出典:Craft MAP白地図に筆者が加工
国は各地の地震における「30年以内の発生確率」を算出していますが、お住まいの都道府県の危険度についてご存じですか?
あまり知らないという方も多いと思いますので、47都道府県の海溝型地震、活断層地震についてお伝えします。
ここでは、北海道における地震発生の可能性のあるエリア、それぞれの発生確率をまとめていますので、近くの地域がどんな状況にあるのか参考にしてみてください。
地震の種類
出典:気象庁 https://www.data.jma.go.jp/svd/eqev/data/jishin/about_eq.html
地震には、大きく分けて「プレート間地震」「プレート境界地震」と呼ばれるものとプレート内で起こるもので「プレート内地震」に分けられます。
そしてさらに細かく分類されているんですよね。
収束型
・海溝型地震
・衝突型境界地震
発散型
すれ違い型
大陸プレート内地震(内陸地殻内地震・断層型地震)
・逆断層
・正断層
・横ずれ断層
海洋プレート内地震
・スラブ内地震
・アウターライズ地震
【北海道の地震】危険なエリア(沖・断層)はどこ?
出典:Craft MAP白地図に筆者が加工
ここでは、北海道の地震を海溝型、活断層に分けて紹介していきます。
国が発生の確率を出している主な北海道の地震は以下になります。
A:色丹島沖および択捉島沖
B:根室沖
C:十勝沖
D:青森県東方沖および岩手県沖北部
E:北海道北西沖
F:北海道西方沖
G:北海道南西沖
H:青森県西方沖
①標津断層帯
②十勝平野断層帯
③富良野断層帯
④増毛山地東縁断層帯・沼田−砂川付近の断層帯
⑤当別断層
⑥石狩低地東縁断層帯
⑦黒松内低地断層帯
⑧函館平野西縁断層帯
⑨サロベツ断層帯
⑩幌延断層帯
出典:Peka – Image:Topographic30deg_N30E120.png, Image:Topographic30deg_N30E150.png, CC 表示-継承 3.0, リンクによる
千島海溝は、カムチャツカ半島南部~千島列島南岸に沿い北海道南東部に位置する海溝で、千島・カムチャツカ海溝とも呼ばれています。
さらに、南に位置する日本海溝に連なり、水深7,000メートル以上で最深部は9,550メートルとなっています。
北海道の海溝型地震(30年以内の発生確率)
出典:Craft MAP白地図に筆者が加工
A:色丹島沖および択捉島沖
B:根室沖
C:十勝沖
D:青森県東方沖および岩手県沖北部
E:北海道北西沖
F:北海道西方沖
G:北海道南西沖
H:青森県西方沖
地震 | マグニチュード | 発生確率 (30年以内) |
||
---|---|---|---|---|
千島海溝沿い | A:色丹島沖および択捉島沖 | 7.7~8.5前後 | 60%程度 | |
B:根室沖 | 7.8~8.5程度 | 80%程度 | ||
C:十勝沖 | 8.0~8.6程度 | 9% | ||
超巨大地震(17世紀型) | 8.8程度以上 | 7~40% | ||
ひとまわり小さいプレート間地震 | 十勝沖および根室沖 | 7.0~7.5程度 | 80%程度 | |
色丹島沖および択捉島沖 | 7.5程度 | 90%程度 | ||
十勝沖から択捉島沖の海溝寄りのプレート間地震(津波地震等) | Mt8.0程度 | 50%程度 | ||
沈み込んだプレート内のやや浅い地震 | 8.4前後 | 30%程度 | ||
沈み込んだプレート内のやや深い地震 | 7.8程度 | 50%程度 | ||
海溝軸の外側で発生する地震 | 8.2前後 | 不明 | ||
日本海東縁部 | E:北海道北西沖 | 7.8程度 | 0.006~0.1% | |
F:北海道西方沖 | 7.5前後 | ほぼ0% | ||
G:北海道南西沖 | 7.8前後 | ほぼ0% | ||
H:青森県西方沖 | 7.7前後 | ほぼ0% | ||
日本海溝沿い | 超巨大地震 (東北地方太平洋沖型) |
9.0程度 | ほぼ0% | |
D:青森県東方沖および岩手県沖北部 | 7.9程度 | 6~30% | ||
青森県東方沖および岩手県沖北部 (ひとまわり小さいプレート間地震) |
7.0~7.5程度 | 90%以上 | ||
青森県東方沖から房総沖にかけての海溝寄り | Mt8.6~9.0 | 30%程度 | ||
沈み込んだプレート内の地震 | 7.0~7.5程度 | 60~70%程度 | ||
海溝軸外側 | 8.2前後 | 7% |
※2020年1月1日算出
出典:地震本部 北海道地方の地震活動の特徴
https://www.jishin.go.jp/regional_seismicity/rs_hokkaido/
北海道の主な過去の海溝型地震
A:色丹島沖および択捉島沖
最後の地震活動:1995年12月4日(択捉島沖地震)
地震の間隔:35.5年
プレート間の巨大地震
1893年:マグニチュード7.7
1969年:マグニチュード7.8
択捉島沖付近
1918年:マグニチュード8.0
1963年:マグニチュード8.1
1995年:マグニチュード7.3
B:根室沖
最後の地震活動:1973年6月17日(根室半島沖地震)
地震の間隔:65.1年
プレート間の巨大地震
1843年:マグニチュード8.0
1894年:マグニチュード7.9
1973年:根室半島沖地震 マグニチュード7.4
C:十勝沖
最後の地震活動:2003年9月26日(十勝沖地震)
地震の間隔:80.3年
プレート間の巨大地震
1843年:マグニチュード8.0
1952年:十勝沖地震 マグニチュード8.2
2003年:十勝沖地震 マグニチュード8.0
1843年の地震は根室沖と連動した可能性があります。
D:青森県東方沖及び岩手県沖北部
最後の地震活動:1968年5月16日(十勝沖地震)
地震の間隔:97年
プレート間巨大地震
1677年
1763年
1856年
1968年
マグニチュード7.4~7.9
1945年:マグニチュード7.1
1994年:三陸はるか沖地震 マグニチュード7.6
1923年~2011年3月11日の東北地方太平洋沖地震発生までの88年間
マグニチュード7.0以上:10回発生
E:北海道北西沖
最後の地震活動:約2,100年前
地震の間隔:3,900年程度
マグニチュード7.5以上の地震は観測されていない。
F:北海道西方沖
最後の地震活動:1940年8月2日(神威岬沖地震)
地震の間隔:1,400~3,900年程度
1940年:マグニチュード7.6
G:北海道南西沖
最後の地震活動:1993年7月12日(北海道南西沖地震)
地震の間隔:500~1,400年
1993年:北海道南西沖地震 マグニチュード7.8
H:青森県西方沖
最後の地震活動:1993年7月12日(北海道南西沖地震)
地震の間隔:500~1,400年
1983年:日本海中部地震 マグニチュード7.7
北海道の活断層地震(30年以内の発生確率)
出典:Craft MAP白地図に筆者が加工
①標津断層帯
②十勝平野断層帯
③富良野断層帯
④増毛山地東縁断層帯・沼田−砂川付近の断層帯
⑤当別断層
⑥石狩低地東縁断層帯
⑦黒松内低地断層帯
⑧函館平野西縁断層帯
⑨サロベツ断層帯
⑩幌延断層帯
地震 |
マグニチュード | 発生確率 (30年以内) |
|
---|---|---|---|
①標津断層帯 | 7.7程度以上 | 不明 | |
②十勝平野断層帯 | 主部 | 8.0程度 | 0.1~0.2% |
光地園断層 | 7.2程度 | 0.1~0.4% | |
③富良野断層帯 | 西部 | 7.2程度 | ほぼ0~0.03% |
東部 | 7.2程度 | ほぼ0~0.1% | |
④増毛山地東縁断層帯・ 沼田-砂川付近の断層帯 |
増毛山地東縁断層帯 | 7.8程度 | 0.6%以下 |
沼田-砂川付近の断層帯 | 7.5程度 | 不明 | |
⑤当別断層 | 7.0程度 | ほぼ0~0.2% | |
⑥石狩低地東縁断層帯 | 主部 | 7.9程度 | ほぼ0% |
南部 | 7.7程度以上 | 0.2%以下 | |
⑦黒松内低地断層帯 | 7.3程度以上 | 2~5%以下 | |
⑧函館平野西縁断層帯 | 7.0~7.5程度 | ほぼ0~1% | |
⑨サロベツ断層帯 | 7.6程度 | 4%以下 | |
⑩幌延断層帯 | 活断層ではないと判断される |
※2020年1月1日算出
出典:地震本部 北海道地方の地震活動の特徴
https://www.jishin.go.jp/regional_seismicity/rs_hokkaido/
いずれも、発生する確率は低いものとなっていますが、2018年に起こった「北海道胆振東部地震」などはこれらの断層の位置ではありませんでした。
まだまだ見つかっていない活断層が数多く存在しているとされ、一気にズレるなんてことも実際に起こっているので気は抜けないんですよね。
北海道の主な過去の活断層の活動
①標津断層帯
最後の地震活動:不明
地震の間隔:不明
②十勝平野断層帯
最後の地震活動と1つ前の活動:約21,000年前以後
地震の間隔:7,000~21,000年程度
③富良野断層帯
西部
最後の地震活動:1739年以前
地震の間隔:4,000年程度
東部
最後の地震活動:約4,300年前以後~約2,400年前以前
地震の間隔:9,000~22,000年程度
④増毛山地東縁断層帯・沼田−砂川付近の断層帯
最後の地震活動:不明
地震の間隔:5,000年程度
⑤当別断層
最後の地震活動:約11,000前以後~約2,200年以前
地震の間隔:7,500~15,000年程度
⑥石狩低地東縁断層帯
最後の地震活動:1739年以後~1885年以前
地震の間隔:1,000~2,000年程度
⑦黒松内低地断層帯
最後の地震活動:約5,900年前以後~約4,900年以前
地震の間隔:3,600~5,000年程度以上
⑧函館平野西縁断層帯
過去40,000~50,000年間に3回活動
最後の地震活動:14,000年前以後
⑨サロベツ断層帯
最後の地震活動:約5,100年前以後~約4,500年以前
地震の間隔:約4,000~8,000年程度以上
⑩幌延断層帯
活断層ではないと判断される
その他の主な地震
北海道東部(網走、釧路、根室地方)
太平洋側沖合
1975年:北海道東方沖の地震 マグニチュード7.0
1993年:釧路沖地震 マグニチュード7.5
1994年:北海道東方沖地震 マグニチュード8.2
2004年:釧路沖地震 マグニチュード7.1
陸域の浅い場所
1938年:屈斜路湖付近の地震 マグニチュード6.1
1959年:屈斜路湖付近の地震(複数回) マグニチュード5.6、6.3、6.1
1963年:中標津町の地震 マグニチュード5.3
1956年:網走沖の地震 マグニチュード6.3
1964年:羅臼付近で群発地震(約3ヶ月間)最大マグニチュード6.4
1965年:弟子屈付近 マグニチュード5.1
2004年:網走・根室途方の境界付近の群発地震 最大マグニチュード4.8
北海道中部 (宗谷、上川、留萌、石狩、空知、胆振(苫小牧市より東)地方)
1834年:石狩地震 マグニチュード6.4
1940年:神威(かむい)岬沖(積丹半島沖)の地震 マグニチュード7.5
1947年:北海道西方沖の地震 マグニチュード6.7
1982年:浦河沖地震 マグニチュード7.1
1986年:空知地方北部の地震 マグニチュード5.5
1995年:空知地方中部の地震 マグニチュード5.9
2004年:留萌地方南部の地震 マグニチュード6.1
2018年:北海道胆振東部地震 マグニチュード6.7
日高・十勝地域の地震活動の特徴
1931年:日高地方東部の地震 マグニチュード6.8
1932年:日高地方中部の地震 マグニチュード6.9
1970年:十勝地方南部の地震 マグニチュード6.7
1981年:浦河沖の地震 マグニチュード6.9
1989年:十勝地方北部の群発地震
北海道南西部地域 (後志、渡島、檜山、胆振(苫小牧市以西)地方)
1953年:熊石沖での群発地震 最大マグニチュード5.1
1978~1980年 函館沖での群発地震 最大マグニチュード4.4
1985年:奥尻島での群発地震 最大マグニチュード4.5
1995~1997年:松前町の沖合での群発地震 最大マグニチュード4.6
まとめ
世間では「首都直下地震」や「南海トラフ巨大地震」ばかりが注目を集めていますが、北海道では確率7~40%ではあるものの「千島海溝巨大地震(マグニチュード8.8程度)」はもっと取り上げなければいけないはずなんですよね。
根室沖
マグニチュード7.8~8.5程度 80%程度
色丹島沖及び択捉島沖
マグニチュード7.7~8.5前後 60%程度
ひとまわり小さいプレート間地震 十勝沖及び根室沖
マグニチュード7.0~7.5程度 80%程度
ひとまわり小さいプレート間地震 色丹島沖及び択捉島沖
マグニチュード7.5程度 90%程度
青森県東方沖及び岩手県沖北部(ひとまわり小さいプレート間地震)
マグニチュード7.0~7.5程度 90%程度以上
このように、30年以内に高確率で発生すると予測されている地震はけっこうあるんです。
活断層による地震は少ないものの、2018年には震度7を記録した「北海道胆振東部地震」も起きましたし、油断はできません。
備蓄や持ち出しリュック、避難経路・避難場所の確認、連絡方法、家族との話し合いなど、普段からしっかりと「備え」をしておきましょう。
持ち出しリュックをまだ備えていない方は、早めに用意しておくことをおすすめします。
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