出典：Craft MAP白地図に筆者が加工
日本全国、どこで大地震が発生するのか誰でも気になるところですよね。
とはいえ、今の科学技術では正確に場所や時期を予測するのは難しいとされています。
国では各都道府県で発生する可能性がある地震について「30年以内」にどれくらいの確率で起きるのか公表しています。
ここでは、青森県で起こり得る地震についてまとめましたので、お住まいの方は特にチェックしてみてください。
地震の種類
出典：気象庁 https://www.data.jma.go.jp/svd/eqev/data/jishin/about_eq.html
地震には、大きく分けて「プレート間地震」「プレート境界地震」と呼ばれるものとプレート内で起こるもので「プレート内地震」に分けられます。
そしてさらに細かく分類されているんですよね。
収束型
・海溝型地震
・衝突型境界地震
発散型
すれ違い型
大陸プレート内地震（内陸地殻内地震・断層型地震）
・逆断層
・正断層
・横ずれ断層
海洋プレート内地震
・スラブ内地震
・アウターライズ地震
青森県の海溝型地震（30年以内の発生確率）
出典：Craft MAP白地図に筆者が加工
青森県は、北海道の東方沖に位置する千島海溝と、太平洋側に位置する日本海溝が関係してきます。
千島海溝では「千島海溝巨大地震」が発生する可能性があり、「首都直下地震」や「南海トラフ巨大地震」と同様に警戒しなければいけないレベルの大地震が予想されてます。
太平洋側の日本海溝沿いでは2011年に東日本大震災が起き、その規模は誰しもが驚愕する過去最大レベルでしたよね。
発生確率を見てみると、30年以内に90%の確率のエリアもあるので注意しておきたいところです。
青森県の海溝型の地震は、太平洋側沖合の太平洋プレートの沈み込みによって発生する地震、日本海東縁部で発生する地震があります。
| 地震 | マグニチュード | 発生確率 （30年以内） |
||
|---|---|---|---|---|
| 日本海溝沿い | 超巨大地震 （東北地方太平洋沖型） |
9.0程度 | ほぼ0% | |
| 青森県東方沖および岩手県沖北部 | 7.9程度 | 6～30% | ||
| 青森県東方沖および岩手県沖北部 （ひとまわり小さいプレート間地震） |
7.0～７.5程度 | 90%程度以上 | ||
| 岩手県沖南部 | 7.0～7.5程度 | 30%程度 | ||
| 青森県東方沖から房総沖にかけての海溝寄り | Mt8.6～9.0 | 30%程度 | ||
| 沈み込んだプレート内の地震 | 7.0～7.5程度 | 60～70% | ||
| 海溝軸外側 | 8.2前後 | 7% | ||
| 日本海東縁部 | 北海道南西沖 | 7.8前後 | ほぼ0% | |
| 青森県西方沖 | 7.7前後 | ほぼ0% | ||
※2020年1月1日算出
出典：地震本部 青森県の地震活動の特徴
https://www.jishin.go.jp/regional_seismicity/rs_tohoku/p02_aomori/
青森県の活断層地震（30年以内の発生確率）
出典：Craft MAP白地図に筆者が加工
青森県では断層による大地震のイメージはなく、発生確率を見るとどれもかなり低いか不明なものばかり。
もちろん、活断層がある限り絶対ないとは言い切れません。
例えば、2018年に起こった「北海道胆振東部地震」は知られている活断層の位置ではありませんでした。
まだまだ見つかっていない活断層が数多く存在しているとされ、一気にズレるなんてことも実際に起こっているんです。
| 地震 | マグニチュード | 発生確率 （30年以内） |
|
|---|---|---|---|
| ①青森湾西岸断層帯 | 7.3程度 | 0.5～1% | |
| ②津軽山地西縁断層帯 | 北部 | 6.8～7.3程度 | 不明 |
| 南部 | 7.1～7.3程度 | 不明 | |
| ③折爪断層 | 最大7.6程度 | 不明 | |
| ④花輪東断層帯 | 7.0程度 | 0.6～1% | |
※2020年1月1日算出
出典：地震本部 青森県の地震活動の特徴
https://www.jishin.go.jp/regional_seismicity/rs_tohoku/p02_aomori/
地震・断層の活動サイクル
日本海溝沿い
超巨大地震（東北地方太平洋沖型）
最後の地震活動：2011年3月11日（東北地方太平洋沖地震）
地震の間隔：550年～600年程度
青森県東方沖および岩手県沖北部
最後の地震活動：1968年5月16日（十勝沖地震）
地震の間隔：97年
青森県東方沖および岩手県沖北部（ひとまわり小さいプレート間地震）
地震の間隔：8.8年
岩手県沖南部
地震の間隔：88.2年
青森県東方沖から房総沖にかけての海溝寄り
地震の間隔：102.8年
沈み込んだプレート内の地震
地震の間隔：22年～29.4年
海溝軸外側
地震の間隔：411.2年
日本海東縁部
北海道南西沖
最後の地震活動：1993年7月12日（北海道南西沖地震）
地震の間隔：500～1,400年程度
青森県西方沖
最後の地震活動：1983年5月26日（日本海中部地震）
地震の間隔：500～1,400年程度
①青森湾西岸断層帯
最後の地震活動：不明
地震の間隔：3,000～6,000年程度
②津軽山地西縁断層帯
北部
最後の地震活動：1766年1月28日（明和津軽地震津軽）
地震の間隔：不明
南部
最後の地震活動：1766年1月28日（明和津軽地震津軽）
地震の間隔：不明
③折爪断層
最後の地震活動：不明
地震の間隔：不明
④花輪東断層帯
最後の地震活動：約15,000年前以後
地震の間隔：3,000～5,000年程度
青森県の過去の主な地震
活断層による陸域での地震の発生確率は低いとされていますが、過去には大地震が起きている事実もあるので注意を怠らないようにしてくださいね。
青森県に被害をもたらした地震について、どんなものがあったのか見ていきましょう。
太平洋側
1611年：三陸沿岸および北海道東岸 マグニチュード8.1
1896年：明治三陸地震 マグニチュード8.2
1933年：三陸地震 マグニチュード8.1
1945年：青森県東方沖 マグニチュード7.1
1960年：チリ地震の津波 マグニチュード（Mw）9.5
1968年：十勝沖地震 マグニチュード7.9
1994年：三陸はるか沖地震 マグニチュード7.6
2003年：宮城県沖：マグニチュード7.1
2003年：十勝沖地震 マグニチュード8.0
2008年：岩手県沿岸北部 マグニチュード6.8
2011年：東北地方太平洋沖地震 マグニチュード9.0
東日本大震災の関連地震
2011年
3月11日14時54分頃 茨城県北部 マグニチュード5.7・震度5弱
3月19日18時56分頃 茨城県北部 マグニチュード6.1・震度5強
3月23日07時12分頃 福島県浜通り マグニチュード5.76.0・震度5強
3月23日07時34分頃 福島県浜通り マグニチュード5.5・震度5強
3月23日07時36分頃 福島県浜通り マグニチュード5.8・震度5弱
3月23日18時55分頃 福島県浜通り マグニチュード4.7・震度5強
4月11日17時16分頃 福島県浜通り マグニチュード7.0・震度6弱
4月11日17時17分頃 福島県浜通り マグニチュード5.7・震度5弱
4月11日17時26分頃 福島県中通り マグニチュード5.4・震度5弱
4月11日20時42分頃 福島県浜通り マグニチュード5.9・震度5弱
4月12日14時07分頃 福島県中通り マグニチュード6.4・震度6弱
4月13日10時07分頃 福島県浜通り マグニチュード5.7・震度5弱
5月6日02時04分頃 福島県浜通り マグニチュード5.2・震度5弱
5月25日05時36分頃 福島県浜通り マグニチュード5.1・震度5弱
9月21日22時30分頃 茨城県北部 マグニチュード5.2・震度5弱
9月29日19時5分頃 福島県浜通り マグニチュード5.4・震度5強
11月20日10時23分頃 茨城県北部 マグニチュード5.3・震度5強
2012年
2月19日14時54分頃 茨城県北部 マグニチュード5.2・震度5弱
3月10日02時25分頃 茨城県北部 マグニチュード5.4・震度5弱
8月12日18時56分頃 福島県中通り マグニチュード3.8・震度4
2013年
1月31日23時53分頃 茨城県北部 マグニチュード4.7・震度5弱
9月20日02時25分頃 福島県浜通り マグニチュード5.9・震度5強
12月31日10時03分頃 茨城県北部 マグニチュード5.4・震度5弱
2016年
12月28日21時38分頃 茨城県北部 マグニチュード6.3・震度6弱
二度の三陸地震はマグニチュード8以上の規模でしたが、青森県での揺れはそこまで大きくはありませんでした。
しかし、津波が発生し沿岸部に被害をもたらしています。
さらに、陸地に近い場所で発生した「三陸はるか沖地震」では1896年・1933年の地震よりも規模は小さかったにもかかわらず被害をもたらすこともあります。
日本海東縁部
1983年：日本海中部地震 マグニチュード7.7
1993年：北海道南西沖地震 マグニチュード7.8
沿岸から50kmほどで地震が起きたために、津波や液状化現象も発生し被害をもたらしています。
北海道～新潟県の沖合では大きめの地震が発生しやすい環境にあり、間にある青森県でも油断はできません。
陸域の地震
津軽山地西縁断層帯
1766年：津軽 マグニチュード7 1/4
日本海沿岸部
1694年：能代付近 マグニチュード7.0
1704年：羽後・陸奥 マグニチュード7.0
1793年：西津軽 マグニチュード6.9～7.1
1848年：津軽 マグニチュード6.0
1856年：日高・胆振・渡島・津軽・南部 マグニチュード7.5
下北半島周辺
1667年：八戸 マグニチュード6.0～6.4
1674年：八戸 マグニチュード6.0
1739年：陸奥 マグニチュード不明
1755年：陸奥八戸 マグニチュード不明
1763年：陸奥八戸 マグニチュード7.4
1763年：陸奥八戸 マグニチュード7 1/4
1763年：陸奥八戸 マグニチュード7.0
1768年：陸奥八戸 マグニチュード不明
1769年：八戸 マグニチュード6.5
1901年：八戸地方 マグニチュード7.2
1976年：陸奥湾の群発地震 最大マグニチュード4.9
1978年：小川原湖付近の群発地震 最大マグニチュード5.8
県西部
1973年：岩木山周辺の群発地震 最大マグニチュード4.1
1978年：岩崎付近の群発地震 最大マグニチュード4.2
1986年：白神山地の群発地震 最大マグニチュード4.4
さらに、群発地震が発生したケースでは、近くに活火山があるのも注目すべき点となっています。
下北半島：恐山
県西部：岩木山、十和田、八甲田山
ただし、活火山と群発地震の関係性はよく分かってはいないとのこと。
まとめ
青森県で発生する可能性の高い地震はそれほど多くはありません。
青森県東方沖および岩手県沖北部
（ひとまわり小さいプレート間地震）
マグニチュード：7.0～７.5程度
30年以内の発生確率：90%程度以上
沈み込んだプレート内の地震
マグニチュード：7.0～7.5程度
30年以内の発生確率：60～70%
東日本大震災（東北地方太平洋沖地震）と同様の地震はほぼ起きないとされていますが、太平洋側、日本海東縁部、陸域どこで起きても大規模な地震となっていまいます。
青森県は比較的に安全だからといって防災の意識を緩めずに、グッズも気持ち的にもしっかりと備えておくようにしましょう。
持ち出しリュックをまだ備えていない方は、早めに用意しておくことをおすすめします。
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