出典:Craft MAP白地図に筆者が加工
新潟県では2004年10月23日に発生した「新潟県中越地震」が記憶に新しいところ。
1995年の阪神淡路大震災ぶりに日本で史上2回目の最大震度7を記録し、12月28日までに震度5弱以上の揺れが19回も観測されました。
2007年にも最大震度6強となった「新潟県中越沖地震」が起きていますし、今後の地震についても気になるところでしょう。
国では「30年以内」にどれくらいの確率で地震が起きるかの予想を公表していますがご存じでしょうか?。
新潟県で予想される沖での地震、陸地での地震についての発生確率をお伝えします。
地震の種類
出典:気象庁 https://www.data.jma.go.jp/svd/eqev/data/jishin/about_eq.html
地震には、大きく分けて「プレート間地震」「プレート境界地震」と呼ばれるものとプレート内で起こるもので「プレート内地震」に分けられます。
そしてさらに細かく分類されているんですよね。
収束型
・海溝型地震
・衝突型境界地震
発散型
すれ違い型
大陸プレート内地震(内陸地殻内地震・断層型地震)
・逆断層
・正断層
・横ずれ断層
海洋プレート内地震
・スラブ内地震
・アウターライズ地震
新潟県の海溝型地震(30年以内の発生確率)
出典:Craft MAP白地図に筆者が加工
新潟県では、主に陸域の浅い場所で発生する地震と日本海東縁部で発生する地震に警戒する必要があります。
新潟県の近くの日本海では、山形県沖、新潟県北部沖、佐渡島北方沖の3つのエリアで地震の可能性があるとしています。
ただし、いずれも30年以内の発生確率は低くなっていますよね。
これは、過去に起こった地震から複雑な計算のもと算出されたものですが、想定外ということも考えられるので安心しきってはいけません。
例えば、東日本大震災の前には、「三陸沖南部海溝寄り」での確率が80~90%だったので、ほぼ当たっていたということになりますよね。
しかし、予想していたマグニチュードは7.7前後で、実際に起きたのはマグニチュード8.4(Mw9.0)と想定外だったということもあるのです。
地震 | マグニチュード | 発生確率 (30年以内) |
||
---|---|---|---|---|
日本海東縁部 | 山形県沖 | 7.7前後 | ほぼ0% | |
新潟県北部沖 | 7.5前後 | ほぼ0% | ||
佐渡島北方沖 | 7.8程度 | 3~6% |
※2020年1月1日算出
出典:地震本部 新潟県の地震活動の特徴
https://www.jishin.go.jp/regional_seismicity/rs_chubu/p15_niigata/
新潟県の活断層地震(30年以内の発生確率)
出典:Craft MAP白地図に筆者が加工
新潟県での活断層による大地震の発生確率はどれも低い予想となっています。
ただし、活断層が至るところに存在しているため過去には大きな地震も発生しています。
新潟県は山も多く、県内だけでなく、山形・富山・長野・群馬と隣接していているので他県での地震も影響してきます。
過去に起きた地震のなかには、陸地が震源であってもどの断層なのか分かっていないものもあるので、今後もまだ知られていない断層が一気にズレてることも考えられるので注意しなければならないのです。
地震 | マグニチュード | 発生確率 (30年以内) |
|
---|---|---|---|
①櫛形山脈断層帯 | 6.8程度 | ほぼ0.3~5% | |
②月岡断層帯 | 7.3程度 | ほぼ0~1% | |
③会津盆地西縁・東縁断層帯 | 会津盆地西縁断層帯 | 7.4程度 | ほぼ0% |
会津盆地東縁断層帯 | 7.7程度 | ほぼ0~0.02% | |
④長岡平野西縁断層帯 | 8程度 | 2%以下 | |
⑤十日町断層帯 | 西部 | 7.4程度 | 3%以上 |
東部 | 7.0程度 | 0.4~0.7% | |
⑥六日町断層帯 | 北部(ケース1) | 7.1程度 | 0.4~0.9% |
北部(ケース2) | ほぼ0% | ||
南部 | 7.3程度 | ほぼ0~0.01% | |
⑦高田平野断層帯 | 高田平野西縁断層帯 | 7.3程度 | ほぼ0% |
高田平野東縁断層帯 | 7.2程度 | ほぼ0~8% | |
⑧長野盆地西縁断層帯(信濃川断層帯) | 飯山~千曲区間 | 7.4~7.8程度 | ほぼ0% |
麻績区間 | 6.8程度 | 不明 | |
⑨糸魚川-静岡構造線断層帯 | 北部(小谷~明科)区間 | 7.7程度 | 0.009~16% |
中北部(明科~諏訪湖南方)区間 | 7.6程度 | 13~30% | |
中南部(諏訪湖北方~下蔦木)区間 | 7.4程度 | 0.9~8% | |
南部(白州~富士見山)区間 | 7.6程度 | ほぼ0~0.1% | |
⑩魚津断層帯 | 7.3程度 | 0.4%以上 |
ケース1=2004年新潟県中越地震を六日町断層帯北部の最新活動としない場合
ケース2=2004年新潟県中越地震を六日町断層帯北部の最新活動とする場合
※2020年1月1日算出
出典:地震本部 新潟県の地震活動の特徴
https://www.jishin.go.jp/regional_seismicity/rs_chubu/p15_niigata/
地震・断層の活動サイクル
日本海東縁部
山形県沖
最後の地震活動:1833年12月7日(庄内沖地震)
地震の間隔:1,000年程度以上
新潟県北部沖
最後の地震活動:1964年6月16日(新潟地震)
地震の間隔:1,000年程度以上
佐渡島北方沖
地震の間隔:500~1,000年程度
①櫛形山脈断層帯
最後の地震活動:約3,200年~2,600年前
地震の間隔:約2,800年~4,200年
②月岡断層帯
最後の地震活動:約6,500年~900年前
地震の間隔:7,500年以上
③会津盆地西縁・東縁断層帯
会津盆地西縁断層帯
最後の地震活動:1611年9月27日(会津地震)
地震の間隔:約7,400~9,700年
会津盆地東縁断層帯
最後の地震活動:約3,000年前~2,600年前
地震の間隔:約6,300年~9,300年
④長岡平野西縁断層帯
最後の地震活動:13世紀以後
地震の間隔:約1,200年~3,700年
⑤十日町断層帯
西部
最後の地震活動:約3,100年前以前
地震の間隔:3,300年程度
東部
最後の地震活動:不明
地震の間隔:4,000年~8,000年程度
⑥六日町断層帯
北部(ケース1)
最後の地震活動:約2,900年前~2,000年前
地震の間隔:約3,200年~7,600年
北部(ケース2)
最後の地震活動:2004年10月23日(新潟県中越地震)
地震の間隔:約3,200年~4,000年 もしくはそれ以下
南部
最後の地震活動:約2,900年前~2,000年前
地震の間隔:約6,200年~7,200年
⑦高田平野断層帯
高田平野西縁断層帯
最後の地震活動:1751年4月26日(越後高田付近)
地震の間隔:2,200年~4,800年程度
高田平野東縁断層帯
最後の地震活動:約3,500年前~19世紀
地震の間隔:約2,300年程度
⑧長野盆地西縁断層帯(信濃川断層帯)
飯山~千曲区間
最後の地震活動:1847年5月8日(善光寺地震)
地震の間隔:800年~2,500年程度
麻績区間
最後の地震活動:不明
地震の間隔:不明
⑨糸魚川-静岡構造線断層帯
北部(小谷~明科)区間
最後の地震活動:約1,300年前以降、約1,000年前以前(762年の地震の可能性もある)
地震の間隔:1,000年~2,400年程度
中北部(明科~諏訪湖南方)区間
最後の地震活動:約1,200年前以降、約800年前以前(762年もしくは841年の地震の可能性もある)
地震の間隔:600年~800年程度
中南部(諏訪湖北方~下蔦木)区間
最後の地震活動:約1,300年前以降、約900年前以前(762年もしくは841年の地震の可能性もある)
地震の間隔:1,300年~1,500年程度
南部(白州~富士見山)区間
最後の地震活動:約2,500年前以降、約1,400年前以前
地震の間隔:4,600年~6,700年程度
⑩魚津断層帯
最後の地震活動:不明
地震の間隔:8,000年程度以下
新潟県の過去の主な地震
日本海東縁部
1729年:能登・佐渡 マグニチュード6.6~7.0
1762年:佐渡島付近 マグニチュード7.0
1802年:佐渡島付近 マグニチュード6.5~7.0
1833年:山形県沖 マグニチュード7 1/2
1964年:新潟地震 マグニチュード7.5
1983年:日本海中部地震 マグニチュード7.7
2007年:新潟県中越沖地震 マグニチュード6.8
2019年:山形県沖 マグニチュード6.7
佐渡島付近を震源とする地震や、1833年の山形県沖、1983年日本海中部地震などでは津波が発生し、被害を受けています。
2019年の山形県沖での地震では村上市で震度6強を観測し、北海道から中部地方までの広い範囲で震度1~5強を記録。
新潟県は2004年の中越地震のように、陸地を震源とする地震の印象がありますが沖でも発生しているんですよね。
また、1964年の新潟地震と、三条市芹山付近で起きた1828年の三条地震(震度7相当)の震源域の間は、歴史的に大きな地震が発生していません。
地震空白域の可能性も指摘されているため、いつかは大地震を引き起こすことも考えられています。
陸域の地震
863年:越中・越後 マグニチュード不明
1502年:越後南西部地震 マグニチュード6.5~7.0
1666年:高田地震 マグニチュード6 3/4
1670年:寛文越後西蒲原地震 マグニチュード6 3/4
1751年:宝暦高田地震(越後・中越地震)マグニチュード7.0~7.4
1828年:三条地震 マグニチュード6.9
1847年:高田地震 マグニチュード6.0前後
1847年:善光寺地震 マグニチュード7.4
1887年:古志郡 マグニチュード5.7
1927年:三島郡関原 マグニチュード5.2
1933年:小千谷 マグニチュード6.1
1961年:長岡 マグニチュード5.2
1992年:津南 マグニチュード4.5
1995年:笹神村 マグニチュード5.6
2004年:新潟県中越地震 マグニチュード6.8
2010年:新潟県中越地方 マグニチュード4.9
2014年:長野県北部 マグニチュード6.7
新潟県の陸地では、大きな地震が定期的に起こっていることが分かります。
1828年の三条地震では、地割れが起きて水が噴出し建物が地中に3~4尺(約90~121cm)埋もれたという文献もあります。
これは、いわゆる大規模な液状化現象であり、かなりの被害をもたらしたと考えられています。
2004年の新潟県中越地震では、発生後の2ヶ月あまりで19回も震度5弱以上が観測されています。
まとめ
新潟県で予測されている地震にはそれほど確率の高いものはありません。
しかし、陸地では今までに地震が起きていない活断層もあると考えられ、いつ起きてもおかしくないとされています。
歴史的に見ても分かるように、新潟では沖でも陸域でも地震が頻繁に起こっていますので気をつけたいところ。
発生確率が低いからといって油断せず、防災グッズも気持ち的にもしっかりと備えておくようにしましょう。
持ち出しリュックをまだ備えていない方は、早めに用意しておくことをおすすめします。
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