【避難行動のまとめ】地震・水害が発生したらどうすればいい?被災直後から避難所生活まで

【避難行動のまとめ】地震・水害が発生したらどうすればいい?被災直後から避難所生活まで

地震や水害によって被災した場合、あなたは正しく行動することができますか?

 

防災セットや備蓄などは基本となっていますが、避難の知識を頭に入れておくことも「備え」となります。

 

被災直後から72時間が命のリミットとされていますが、逃げ遅れないようにするためにもしっかりと把握しておくようにしましょう。

 

ここでは、被災直後から避難生活の注意点、被災地での二次被害に遭わないためのポイントなどについてまとめましたので、もしもの時のために参考にしてください。



生存確率が急激に低下する72時間が勝負

被災した際に生還するためには「72時間」がボーダーラインとされ、以降は急激に生存確率が低下してしまいます。

 

阪神・淡路大震災では、当日に救出された人たちは4人に3人(75パーセント)が瓦礫の下などから生還しました。

 

そのうち、当日に発見されたのは75パーセントで、それ以降は徐々に確率が減っていってしまっています。

・当日:75%
・2日目:24%
・3日目:15%
4日目:5%

 

4日経ってしまうと生存確率がかなり低くなったことから、災害で生き延びるためには72時間までが勝負だと言われるようになったのです。

 

家屋の瓦礫の下敷きや閉じ込められた人たちのうち、救助隊によって助け出されたのはたったの1.7パーセントでした。

 

2016年の「防災白書」の「阪神・淡路大震災における生き埋め・閉じ込めの救助主体」おいて、実際に誰に助けられたかが示されています。

34.9%:自力で脱出
31.9%:家族
28.1%:友人・隣人
・2.6%:通行人
・1.7%:救助隊
・0.9%:その他

 

これを見ると、自分の力や家族の助けがどれだけ大事なのかが分かるかと思います。

 

助かる方法を知っていることで、自分や大切な家族を危険な目から回避させることにつながるのです。

避難しない人の心理

よく、ニュースなどで聞くことのなかに、なぜか逃げない人というのがいますよね。

 

「自分は大丈夫」だと思っているのか、楽観視してしまい逃げ遅れてしまう人というのは必ず出てきてしまいます。

 

これは、自分にとって都合の悪いことを無視して都合のいい解釈をしてしまう心理が働いてしまうからなのです。

 

正常性バイアス」や「正当性バイアス」と呼び、誰にも起こる可能性があります。

 

逃げれば助かっていたケースも多く、地震や水害がどれだけ危険かを理解しておけば助かった命もあったはず。

 

そうならないためにも、危険が迫ってきたら必ず避難するようにしましょう。

 

海沿いで地震が起きたら、なりふり構わず高いところに逃げてください。

 

さらに周りにも避難を促しながら逃げることで多くの人を助けることにつながります。

 

まずは「津波てんでんこ」という言葉をしっかりと頭に入れ込んでおいてください。

 

「指定緊急避難場所」と「指定避難所」

屋外で災害が起きた時には、安全な場所に避難するようにします。

 

指定緊急避難場所」というマークを見かけたことはないでしょうか?

 

いざという時に、どこに避難すれば良いのかを必ずチェックしておいてください。

 

また、どこの避難場所に逃げるのかを家族で話し合っておき、各自で絶対に逃げるんだということを徹底しておけば、離ればなれになっても精神的に安心することができます。

 

もちろん、心配なのは変わりありませんが、連絡が付かなくてもそこに行けば会えるという安心感はあるのとないのとでは大違いです。

 

ただし、津波や洪水など災害の種類ごとによって細かく指定されているので、災害によってはふさわしくない場合もあるので注意してください。

 

災害用伝言ダイヤル

災害が発生した際に、最初に気になるのはやはり家族の安否でしょう。

 

電話の電波が繋がりにくくなったり、ネット環境がなかったりとなかなか連絡が付かない場合もあります。

 

そんな時に役に立つのが、災害用伝言ダイヤルになります。

 

ただし、普段から家族で決め事をしておくことが重要で、連絡方法や集合場所を共通で認識しておくことでスムーズに行うことが可能となります。

 

災害用伝言ダイヤル「117」を利用することで、連絡を取り合うことができるので使い方を家族で確認しておきましょう。

 

もちろん、携帯電話やメール、LINEなどが使える場合は気にすることはありませんが、もしもの時のことを考えておくことが防災の基本でもあります。

 

避難所生活のマナー

被災しても、自宅が安全であれば「自宅避難」でOKですが、そのためには十分な備蓄をしておくことが前提です。

 

自宅に住むことが難しい場合は、避難所で生活することとなりますが、その際にもマナーがあるので守りながらみんなで協力することが求められます。

 

避難所の心得として、多くの自治体が以下の10項目を掲げています。

①ゆずりあいの心をもって生活する
②共同生活の和を乱さず、決められたことを守る
③お互いのプライバシーの尊重、むやみに他人のスペースに入らない、郵便物は本人に渡るようにする
④室内は火気厳禁、禁煙
⑤トイレを汚したら自分でキレイにする
⑥ゴミの分別の徹底、ゴミ集積所は清潔に
⑦介護が必要な人は家族が介護する、困難な場合は福祉避難所を検討する
⑧お年寄りや身体が不自由な方、乳幼児を抱えた方などの要介護者への気配り
⑨救援物資の配給を受け取る際は、秩序ある配分を心がける
⑩避難所から移動する場合は、運営組織の役員などに一声かける

 

さらに、避難所生活をするにあたって8つのマナーを守り、他の人とトラブルにならないように心がけることが大切になります。

 

被災したのはあなただけではなく、運営してくれている人も被災者だということを忘れずに。

①運営組織に大きな要求や期待をしない
②運命共同体という意識を持つ
③運営に協力する
④体調を崩したらすぐに運営に報告
⑤持参した食料はこっそりと
⑥荷物はきちんと整理する
⑦ペットは持ち込まない
⑧時間を守る

 

必要な水の量

自宅避難をする場合は、豊富な備蓄が必要となります。

 

避難所生活でも、すぐに水の供給が行われるわけではないので、自分で飲み物を確保しておく必要があります。

 

最低3日分、できれば一週間分は備えておくのが基本です。

 

大人1人につき、1日に3リットルが必要と言われています。

 

そのうち、2リットルが1日に必要となる飲料水になります。

 

残りの1リットルは、手洗いや食器洗いなどの生活用水として活用しますが、工夫次第では節約できるでしょう。

 

ただ、飲み水は生きていく上で絶対に欠かせないものなので、余計に備蓄しておくようにしてください。

 



放火対策

被災地には、悲しいことに犯罪が起きやすくなってしまいます。

 

そのうちの1つが放火による火災で、普段から意識しておくことが防ぐポイントとなります。

①鍵をしっかりかける
②ゴミ収拾の曜日を守る
③明るい場所をつくる
④燃えやすいものを外に出しておかない
⑤地域で協力する

 

人目がある場所や、きれいにしてある場所では起きにくい傾向があるので、上記の対策は最低限心がけておきましょう。

 

空き巣対策

放火と同様に、多く発生してしますのが空き巣による被害です。

 

どこに避難しているかを伝えるために、玄関のドアに貼り紙をする場合、空き巣にも見られているということも理解しておきましょう。

 

もし、どうしても貼り紙をするのであれば、事前に話し合っておき、家族にしか分からない見えにくい場所に貼るようにしてください。

①貼り紙に注意
②留守にしない
③電気はつけておく
④ラジオをつけておく
⑤自動式点灯ランプ
⑥防犯アラーム
⑦番犬

 

他、上記の対策などがありますが、詳しくは↓を参考にしてみてください。

 

詐欺師対策

被災地には、被災者をカモにして詐欺はたらくヤバイ奴らも現れます。

 

明らかにおかしな行動をしている人などには注意してください。

 

リフォームや調査などを口実に近寄ってくる人には要注意。

・見知らぬ人には声をかける
・写真を撮っている人に注意
・県外ナンバーに注意
・ボランティアの所属を確認

 

現金・通帳が燃えたら

もしも、被災した時に現金や通帳が燃えたり流されたりしなくなったら、どうすればいいのか。

 

過去には、阪神淡路大震災で例外的にお金を引き出せるような処置がとられました。

 

ただし、次の条件が必要でした。

身分が証明できる人
・印鑑の代わりに拇印

 

今後も同じ対応を取ってくれるとは限りませんので、もしもの時のために対策しておくことが重要になります。

 

運転免許証、マイナンバーカード、通帳などをコピーしておき、身分証明書として使えるようにしておきます。

 

まとめておき、持ち出しやすい場所に保管しておき、避難の際には絶対に持っていきましょう。

 

ボランティアのマナー

被災地の手助けになりたいという場合、ボランティアに行くという方もいることでしょう。

 

そんな時にもマナーに注意する必要があるので覚えておきましょう。

①関係ない場所に行かない
②食料・水は被災者優先
③宿泊は自分で用意する気持ちで
④必要なものは自分で用意
⑤不要分を送らない

 

被災した方のことを第一に考え、迷惑をかけないようにしてください。

 

防災の備えはしっかりとしておきましょう

また、持ち出しリュックってどれが良いのか分からない場合は、以下のメーカーなどを参考にするといいと思います。

 

ちなみに、筆者は一番上の「3WAY」と2番目のドアにくっつける「OTE」の2段構えで備えています。

 

3WAY 防災バッグ【ミヤビワークス】
→「持つ・背負う・転がす」3つのスタイル・防水仕様
オリジナル防災バッグ OTE(On The Exit)【ミヤビワークス】
→玄関のドアにくっつける新しい収納方法を実現
防災・避難35点セット【セーフティプラス】
→26種類35点の定番セット・女性や高齢者でも持ち運びやすい設計
SHELTERシリーズ【LA・PITA】
→国内最大級の防災グッズメーカー防災リュック・Amazonや楽天では常に上位の人気商品
防災士厳選の防災グッズ43点セット【ディフェンドフューチャー】
→防災士が被災者の声を元に形にした防災用品ブランドの人気商品

 

防災リュックは買って満足ではなく、足りないものや自分にはなくてはならないもの(常備薬、コンタクトレンズなど)を追加するようにしてください。

 

そのためには、容量が大きく余裕があるものを選ぶのもポイントとなります。

持ち出しリュック・備蓄だけではダメ

持ち出しリュックの中身を充実させ、家にも備蓄はバッチリ!

 

と思われるかもしれませんが、それだけではまだ不十分です。

 

職場にも備えるようにして、普段の持ち歩き用のバッグにも防災グッズを忍ばせておくのがポイントです。

 

必要なアイテムについては、以下の記事でそれぞれリスト化しているので参考にしてみてください。

 

非常用持ち出しリュック

備蓄

職場用

普段の持ち歩き

まとめ

地震や台風などによる水害などで被災した際に、「どうしよう・・・」「どこに逃げればいいのだろうか・・・」などとならないように正しい知識をしっかりと身につけておきましょう。

 

家族としっかりと話し合っておき、いざという時のために少しでもリスクを減らしておくことが大切です。

 

また、地震・水害・火災などの避難行動についても理解しておきましょう。

 



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