【茨城県】地震の起きる沖・活断層はどこ?30年以内の発生確率や過去の地震は?

【茨城県】地震の起きる沖・活断層はどこ?30年以内の発生確率や過去の地震は?


出典:Craft MAP白地図に筆者が加工

茨城県は、2011年の東日本大震災で犠牲者66人、行方不明者1人、負傷者714人を出しました。

 

岩手県、宮城県、福島県の3つの県での被害が強烈すぎて印象が薄れているかもしれませんが、茨城県も代表的な被災地ということを把握していただきたいところです。

 

太平洋側の日本海溝だけでなく、相模湾の相模トラフ、関東~九州にかけて連なる南海トラフなどがあり、巨大地震が起きた時には影響を受けることが予想されます。

 

茨城県に関わってくる地震にはどんなものがあるのか、それはどれくらいの確率となっているのか把握しておくようにしましょう。



地震の種類



出典:気象庁 https://www.data.jma.go.jp/svd/eqev/data/jishin/about_eq.html

地震には、大きく分けて「プレート間地震」「プレート境界地震」と呼ばれるものとプレート内で起こるもので「プレート内地震」に分けられます。

 

そしてさらに細かく分類されているんですよね。

プレート間地震(境界)
収束型
・海溝型地震
・衝突型境界地震
発散型
すれ違い型
プレート内地震
大陸プレート内地震(内陸地殻内地震・断層型地震)
・逆断層
・正断層
・横ずれ断層
海洋プレート内地震
・スラブ内地震
・アウターライズ地震

 

茨城県の海溝型地震(30年以内の発生確率)


出典:Craft MAP白地図に筆者が加工

茨城県は、関東地方東方沖合、相模湾~房総半島南東沖にかけてのプレート境界付近、陸域のやや深い場所、陸域の深い場所など、様々な種類の地震の可能性が指摘されています。

 

特に茨城県沖で発生するマグニチュード7.0~7.5程度の地震は、今後30年以内に80%の確率で起こると言われています。

 

沈み込んだプレート内の地震 でもマグニチュード7.0~7.5程度の地震が60~70%と高い発生確率となっています。

 

その他、相模トラフ(首都直下地震)でマグニチュード7クラスが70%南海トラフ巨大地震70~80%と、震源地ではないものの影響を受ける地震は数多いんですよね。

 

地震 マグニチュード 発生確率
(30年以内)
日本海溝沿い 超巨大地震(東北地方太平洋沖型) 9.0程度 ほぼ0%
福島県沖 7.0~7.5程度 50%程度
茨城県沖 7.0~7.5程度 80%程度
青森県東方沖から房総沖にかけての海溝寄り Mt8.6~9.0 30%程度
沈み込んだプレート内の地震 7.0~7.5程度 60~70%
房総沖
相模トラフ 相模トラフ沿いのM8クラスの地震 8クラス
(7.9~8.6)
ほぼ0~6%
プレートの沈み込みに伴うM7程度の地震
(首都直下地震)
7程度
(6.7~7.3)
70%程度
南海トラフ 南海トラフで発生する地震 8~9クラス 70~80%

※2020年1月1日算出
出典:地震本部 茨城県の地震活動の特徴
https://www.jishin.go.jp/regional_seismicity/rs_kanto/p08_ibaraki/

茨城県の活断層地震(30年以内の発生確率)


出典:Craft MAP白地図に筆者が加工

茨城県での活断層による大地震の発生確率はどれも低い予想となっています。

 

そもそも茨城県には危険性の高いものとされる活断層は見当たらず、隣接する栃木県や埼玉県の断層の影響を受けることが予想されます。

 

さらに、存在の分かっていない活断層もあると考えられているため、思わぬところで大地震が起きるかもしれません。

 

沿岸部はもちろんのこと、内陸に関しても楽観視せずに、普段から防災への意識を高めておくようにしましょう。

 

地震 マグニチュード 発生確率
(30年以内)
①関谷断層 7.5程度 ほぼ0%
②深谷断層帯・綾瀬川断層
(関東平野北西縁断層帯・元荒川断層帯)
深谷断層帯 7.9程度 ほぼ0~0.1%
綾瀬川断層(鴻巣~伊奈区間) 7.0程度 ほぼ0%
綾瀬川断層(伊奈~川口区間) 7.0程度 不明
③立川断層帯 7.4程度 ほぼ0.5~2%

※2020年1月1日算出
出典:地震本部 茨城県の地震活動の特徴
https://www.jishin.go.jp/regional_seismicity/rs_kanto/p08_ibaraki/



地震・断層の活動サイクル

日本海溝沿い
超巨大地震(東北地方太平洋沖型)
最後の地震活動:2011年(東北地方太平洋沖地震)
地震の間隔:550年~600年程度

 

福島県沖
地震の間隔:44.1年

 

茨城県沖
地震の間隔:17.6年

 

青森県東方沖から房総沖にかけての海溝寄り
地震の間隔:102.8年

 

沈み込んだプレート内の地震
地震の間隔:22年~29.4年

 

房総沖
地震の間隔:不明

 

相模トラフ
最後の地震活動:1923年9月1日(大正関東地震)
地震の間隔:180年~590年

 

南海トラフ
最後の地震活動
東海・東南海:1944年12月7日(昭和東南海地震)
南海:1946年12月21日(昭和南海地震)
地震の間隔:88.2年

 

①関谷断層
最後の地震活動:14世紀以後、17世紀以前
地震の間隔:約2,600年~4,100年

 

②深谷断層帯・綾瀬川断層(関東平野北西縁断層帯・元荒川断層帯)
深谷断層帯
最後の地震活動:約6,200年前以後、約5,800以前
地震の間隔:10,000年~25,000程度

綾瀬川断層(鴻巣~伊奈区間)
最後の地震活動:約15,000年前以後、約9,000年前以前
地震の間隔:45,000~71,000年程度

綾瀬川断層(伊奈~川口区間)
最後の地震活動:不明
地震の間隔:不明

 

③立川断層帯
最後の地震活動:約20,000年前~13,000年前
地震の間隔:10,000年~15,000年程度

茨城県の過去の主な地震

太平洋沖・相模湾

1677年:延宝房総沖地震 マグニチュード8.0
1909年:房総半島南東沖 マグニチュード6.7、7.5(1日に2回)
1923年:大正関東地震 マグニチュード7.9~8.1
1938年:茨城県沖 マグニチュード7.0
1938年:福島県東方沖地震 マグニチュード7.5
1960年:チリ地震の津波 マグニチュード(Mw)9.5
1987年:千葉県東方沖 マグニチュード6.7
2008年:茨城県沖 マグニチュード7.0
2011年:東北地方太平洋沖地震 マグニチュード9.0

 

東日本大震災の関連地震
2011年
3月11日14時54分頃 茨城県北部 マグニチュード5.7・震度5弱
3月19日18時56分頃 茨城県北部 マグニチュード6.1・震度5強
3月23日07時12分頃 福島県浜通り マグニチュード5.76.0・震度5強
3月23日07時34分頃 福島県浜通り マグニチュード5.5・震度5強
3月23日07時36分頃 福島県浜通り マグニチュード5.8・震度5弱
3月23日18時55分頃 福島県浜通り マグニチュード4.7・震度5強
4月11日17時16分頃 福島県浜通り マグニチュード7.0・震度6弱
4月11日17時17分頃 福島県浜通り マグニチュード5.7・震度5弱
4月11日17時26分頃 福島県中通り マグニチュード5.4・震度5弱
4月11日20時42分頃 福島県浜通り マグニチュード5.9・震度5弱
4月12日14時07分頃 福島県中通り マグニチュード6.4・震度6弱
4月13日10時07分頃 福島県浜通り マグニチュード5.7・震度5弱
5月6日02時04分頃 福島県浜通り マグニチュード5.2・震度5弱
5月25日05時36分頃 福島県浜通り マグニチュード5.1・震度5弱
9月21日22時30分頃 茨城県北部 マグニチュード5.2・震度5弱
9月29日19時5分頃 福島県浜通り マグニチュード5.4・震度5強
11月20日10時23分頃 茨城県北部 マグニチュード5.3・震度5強

2012年
2月19日14時54分頃 茨城県北部 マグニチュード5.2・震度5弱
3月10日02時25分頃 茨城県北部 マグニチュード5.4・震度5弱
8月12日18時56分頃 福島県中通り マグニチュード3.8・震度4

2013年
1月31日23時53分頃 茨城県北部 マグニチュード4.7・震度5弱
9月20日02時25分頃 福島県浜通り マグニチュード5.9・震度5強
12月31日10時03分頃 茨城県北部 マグニチュード5.4・震度5弱

2016年
12月28日21時38分頃 茨城県北部 マグニチュード6.3・震度6弱

 

1923年に相模湾付近で発生した大正関東地震(関東大震災・マグニチュード7.9)では、茨城県内でも犠牲者・行方不明者5名を出す被害を受けています。

 

相模トラフは今後30年以内に発生すると言われている「首都直下地震」の予測地域でもあり、その確率は70%。

 

太平洋側では、1677年の延宝房総沖地震(マグニチュード8.0)で津波が起き36名が亡くなっています。

 

1938年の福島県東方沖地震(マグニチュード7.5)では88cmの津波が発生。

 

マグニチュード8クラスは観測されていませんが、中規模の地震は多く発生しています。

 

2011年の東日本大震災(東北地方太平洋沖地震)では、茨城県内で66名が犠牲になり、行方不明者1名、負傷者714名となっています。

 

また、震度6以上の地震が起きる確率が高い市区町村として、水戸市は全国で3位の81%という指摘もあります。

 

 

陸域の地震

818年:弘仁地震 マグニチュード7.9
1855年:安政江戸地震 マグニチュード7.0~7.1
1895年:霞ヶ浦付近 マグニチュード7.2
1921年:龍ケ崎付近 マグニチュード7.0
1930年:那珂川下流域 マグニチュード6.5
1983年:茨城県南部 マグニチュード6.0
2005年:茨城県南部 マグニチュード5.3
2016年:茨城県北部 マグニチュード6.3

 

茨城県の内陸で起こる地震の多くはフィリピン海プレート、太平洋プレートによる地震で、関東のなかでも活発なエリアです。

 

マグニチュード7以上はあまり発生していませんが、5~6クラスの中規模地震が発生していますね。

 

数年という短いスパンで起こっているため、小さな被害にも注意しておく必要があります。

 

また、古くは818年に上野国や武蔵国などで発生した弘仁地震もあり、栃木や埼玉での地震の影響を受けることも。

 

他、福島・千葉・東京などの隣接した都県で大地震が起きれば大きな被害になる可能性も高くなります。

 

活断層の中には、まだ知られていないものが存在していると言われ、突然ズレが生じる可能性もあります。

 

浅い場所で起こればマグニチュードが小さくても大きな揺れになることがあるので警戒を怠らないようにしましょう。

まとめ

茨城県は太平洋側で東日本大震災の被害を受けましたが、太平洋沖では数多く地震が起きるため気が抜けない地域となっています。

 

さらに、都心が近いため相模トラフによる首都直下地震、南海トラフによる南海トラフ巨大地震にも注意しなければいけません。

 

茨城県沖
マグニチュード:7.0~7.5程度
30年以内の発生確率:80%程度

沈み込んだプレート内の地震
マグニチュード:7.0~7.5程度
30年以内の発生確率:60~70%

相模トラフ(プレートの沈み込みに伴うM7程度の地震・首都直下地震)
マグニチュード:6.7~7.3
30年以内の発生確率:70%程度

南海トラフ巨大地震
マグニチュード:8~9クラス
30年以内の発生確率:70~80%

 

海沿いだけでなく、陸地でも大きな揺れを観測する可能性が高いため油断は禁物です。

 

内陸は安心だと思わずに、防災グッズも気持ち的にもしっかりと備えておくようにしましょう。

 

持ち出しリュックをまだ備えていない方は、早めに用意しておくことをおすすめします。

 

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