【石川県】地震の起きる沖・活断層はどこ?30年以内の発生確率や過去の地震は?

【石川県】地震の起きる沖・活断層はどこ?30年以内の発生確率や過去の地震は?


出典:Craft MAP白地図に筆者が加工

石川県での大地震といえば、2007年3月25日に発生したマグニチュード6.9の能登半島地震が記憶に新しいところでしょう。

 

最大震度6強を記録し、県内の犠牲者は1名、負傷者338名を出しました。

 

石川県では日本海沖を震源とする地震の印象はあまりありませんが、国では危険度をどのように見ているのか気になりますよね。

 

ここでは、石川県に関して、地震の発生確率を沖と陸地について見ていきます。



地震の種類



出典:気象庁 https://www.data.jma.go.jp/svd/eqev/data/jishin/about_eq.html

地震には、大きく分けて「プレート間地震」「プレート境界地震」と呼ばれるものとプレート内で起こるもので「プレート内地震」に分けられます。

 

そしてさらに細かく分類されているんですよね。

プレート間地震(境界)
収束型
・海溝型地震
・衝突型境界地震
発散型
すれ違い型
プレート内地震
大陸プレート内地震(内陸地殻内地震・断層型地震)
・逆断層
・正断層
・横ずれ断層
海洋プレート内地震
・スラブ内地震
・アウターライズ地震

 

石川県の海溝型地震(30年以内の発生確率)


出典:Craft MAP白地図に筆者が加工

石川県では、沖よりも陸地で起きる地震の方が多く起きています。

 

ただし、まったく起きないというわけではなく、日本海側や太平洋側の南海トラフで巨大地震が起これば影響を受けると考えられています。

 

そのため、沖での地震について、遠く離れているからといって油断しないようにしておきましょう。

 

ちなみに、政府の地震調査研究推進本部「地震本部」では、石川県に関して日本海での発生確率は書かれていません。

 

地震 マグニチュード 発生確率
(30年以内)
日本海東縁部 山形県沖 7.7前後 ほぼ0%
新潟県北部沖 7.5前後 ほぼ0%
佐渡島北方沖 7.8程度 3~6%
南海トラフ 南海トラフで発生する地震 8~9クラス 70~80%

※2020年1月1日算出
出典:地震本部 石川県の地震活動の特徴
https://www.jishin.go.jp/regional_seismicity/rs_chubu/p17_ishikawa/

石川県の活断層地震(30年以内の発生確率)


出典:Craft MAP白地図に筆者が加工

石川県で地震の被害を受けやすいのは、日本海沖や太平洋沖よりも内陸の活断層によるものの方が多くなっています。

 

どれも低い発生確率が示されていますが、活断層は知られていないものも存在しているとされているため注意が必要です。

 

富山・福井・岐阜など、近くの県での地震の影響も受けることが予想されているため気を付けておくようにしましょう。

 

地震 マグニチュード 発生確率
(30年以内)
①魚津断層帯 7.3程度 0.4%以上
②跡津川断層帯 7.9程度 ほぼ0%
③高山・大原断層帯 国府断層帯 7.2程度 ほぼ0~5%
高山断層帯 7.6程度 0.7%
猪之鼻断層帯 7.1程度 不明
④牛首断層帯 7.7程度 ほぼ0%
⑤砺波平野断層帯・
呉羽山断層帯
砺波平野断層帯(西部) 7.2程度 ほぼ0~2%
もしくはそれ以上
砺波平野断層帯(東部) 7.0程度 0.04~6%
呉羽山断層帯 7.2程度 ほぼ0~5%
⑥庄川断層帯 7.9程度 ほぼ0%
⑦長良川上流断層帯 7.3程度 不明
⑧阿寺断層帯 主部(北部) 6.9程度 6~11%
主部(南部) 7.8程度 ほぼ0%
佐見断層帯 7.2程度 不明
白川断層帯 7.3程度 不明
⑨邑知潟断層帯 7.6程度 2%
⑩森本・富樫断層帯 7.2程度 2~8%
⑪福井平野東縁断層帯 主部 7.6程度 ほぼ0~0.07%
西部 7.1程度 不明
⑫柳ヶ瀬・関ヶ原断層帯 主部(北部) 7.6程度 ほぼ0%
主部(中部) 6.6程度 不明
主部(南部) 7.6程度 不明
浦底-柳ヶ瀬山断層帯 7.2程度 不明

※2020年1月1日算出
出典:地震本部 石川県の地震活動の特徴
https://www.jishin.go.jp/regional_seismicity/rs_chubu/p17_ishikawa/



地震・断層の活動サイクル

日本海東縁部
山形県沖
最後の地震活動:1833年12月7日(庄内沖地震)
地震の間隔:1,000年程度以上

 

新潟県北部沖
最後の地震活動:1964年6月16日(新潟地震)
地震の間隔:1,000年程度以上

 

佐渡島北方沖
地震の間隔:500~1,000年程度

 

南海トラフ
最後の地震活動
東海・東南海:1944年12月7日(昭和東南海地震)
南海:1946年12月21日(昭和南海地震)
地震の間隔:88.2年

 

①魚津断層帯
最後の地震活動:不明
地震の間隔:8,000年程度以下

 

②跡津川断層帯
最後の地震活動:1858年4月9日(飛越地震)
地震の間隔:約2,300年~2,700年

 

③高山・大原断層帯
国府断層帯
最後の地震活動:約4,700年前~300年前
地震の間隔:約3,600年~4,300年

高山断層帯
最後の地震活動:不明
地震の間隔:約4,000年程度

猪之鼻断層帯
最後の地震活動:不明
地震の間隔:不明

 

④牛首断層帯
最後の地震活動:11~12世紀
地震の間隔:約5,000年~7,100年

 

⑤砺波平野断層帯・呉羽山断層帯
砺波平野断層帯(西部)
最後の地震活動:約6.900年前~1世紀
地震の間隔:約6,000年~12,000年もしくはそれ以下

砺波平野断層帯(東部)
最後の地震活動:約4,300年前~3,600年前
地震の間隔:3,000年~7,000年程度

呉羽山断層帯
最後の地震活動:約3,500年前~7世紀
地震の間隔:3,000年~5,000年程度

 

⑥庄川断層帯
最後の地震活動:約3,600年~6,900年
地震の間隔:11~16世紀

 

⑦長良川上流断層帯
最後の地震活動:不明
地震の間隔:不明

 

⑧阿寺断層帯
主部(北部)
最後の地震活動:約3,400年前~3,000年前
地震の間隔:約1,800年~2,500年

主部(南部)
最後の地震活動:1586年1月18日(天正地震)
地震の間隔:約1,700年

佐見断層帯
最後の地震活動:不明
地震の間隔:不明

白川断層帯
最後の地震活動:不明
地震の間隔:不明

 

⑨邑知潟断層帯
最後の地震活動:約3,200年前~9世紀
地震の間隔:1,200年~1,900年程度

 

⑩森本・富樫断層帯
最後の地震活動:約2,000年前以後、4世紀以前
地震の間隔:1,700年~2,200年程度

 

⑪福井平野東縁断層帯
主部
最後の地震活動:約3,400年前~2,900年前
地震の間隔:約6,300年~10,000年

西部
最後の地震活動:1948年6月28日(福井地震)
地震の間隔:不明

 

⑫柳ヶ瀬・関ヶ原断層帯
主部(北部)
最後の地震活動:17世紀頃
地震の間隔:約2,300年~2,700年

主部(中部)
最後の地震活動:約7,200年前~7,000年前
地震の間隔:不明

主部(南部)
最後の地震活動:約4,900年前~15世紀
地震の間隔:不明

浦底-柳ヶ瀬山断層帯
最後の地震活動:不明
地震の間隔:不明

石川県の過去の主な地震

日本海東縁部・能登半島沖・南海トラフ

1833年:庄内沖地震 マグニチュード7.7
1833年:羽前・羽後・越後・佐渡 マグニチュード7 1/2
1944年:東南海地震 マグニチュード7.9
1952年:大聖寺沖地震 マグニチュード6.5
1993年:能登半島沖 マグニチュード6.6

 

小松市付近でもたびたび地震が発生していて、1930年には加賀市大聖寺付近(マグニチュード6.3)、1952年には沖合で大聖寺沖地震(マグニチュード6.5)が起こっています。

 

1993年には能登半島沖(マグニチュード6.6)で地震が起き、珠洲市を中心に被害をもたらしました。

 

輪島の験潮場などに最大26cm津波が押し寄せてきています。

 

1833年に発生した山形県で発生した荘内沖地震(マグニチュード7.7)は、かなり離れているものの津波が到達し犠牲者や家屋の倒壊などもあったと言われています。

 

1944年の東南海地震(マグニチュード7.9)は、太平洋側の南海トラフによって引き起こされた大地震ですが、遠く離れた石川県にも影響を与えています。

 

家屋が3棟ほど倒壊したという記録もあるため、近い将来発生すると言われている「南海トラフ巨大時地震」にも警戒しておきましょう。

 

陸域の地震

1725年:小松市周辺 マグニチュード6
1729年:能登半島 マグニチュード6.6~7.0
1799年:金沢地震 マグニチュード6.0
1815年:小松市周辺  マグニチュード6
1891年:濃尾地震 マグニチュード8.0
1892年:能登半島 マグニチュード6.4
1896年:能登半島 マグニチュード5.7
1930年:加賀市大聖寺付近 マグニチュード6.3
1933年:能登半島 マグニチュード6.0
1948年:福井地震 マグニチュード7.1
1961年:北美濃地震 マグニチュード7.0
2007年:能登半島地震 マグニチュード6.9
2020年:能登地方 マグニチュード5.5

 

1799年の金沢地震では、現在の金沢市を中心に被害をもたらし21人が犠牲となり、液状化現象も発生。

 

能登半島は特に地震が多く起きていて、1933年の地震(マグニチュード6.0)では犠牲者3名を出しています。

 

2007年に起こった能登半島地震(マグニチュード6.9)では、灯篭の下敷きになったことで1名が犠牲になるなど輪島市や七尾市に大きな被害をもたらしています。

 

県外に目を向けてみると、1948年の福井地震(マグニチュード7.1)や岐阜県の西根尾村(現・本巣市)で起きた濃尾地震(マグニチュード8.0)などが起きています。

 

福井地震では県内で41名が亡くなっています。

 

県内だけでなく、富山・福井・長野・岐阜など、近くの県での地震にも注意しておくようにしましょう。

まとめ

石川県では能登半島での地震が多く、2020年3月13日にも最大震度5弱の揺れを観測しています。

 

また、福井県や岐阜県などで大きな地震が起これば、石川県でも犠牲者を伴う被害を受けてきている過去があります。

 

日本海側の地震による津波や、南海トラフからの影響もあるため、遠く離れた地域にも注意しておく必要があります。

 

発生確率が低いからといって油断せず、防災グッズも気持ち的にもしっかりと備えておくようにしましょう。

 

持ち出しリュックをまだ備えていない方は、早めに用意しておくことをおすすめします。

 

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