出典：Craft MAP白地図に筆者が加工
島根県に影響をもたらす地震は、太平洋側の南海トラフや安芸灘～伊予灘～豊後水道、陸や海岸沿の浅い場所になります。
南海トラフ巨大地震は、今後30年以内に70～80%、安芸灘～伊予灘～豊後水道は40%の確率となっています。
過去に発生した南海トラフ巨大地震でも、犠牲者や核の倒壊などの被害を受けていますので、離れているからといって油断はできません。
島根県に影響する海溝や活断層の地震にはどんなものがあり、発生確率どれくらいとなっているのか確認しておきましょう。
地震の種類
出典：気象庁 https://www.data.jma.go.jp/svd/eqev/data/jishin/about_eq.html
地震には、大きく分けて「プレート間地震」「プレート境界地震」と呼ばれるものとプレート内で起こるもので「プレート内地震」に分けられます。
そしてさらに細かく分類されているんですよね。
収束型
・海溝型地震
・衝突型境界地震
発散型
すれ違い型
大陸プレート内地震（内陸地殻内地震・断層型地震）
・逆断層
・正断層
・横ずれ断層
海洋プレート内地震
・スラブ内地震
・アウターライズ地震
島根県の海溝型地震（30年以内の発生確率）
出典：Craft MAP白地図に筆者が加工
島根県に被害をもたらす可能性のある海溝型地震は、南海トラフによる巨大地震や、安芸灘～伊予灘～豊後水道で起こる大地震です。
国の予測では、マグニチュード8～9の南海トラフ巨大地震は70～80%とかなりの高確率。
安芸灘～伊予灘～豊後水道は南海トラフ巨大地震よりは規模は小さいマグニチュード6.7～7.4で40%程度の確率となっています。
過去の地震のデータから導き出しているため40%と低めですが、いつ起きても不思議ではないので楽観視はできません。
東日本大震災前の太平洋沖での発生確率はかなり高いものとなっていて、予測どおり発生してしまいました。
つまり、南海トラフも安芸灘～伊予灘～豊後水道も、いつ起きても不思議ではないレベルなんですよね。
| 地震 | マグニチュード | 発生確率 （30年以内） |
||
|---|---|---|---|---|
| 南海トラフ | 南海トラフで発生する地震 | 8～9クラス | 70～80% | |
| 日向灘および南西諸島海溝周辺 | 安芸灘～伊予灘～豊後水道 | 6.7～7.4 | 40%程度 | |
※2020年1月1日算出
出典：地震本部 島根県の地震活動の特徴
https://www.jishin.go.jp/regional_seismicity/rs_chugoku-shikoku/p32_shimane/
島根県の活断層地震（30年以内の発生確率）
出典：Craft MAP白地図に筆者が加工
島根県の陸地や沿岸部では、主に浅い場所で地震が起きるとされていまが、活断層の発生確率を見てみるとどれも低いものとなっています。
とはいえ、海溝型の地震と同様に、いつ起こっても不思議ではないため注意が必要となります。
今までに存在が知られていない活断層がある可能性もあり、思わぬところで断層にズレが生じてしまうこともあるのです。
もちろん、県内だけでなく隣接する県で大地震が起きれば被害を受けますので、他県の情報もチェックしておくようにしましょう。
| 地震 | マグニチュード | 発生確率 （30年以内） |
|
|---|---|---|---|
| ①宍道（鹿島）断層 | ケース1 | 7.0程度もしくはそれ以上 | ほぼ0～0.003% |
| ケース2 | 7.0程度もしくはそれ以上 | 0.9～6% | |
| ②日南湖断層 | 6.7程度 | 不明 | |
| ③筒賀断層 | 7.8程度 | 不明 | |
| ④弥栄断層 | 7.7程度 | ほぼ0～6% | |
| ⑤地福断層 | 7.2程度 | 不明 | |
| ⑥大原湖断層 | 7.5程度 | 不明 | |
ケース1＝最新活動時期が奈良時代以後、鎌倉時代以前であった場合
ケース2＝最新活動時期が約５千９百年前以後、約３千７百年前以前であった場合
※2020年1月1日算出
出典：地震本部 島根県の地震活動の特徴
https://www.jishin.go.jp/regional_seismicity/rs_chugoku-shikoku/p32_shimane/
地震・断層の活動サイクル
南海トラフ
最後の地震活動
東海・東南海：1944年12月7日（昭和東南海地震）
南海：1946年12月21日（昭和南海地震）
地震の間隔：88.2年
日向灘および南西諸島海溝周辺
安芸灘～伊予灘～豊後水道
最後の地震活動：2001年3月24日（芸予地震）
地震の間隔：約67年
①宍道（鹿島）断層
ケース1
最後の地震活動：奈良時代以後、鎌倉時代以前（8世紀以後、14世紀以前）
地震の間隔：約3,300年～4,900年
ケース2
最後の地震活動：約5,900年前以後、約3,700年前以前
地震の間隔：約3,300年～4,900年
②日南湖断層
最後の地震活動：不明
地震の間隔：不明
③筒賀断層
最後の地震活動：不明
地震の間隔：不明
④弥栄断層
最後の地震活動：約11,000年前以後、約300年前以前
地震の間隔：約4,000年～13,000年
⑤地福断層
最後の地震活動：不明
地震の間隔：不明
⑥大原湖断層
最後の地震活動：不明
地震の間隔：不明
島根県の過去の主な地震
太平洋
684年：土佐その他南海・東海・西海地方 マグニチュード8 1/4
887年：五畿・七道 マグニチュード8.0～8.5
1096年：畿内・東海道 マグニチュード8.0～8.5
1099年：南海道・畿内 マグニチュード8.0～8.3
1361年：畿内・土佐・阿波 マグニチュード8 1/4～8.5
1498年：東海道全般 マグニチュード8.2～8.4
1605年：慶長地震 マグニチュード7.9
1707年：宝永地震 マグニチュード8.6
1854年：安政東海地震 マグニチュード8.4
1854年：安政南海地震 マグニチュード8.4
1944年：東南海地震 マグニチュード7.9
1946年：南海地震 マグニチュード8.0
1983年：日本海中部地震（日本海・マグニチュード7.7）
2004年：紀伊半島南東沖 マグニチュード7.4
南海トラフが原因とされる1707年10月28日の宝永地震（マグニチュード8.6）では、49日後に富士山が大噴火を起こしました。
宝永地震によって、島根県では出雲で家屋が130棟ほど倒壊する被害を受けています。
南海トラフは東海エリア・東南海エリアと、南海エリアが別々に連動して起こることが多く、1854年12月23日には安政東海地震（マグニチュード8.4）が起き、翌24日には安政南海地震（マグニチュード8.4）が発生しています。
島根県では、出雲杵築大社で150棟が倒壊しています。
1944年には東南海地震（マグニチュード7.9）が起き、2年後の1946年には南海地震（マグニチュード8.0）が発生。
特に南海地震は、島根県で犠牲者9名、負傷者16名、住家全壊71棟の被害となっています。
予言めいた噂も多い南海トラフ巨大地震ですが、切迫しているとも言われていますので警戒しておくに越したことはありませんね。
安芸灘～伊予灘～豊後水道
1649年：マグニチュード7.0
1686年：マグニチュード7.2
1854年：マグニチュード7.4
1857年：マグニチュード7.3
1905年：芸予地震 マグニチュード7.2
2001年：芸予地震 マグニチュード6.7
安芸灘～伊予灘～豊後水道を震源とする地震は、17世紀から6回ほど起きています。
1905年の芸予地震（マグニチュード7.2）では、広島、呉、松山で犠牲者11名、負傷者177名となりました。
2001年の芸予地震（マグニチュード6.7）では、犠牲者2名、負傷者261名となっています。
平均の発生サイクルは約67年となり、30年以内の発生確率は40%。
最後の地震から20年近く経っているため年々その確率は高まり、いつ起こってもおかしくない状態となっていきます。
日本海
1964年：新潟地震 マグニチュード7.5
1983年：日本海中部地震 マグニチュード7.7
1993年：北海道南西沖地震 マグニチュード7.8
1964年の新潟地震（マグニチュード7.5）や秋田県の能代沖で1983年に発生した日本海中部地震（マグニチュード7.7）などによって津波が到達したことがあります。
1993年の北海道南西沖地震（マグニチュード7.8）のように、かなり遠く離れた場所での地震でも津波が到達しています。
日本海側で、大地震が起きた際には離れた場所だからと安心せずに、必ず津波情報をチェックするようにしましょう。
陸域の地震
880年：出雲 マグニチュード7.0
1676年：石見 マグニチュード6.3
1778年：石見 マグニチュード6.0
1859年：石見 マグニチュード6.5
1859年：石見・安芸 マグニチュード6.4
1872年：浜田地震 マグニチュード7.0～7.2
1943年：鳥取沖 マグニチュード6.2
1943年：鳥取沖 マグニチュード6.2
1943年：鳥取地震 マグニチュード7.2
2000年：鳥取県西部地震 マグニチュード7.3
2016年：鳥取県中部 マグニチュード6.6
2018年：島根県西部 マグニチュード6.1
島根県の陸域での地震は、古い記録によれば880年に出雲（マグニチュード7.0）で発生し、神社や仏閣、家屋の倒壊があったことが分かっています。
この地震は宍道（鹿島）断層が原因だったということが近年になって分かってきたといいます。
島根県で甚大な被害となった地震は、浜田市沖で起きた1872年の浜田地震（マグニチュード7.0～7.2）で、犠牲者551名、負傷者582名、家屋全壊4,506棟、家屋焼失230棟となっています。
近年では、2000年10月6日に鳥取県西部地震（マグニチュード7.3）が発生し、11名の負傷者を出しています。
2018年の島根県西部での地震（マグニチュード6.1）では、負傷者9名となっています。
まとめ
島根県では、陸地・沿岸の浅い場所での地震や、日本海側の南海トラフによる巨大地震、安芸灘～伊予灘～豊後水道の大地震に警戒しておく必要があります。
南海トラフ巨大地震
マグニチュード：8～9クラス
30年以内の発生確率：70～80%
安芸灘～伊予灘～豊後水道
マグニチュード：6.7～7.4
30年以内の発生確率：40%程度
いざという時に逃げ遅れたり避難生活が困難になったりしないように、普段から防災グッズ、備蓄、被災時の行動、避難場所の確認、家族での話し合いなど、備えておくようにしましょう。
持ち出しリュックをまだ備えていない方は、早めに用意しておくことをおすすめします。
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