【中央構造線断層帯】地震が起きる確率は?発生するサイクルは何年間隔?

【中央構造線断層帯】地震が起きる確率は?発生するサイクルは何年間隔?

大地震が起きる可能性があると言われている「中央構造線断層帯」をご存じでしょうか?

 

一般的に「中央構造線」といえば、日本を縦断する形で関東~九州まで連なっている巨大な断層帯を指します。

 

対して、中央構造線断層帯はその一部で、奈良県~大分県までの活断層のことになります。

 

中央構造線断層帯が震源となる地震の発生確率はどれくらいなのか、発生サイクルとともに見ていきます。

 



中央構造線断層帯とは


出典:Batholith – Topographic data: NASA‘s SRTM-1 30m Mesh (ver.3 2014)Rendering software: KASHMIR 3D, パブリック・ドメイン, リンクによる

「中央構造線」と「中央構造線断層帯」というものがあり、厳密に言うと異なるものになります。

 

中央構造線とは、九州東部~関東にかけて連なっている世界最大級の断層・断層帯を指します。

 

図の赤いラインの位置が中央構造線となり、関東から西全体に連なっていることが分かります。

 

中央構造線の北側を「西南日本の内帯」、南側を「西南日本の外帯」と呼んだりもしています。

 

一方、「中央構造線断層帯」は、奈良県~大分県まで連なる長さ約360キロメートルの活断層で、中央構造線の一部となります。

 


出典:地震本部 https://www.jishin.go.jp/regional_seismicity/rs_katsudanso/rs_chuokozosen/

 

中央構造線断層帯は、以下の区間に分けることができるとしています。

①金剛山地東縁区間
②五条谷区間
③根来区間
④紀淡海峡~鳴門海峡区間
⑤讃岐山脈南縁東部区間
⑥讃岐山脈南縁西部区間
⑦石鎚山脈北縁区間
⑧石鎚山脈北縁西部区間
⑨伊予灘区間
⑩豊予海峡~湯布院区間

地震の発生確率はどれくらい?

地震 マグニチュード 発生確率
(30年以内)
中央構造線断層帯 ①金剛山地東縁区間 6.8程度 ほぼ0%
②五条谷区間 7.3程度 不明
③根来区間 7.2程度 0.008~0.3%
④紀淡海峡~鳴門海峡区間 7.5程度 0.005~1%
⑤讃岐山脈南縁東部区間 7.7程度 1%以下
⑥讃岐山脈南縁西部区間 8.0程度もしくはそれ以上 ほぼ0~0.4%
⑦石鎚山脈北縁区間 7.3程度 0.01%以下
⑧石鎚山脈北縁西部区間 7.5程度 ほぼ0~12%
⑨伊予灘区間 8.0程度もしくはそれ以上 ほぼ0%
⑩豊予海峡~湯布院区間 7.8程度 ほぼ0%

※2020年1月1日算出
出典:地震本部 https://www.jishin.go.jp/regional_seismicity/rs_katsudanso/rs_chuokozosen/

中央構造線断層帯は、どのエリアもそこまで確率は高くありません

 

しかし、活断層である限り、突然ズレが生じて大地震が引き起こされる可能性は十分あります。

 

また、一ヶ所で地震が起きれば、連動して別の場所で起こることも考えられます。

中央構造線断層帯の地震の間隔

ぞれぞれの場所での地震のサイクルは以下となっています。

 

①金剛山地東縁区間
最後の地震活動:1世紀以後、3世紀以前
地震の間隔:約6,000年~7,600年

②五条谷区間
最後の地震活動:約2,200年前以後、7世紀以前
地震の間隔:不明

③根来区間
最後の地震活動:7世紀以後、8世紀以前
地震の間隔:約2,500年~2,900年

④紀淡海峡~鳴門海峡区間
最後の地震活動:約3,100年前以後、2,600年前以前
地震の間隔:約4,000年~6,000年

⑤讃岐山脈南縁東部区間
最後の地震活動:16世紀以後
地震の間隔:約900年~1,200年

⑥讃岐山脈南縁西部区間
最後の地震活動:16紀以後、17世紀以前
地震の間隔:約1,000年~1,500年

⑦石鎚山脈北縁区間
最後の地震活動:15世紀以後
地震の間隔:約1,500年~1,800年

⑧石鎚山脈北縁西部区間
最後の地震活動:15世紀以後、18世紀以前
地震の間隔:約700年~1,300年

⑨伊予灘区間
最後の地震活動:17世紀以後、19世紀以前
地震の間隔:約2,900年~3,300年

⑩豊予海峡~湯布院区間
最後の地震活動:17世紀頃
地震の間隔:約1,600年~1,700年

中央構造線断層帯の近くの原発に注意

 

愛媛県の伊方町にある、四国電力の伊方原子力発電所の近くの海底に活断層が存在しています。

 

伊予灘区間になりますが、地震の発生間隔の予測も正確とは言い切れないため、かなり怖いですよね。

 

最後の地震活動:17世紀以後、19世紀以前
地震の間隔:約2,900年~3,300年

 

地元住民はかつて、原子炉設置の許可を取り消すために国を相手に裁判を起こしていたんですよね。

 

活断層が地震を引き起こす可能性があるとして訴えていましたが、地震の原因が活断層だという説に否定的な意見が多かった時代だったため受け入れられなかった過去がありました。

 

伊方原発と断層帯の距離は6キロメートルほどで、高知大学教授・岡村真氏によれば、もしマグニチュード8の地震が起きた場合には震度7になる可能性が高いとしています。

 

伊方原発は3号機まであるうち、1号機は2016年に、2号機は2018年に廃止。

 

南海トラフ巨大地震や中央構造線断層帯の大地震における津波の浸水は、8.1mと想定しているといいます。

 

そのため、海抜が10mのところに位置しているから大丈夫だという判断をしています。

 

えっ・・・そもそもギリギリだし、「想定外」のことまでは想定していないのが恐ろしい感覚ですね。

 

もし、巨大地震によって福島原発のようなことになってしまったら「想定外でした」という会見をするのは目に見えています。

 

そもそも運転を開始したのがいつだったのかを知れば恐ろしいのですが。

・1号機:1977年9月30日
・2号機:1982年3月19日
・3号機:1994年12月15日

 

念のため、タンクが破損した時のために厚さ35cmの水を通さない扉での対策は施されているようですが、それすらも破壊するほどの力が加わったとしたらどうなってしまうか・・・。

 



過去の地震も紹介

中央構造線全体で見た時の過去の主な地震についてお伝えします。

 

715年:三河国・遠江国 M.6.5~7.5

1596年9月1日:慶長伊予地震 M7.0
1596年9月4日:慶長豊後地震 M7.0~7..8
1596年9月5日:慶長伏見地震 M7.0~7.1

1619年:八代 M6.0

1649年3月13日:伊予灘 M7.0前後

1703年:豊後湯布院 M6.0

1718年:三河、伊那遠山谷 M6.5

1723年:肥後 M6.5

1725年:高遠・諏訪 M6.0~6.5

1889年:熊本 M6.3

1894年~1895年:阿蘇 M6.3

1895年1月18日:茨城県南部 M7.2

1916年:新居浜付近 M5.7

1916年:熊本県中部 M6.1

1975年:阿蘇北部 M6.1

1975年:大分県中部 M6.4

2016年4月14日:熊本地震・前震 M6.2 震度7
2016年4月16日:熊本地震 M7.0 震度7

 

記憶に新しい熊本地震は、1995年の阪神淡路大震災から6回しか発生していない震度7を2回も記録。

 

活断層型(内陸型)の地震で、マグニチュード6.5以上を記録してからすぐにさらに大きな地震が発生したのは、地震観測が始まった1885年以降で初めてのことでした。

 

また、1596年9月の3つの慶長地震は連動型の地震であり、一つの地震が周囲の断層に影響をもたらす可能性もあるのです。

 

中央構造線での地震は、大きな規模のものが連発する可能性があるということを示しています。

 

中央構造線の付近に住んでいる人はもちろんのこと、それに限らず防災の備えはしておきたいところです。

 

もしもの時、逃げ遅れることがないよう、あらゆるシーンでの想定や避難場所の確認を忘れずに。

 

まとめ

地震が長期にわたって起こっていないため地震空白域となっている中央構造線および中央構造線断層帯

 

近年では熊本地震はこれにあたりますが、その他の地域でも大規模地震の可能性は十分にあります。

 

数1,000年のサイクルで発生する場所も多いですが、それが明日ということも考えられます。

 

防災グッズの準備、家族での話し合い、避難場所の確認、地震が起きてからでは遅いので事前にしっかり備えておきましょう。

 

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