
阪神淡路大震災、東日本大震災、熊本地震など、震度7レベルの地震はたびたび起きてきましたが、その度に復興してきました。
しかし、同様の規模の災害が数年の間に3回も起きるとなれば経済やインフラどころか、日本が終わってしまうとさえ思えてきます。
とはいえ、地震や気象災害も含め、少しでも生き延びられる備えをしっかりとすることが望まれます。
備蓄や防災リュックはもちろんのこと、非難行動の確認、家族との連絡方法、避難場所の確認など、必ず家族で話し合っておくようにしましょう。
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