【千葉県】地震の起きる沖・活断層はどこ?30年以内の発生確率や過去の地震は?

【千葉県】地震の起きる沖・活断層はどこ?30年以内の発生確率や過去の地震は?


出典:Craft MAP白地図に筆者が加工

千葉県は、2011年の東日本大震災では犠牲者22人、行方不明者2人、負傷者261人を出しました。

 

千葉県では、太平洋側の日本海溝だけでなく、相模湾の相模トラフ(首都直下地震)、関東~九州にかけて連なる南海トラフなどがあり、巨大地震が起きた時には影響を受けることが予想されます。

 

国では各都道府県の30年以内の発生確率を公表しているのをご存じでしょうか?

 

千葉県に関わってくる地震にはどんなものがあるのか、どれくらいの確率となっているのか把握しておくようにしましょう。



地震の種類



出典:気象庁 https://www.data.jma.go.jp/svd/eqev/data/jishin/about_eq.html

地震には、大きく分けて「プレート間地震」「プレート境界地震」と呼ばれるものとプレート内で起こるもので「プレート内地震」に分けられます。

 

そしてさらに細かく分類されているんですよね。

プレート間地震(境界)
収束型
・海溝型地震
・衝突型境界地震
発散型
すれ違い型
プレート内地震
大陸プレート内地震(内陸地殻内地震・断層型地震)
・逆断層
・正断層
・横ずれ断層
海洋プレート内地震
・スラブ内地震
・アウターライズ地震

 

千葉県の海溝型地震(30年以内の発生確率)


出典:Craft MAP白地図に筆者が加工

千葉県は、相模湾~房総半島南東沖にかけてのプレート境界付近、関東地方東方沖合のプレート境界付近、陸域の様々な深さの場所で発生する地震の可能性が指摘されています。

 

特に茨城県沖で発生するマグニチュード7.0~7.5程度の地震は、今後30年以内に80%の確率で起こると予想されています。

 

沈み込んだプレート内の地震 でもマグニチュード7.0~7.5程度の地震が60~70%とこちらも高い発生確率。

 

その他、相模トラフ(首都直下地震)でマグニチュード7クラスが70%南海トラフ巨大地震70~80%

 

千葉県は日本でも屈指の地震を受けやすい県となっているんです。

 

地震 マグニチュード 発生確率
(30年以内)
日本海溝沿い 超巨大地震(東北地方太平洋沖型) 9.0程度 ほぼ0%
福島県沖 7.0~7.5程度 50%程度
茨城県沖 7.0~7.5程度 80%程度
青森県東方沖から房総沖にかけての海溝寄り Mt8.6~9.0 30%程度
沈み込んだプレート内の地震 7.0~7.5程度 60~70%
房総沖
相模トラフ 相模トラフ沿いのM8クラスの地震 8クラス
(7.9~8.6)
ほぼ0~6%
プレートの沈み込みに伴うM7程度の地震
(首都直下地震)
7程度
(6.7~7.3)
70%程度
南海トラフ 南海トラフで発生する地震 8~9クラス 70~80%

※2020年1月1日算出
出典:地震本部 千葉県の地震活動の特徴
https://www.jishin.go.jp/regional_seismicity/rs_kanto/p12_chiba/

千葉県の活断層地震(30年以内の発生確率)


出典:Craft MAP白地図に筆者が加工
千葉県での活断層による大地震の発生確率はどれも低い予想となっています。

 

房総半島には鴨川低地断層帯、東京湾を挟んで神奈川県には三浦半島断層群が通っています。

 

隣接する、茨城・埼玉・東京の活断層の影響を受ける可能性もあるので、他の都県の地震活動にも警戒したいところ。

 

国では、数カ所の活断層について発生確率を公表していますが存在の分かっていない活断層もあると考えられているため、予想外のところで大地震が起きることもあり得ます。

 

太平洋側や相模湾だけではなく、東京湾や内陸に関しても情報を把握し、普段から防災への意識を高めておくようにしましょう。

 

地震 マグニチュード 発生確率
(30年以内)
②深谷断層帯・綾瀬川断層
(関東平野北西縁断層帯・元荒川断層帯)
深谷断層帯 7.9程度 ほぼ0~0.1%
綾瀬川断層(鴻巣~伊奈区間) 7.0程度 ほぼ0%
綾瀬川断層(伊奈~川口区間) 7.0程度 不明
②立川断層帯 7.4程度 ほぼ0.5~2%
③三浦半島断層群 主部(衣笠・北武断層帯) 6.7程度もしくはそれ以上 ほぼ0~3%
主部(武山断層帯) 6.6程度もしくはそれ以上 6~11%
南部 6.1程度もしくはそれ以上 不明
④鴨川低地断層帯 7.2程度以上 ほぼ0.5~2%

※2020年1月1日算出
出典:地震本部 千葉県の地震活動の特徴
https://www.jishin.go.jp/regional_seismicity/rs_kanto/p12_chiba/



地震・断層の活動サイクル

日本海溝沿い
超巨大地震(東北地方太平洋沖型)
最後の地震活動:2011年(東北地方太平洋沖地震)
地震の間隔:550年~600年程度

 

福島県沖
地震の間隔:44.1年

 

茨城県沖
地震の間隔:17.6年

 

青森県東方沖から房総沖にかけての海溝寄り
地震の間隔:102.8年

 

沈み込んだプレート内の地震
地震の間隔:22年~29.4年

 

房総沖
地震の間隔:不明

 

相模トラフ
最後の地震活動:1923年9月1日(大正関東地震)
地震の間隔:180年~590年

 

南海トラフ
最後の地震活動
東海・東南海:1944年12月7日(昭和東南海地震)
南海:1946年12月21日(昭和南海地震)
地震の間隔:88.2年

 

②深谷断層帯・綾瀬川断層(関東平野北西縁断層帯・元荒川断層帯)
深谷断層帯
最後の地震活動:約6,200年前以後、約5,800以前
地震の間隔:10,000年~25,000程度

綾瀬川断層(鴻巣~伊奈区間)
最後の地震活動:約15,000年前以後、約9,000年前以前
地震の間隔:45,000~71,000年程度

綾瀬川断層(伊奈~川口区間)
最後の地震活動:不明
地震の間隔:不明

 

③立川断層帯
最後の地震活動:約20,000年前~13,000年前
地震の間隔:10,000年~15,000年程度

 

③鴨川低地断層帯
最後の地震活動:不明
地震の間隔:不明

 

④三浦半島断層郡
主部(衣笠・北武断層帯)
最後の地震活動:6~7世紀
地震の間隔:1,900年~4,900年程度

主部(武山断層帯)
最後の地震活動:約2,300年前~1,900年前
地震の間隔:1,600年~1,900年程度

南部
最後の地震活動:約26,000年前~22,000年前
地震の間隔:不明

千葉県の過去の主な地震

太平洋沖・相模湾

1677年:延宝房総沖地震 マグニチュード8.0
1703年:元禄地震 マグニチュード7.9~8.2
1909年:房総半島南東沖 マグニチュード6.7、7.5(1日に2回)
1923年:大正関東地震 マグニチュード7.9~8.1
1938年:茨城県沖 マグニチュード7.0
1938年:福島県東方沖地震 マグニチュード7.5
1953年:房総沖地震 マグニチュード7.4
1960年:チリ地震の津波 マグニチュード(Mw)9.5
1987年:千葉県東方沖 マグニチュード6.7
2008年:茨城県沖 マグニチュード7.0
2011年:東北地方太平洋沖地震 マグニチュード9.0

 

東日本大震災の関連地震
2011年
3月11日14時54分頃 茨城県北部 マグニチュード5.7・震度5弱
3月19日18時56分頃 茨城県北部 マグニチュード6.1・震度5強
3月23日07時12分頃 福島県浜通り マグニチュード5.76.0・震度5強
3月23日07時34分頃 福島県浜通り マグニチュード5.5・震度5強
3月23日07時36分頃 福島県浜通り マグニチュード5.8・震度5弱
3月23日18時55分頃 福島県浜通り マグニチュード4.7・震度5強
4月11日17時16分頃 福島県浜通り マグニチュード7.0・震度6弱
4月11日17時17分頃 福島県浜通り マグニチュード5.7・震度5弱
4月11日17時26分頃 福島県中通り マグニチュード5.4・震度5弱
4月11日20時42分頃 福島県浜通り マグニチュード5.9・震度5弱
4月12日14時07分頃 福島県中通り マグニチュード6.4・震度6弱
4月13日10時07分頃 福島県浜通り マグニチュード5.7・震度5弱
5月6日02時04分頃 福島県浜通り マグニチュード5.2・震度5弱
5月25日05時36分頃 福島県浜通り マグニチュード5.1・震度5弱
9月21日22時30分頃 茨城県北部 マグニチュード5.2・震度5弱
9月29日19時5分頃 福島県浜通り マグニチュード5.4・震度5強
11月20日10時23分頃 茨城県北部 マグニチュード5.3・震度5強

2012年
2月19日14時54分頃 茨城県北部 マグニチュード5.2・震度5弱
3月10日02時25分頃 茨城県北部 マグニチュード5.4・震度5弱
8月12日18時56分頃 福島県中通り マグニチュード3.8・震度4

2013年
1月31日23時53分頃 茨城県北部 マグニチュード4.7・震度5弱
9月20日02時25分頃 福島県浜通り マグニチュード5.9・震度5強
12月31日10時03分頃 茨城県北部 マグニチュード5.4・震度5弱

2016年
12月28日21時38分頃 茨城県北部 マグニチュード6.3・震度6弱

 

1703年の元禄地震(マグニチュード7.9~8.2)、1923年の大正関東地震(関東大震災・マグニチュード7.9~8.1)は、相模湾~房総半島南東沖で起きた巨大地震。

 

いずれも大きな津波が発生し、陸に近かったこともあり逃げる時間がなかったため被害は甚大なものとなりました。

 

元禄地震では1,342名の犠牲者・行方不明者を出したとされています。

 

2011年の東日本大震災(東北地方太平洋沖地震)では、千葉県内で愚生者22名、行方不明者2名、負傷者261名となっています。

 

相模トラフは今後30年以内に発生すると言われている「首都直下地震」の予測地域でもあり、その確率は70%とかなり高いものとなっています。

 

また、震度6以上の地震が起きる確率が高い市区町村として、千葉市は全国で1位の85%という指摘もあります。

 

 

陸域の地震

818年:弘仁地震 マグニチュード7.9
1855年:安政江戸地震 マグニチュード7.0~7.1
1895年:霞ヶ浦付近 マグニチュード7.2
1921年:龍ケ崎付近 マグニチュード7.0
1930年:那珂川下流域 マグニチュード6.5
1983年:茨城県南部 マグニチュード6.0
1989年:千葉県北部 マグニチュード6.0
2005年:千葉県北西部 マグニチュード6.0
2005年:茨城県南部 マグニチュード5.3
2016年:茨城県北部 マグニチュード6.3

 

千葉県の北に位置する茨城県は、フィリピン海プレート、太平洋プレートによる地震で、関東のなかでも活発なエリア。

 

マグニチュード7以上はあまり発生していませんが、5~6クラスの中規模地震がよく起こっています。

 

同様に千葉県でも短いスパンで中規模の地震が発生しています。

 

1989年の千葉県北部の地震(マグニチュード6.0)、2005年の千葉県北西部の地震(マグニチュード6.0)などの規模は数年に一度起きていますので、陸の活断層の確率が低いからと安心しないようにしましょう。

 

活断層の中には、まだ知られていないものが存在していると言われ、突然ズレが生じる可能性もあります。

 

浅い場所で起こればマグニチュードが小さくても大きな揺れになることがあるので警戒を怠らないようにしましょう。

まとめ

千葉県は太平洋側の日本海溝、首都直下地震に関わる相模トラフ、関東~九州まで広がる南海トラフと警戒ポイントが多い県です。

 

さらに、埋め立て地域も多いため、液状化現象が起きる可能性も高く、補強を行っていない建物は傾いてしまいます。

 

茨城県沖
マグニチュード:7.0~7.5程度
30年以内の発生確率:80%程度

沈み込んだプレート内の地震
マグニチュード:7.0~7.5程度
30年以内の発生確率:60~70%

相模トラフ(プレートの沈み込みに伴うM7程度の地震・首都直下地震)
マグニチュード:6.7~7.3
30年以内の発生確率:70%程度

南海トラフ巨大地震
マグニチュード:8~9クラス
30年以内の発生確率:70~80%

 

これらが起こってしまえば海沿いだけでなく、陸地でも大きな揺れを観測する可能性が高いため油断は禁物です。

 

内陸だから安心と思わず、防災グッズも気持ち的にもしっかりと備えておくようにしましょう。

 

持ち出しリュックをまだ備えていない方は、早めに用意しておくことをおすすめします。

 

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首都直下地震関連

 

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