【東日本大震災】なぜ黒い津波が襲ってきたのか?威力も強まる訳とは

【東日本大震災】なぜ黒い津波が襲ってきたのか?威力も強まる訳とは

2011年3月11日14時46分18秒に発生した東北地方太平洋沖地震を始めとする東日本大震災。

 

津波が各地を襲い、犠牲者・行方不明者は2万人を超える大災害となりました。

犠牲者:19,689人
行方不明者:2,563人
負傷者:6,233人
日本国外:犠牲者:2人、行方不明者:5人

 

一番多くの犠牲者を出すことになってしまった津波ですが、研究者たちはその色に注目しているんです。

 

東日本大震災の黒い津波の正体はいったい何だったのか、その威力についてもお伝えいてきます。



東日本大震災の津波はなぜ黒いのか?正体は?

東日本大震災の津波は、黒く濁ったものでした。

 

岩手県の宮古市では30~40メートルの津波遡上高となり、町を破壊。

 

多くの映像により、そのすさまじさは誰もが目にしたことでしょう。

 

津波のメカニズムや40メートル級が襲ってきた理由については↓の記事を参考にしてください。

 

 

その黒い津波の正体は何だったのか?

 

気仙沼市内に住む被災したある男性が、震災の翌日に海沿いを歩き、2リットル以上の大きさであろうペットボトルに津波の水を汲み保存していたことが2018年に分かりました。

 

津波のメカニズムを研究する中央大学の有川太郎教授に依頼して黒い水の成分を分析したところ、黒い部分の多くは海の底に沈んでいたヘドロだったことが判明。

 

他、油や重金属などの有害な物質も多く検出されたといいます。

 

粒子が非常に細かく、1,000分の1ミリ単位という微小な物質が津波の脅威につながったと考えられるというのです。

黒い津波はパワーが強くなる!?

黒い津波は、通常の海水よりも重くなっていたことが分かり、よりパワーを持った津波が襲ったと指摘しています。

通常の海水:1リットルあたり約1,030g
黒い津波:1リットルあたり1,130g

 

約10パーセント重く、粒子が細かいために海水と混ざりやすくなっていたとのこと。

 

この検証で10パーセント重くなっていたということは、濃度が濃いところでは20~30パーセントだった可能性もあり、さらに被害は拡大していたと考えられます。

 

津波の映像から、黒い津波は地面から50センチメートルほどと推測されますが、両足には70kg重の力がかかっていたとされ、通常の海水の時よりもさらに6kg重ほど強いとされています。

 

一般的な津波でも数10センチとなれば立っていられないものですが、黒い津波によってさらに逃げられない状況だったことがうかがい知ることができます。

 

また、泥の中を逃げるようなものなので転びやすいという点も影響があったとされています。



黒い津波によって被害が拡大した!?

黒い津波は、建物を破壊し瓦礫を浮かせながら流していきましたが、その浮力にも注目しています。

 

木造家屋は、一般的に2~3メートル浸水すると流れていってしまうとされています。

 

しかし、東日本大震災の津波では1~1.5メートルくらいですでに家が流されていると指摘。

 

流されやすくなったせいで、他の家にもぶつかってさらに一緒に流され、より被害が拡大していった可能性があるとのことです。

海底ではヘドロが削り取られた痕跡が発見された

震災前と後で、海底を調査した結果を比較すると、津波が海底のヘドロを大量に削り取っていたことが分かりました。

 

水深6メートルだった場所は13メートルになっていたといいます。

 

気仙沼湾では、約100万トンの海底のヘドロがなくなった計算になるというのです。

 

特に狭い湾に襲ってくる津波は、通り道を広げようとして底を削り取ってしまうことが考えられます。

 

関西大学の高橋智幸教授は、次のように話しています。

「逃げられない水位に達する時間が短くなっている。津波が襲ってきて避難するときに、10秒とか、30秒というのは重要です。それによって津波にのみ込まれてしまうとか、避難できなくなってしまうことがあります。逃げられなくなる時間が早くなるのは気をつけないといけない。」

ヘドロが体内に入り窒息も

津波で亡くなった人のうち、90パーセントもの人が溺ぼれたことによるものとされましたが、解剖が行われなかったことが多かったため、原因は他にある可能性があります。

 

実際に遺体を視た東北医科薬科大学の高木徹也教授によると、泥や砂がついていた遺体が多かったといい窒息してしまったのではないかと指摘しています。

 

他の法医学者などの専門家たちの中にも、泥を飲み込んでしまったことで窒息したと考えている人が多いのです。

 

また、何とか生還した人も「津波肺」と呼ばれる肺炎にかかった人も多かったと言われています。

 

油や化学物質などを含んだ汚い水によって重い肺炎になったというのです。

 

ヘドロの粒子は4マイクロメートル(1,000分の4ミリ)と小さいものは、肺の奥まで入り込み炎症を起こします。

 

簡単に洗い流せるものでもないという厄介なものとのこと。

 

さらにヘドロが乾いた際にも、風によって撒き散らされ、それを吸い込んでしまうことも考えられます。

 

まとめ

東日本大震災の黒い津波は、ヘドロを含んだ重いもので通常の海水よりも破壊力があるものである可能性が高いことが分かりました。

 

浮力もあるために被害が拡大したとされ、ヘドロが喉や肺つまって窒息してしまったことが亡くなってしまった原因だと指摘されています。

 

専門家は、全国で起こる可能性があるといい、川崎市では埋め立て地に水路が張り巡らされているために大地震が起これば黒い津波が襲ってくる可能性があると警鐘を慣らしています。

 

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