連日ニュースで報道されている新型コロナウイルスの驚異、日に日に感染者の数も犠牲者の人数も増え続けています。
そんななか、「エアロゾル感染」という言葉をよく耳にしますよね。
エアロゾルって言われてもよく分からない人もいるのではないでしょうか?
そもそも新型コロナウイルスのエアロゾル感染は、「証拠がない」として厚生労働省は否定していますが・・・。
ここでは、「コロナウイルス」ではなく「エアロゾル」に注目してお伝えします。
新型コロナウイルス感染ニュースでよく聞く「エアロゾル」って何?
エアロゾルは、大気中に浮遊する微小な液体・固体の粒子のことを意味します。
ゾル=分散されている液体のコロイド(約100ミリメートル以下の粒子)
カタカナになっているからややこしいのであって、簡単に言ってしまえばおおまかには以下のようなことなんです。
固体のエアロゾル=煙、粉塵(ふんじん)
エアロゾル感染は、どちらかというと空気感染に近いものになりますが浮遊する範囲が変わってきます。
飛沫感染<エアロゾル感染<空気感染 といったイメージでしょうかね。
飛沫感染は、咳やくしゃみの水分にウイルスが含まれ放出、それを吸い込んで体内にはいってしまうこと。
水分を含んでいるため重く、飛ぶ距離は短い。
その飛び散った場所を触った手で顔を触れるなどして体内に入るのが接触感染。
エアロゾル感染は、飛沫よりも小さい粒子にウイルスが付着して空気中に漂い、それを吸うことで感染すること。
大きく捉えれば、飛沫もエアロゾルのなかに含まれます。
空気感染は、飛沫核と呼ばれる小さな粒子にウイルスが付着、軽いためエアロゾルよりも広範囲にわたって浮遊する。
ちなみに、コロナウイルスのエアロゾル感染は、上海市民政局が専門家の意見として可能性を示唆したもので、日本の厚生労働省は「証拠がない」として否定しています。
エアロゾルの種類
一言でエアロゾルと言っても、細かく見ていくと様々な種類に分類されます。
気象学の分類
・霧(fog)
大気中に小さな水滴が浮遊している状態で、視認できる範囲は1キロメートル未満まで。
・もや(mist)
霧と同じく大気中に小さな水滴が浮遊している状態で、視認できる範囲は1キロメートル以上。
・煙霧(haze)
乾いた粒子が大気中に浮遊している状態。発生源が分かる場合は煙、分からない場合は煙霧。
大気汚染
・スモッグ(smog)
スモーク+フォグの合成語で、煤煙(ばいえん)で汚れた霧。
・煤煙(ばいえん)
硫黄酸化物やその他の有害物質
・粉塵(ふんじん)
建物の破壊や機械による処理などで発生し、飛散する物質。気体中に浮遊している場合は浮遊粉塵と呼ぶ。
・浮遊粒子状物質
大気中に浮遊する粒子状物質で、10マイクロメートル以下のもの。
・二次生成粒子
大気中のガス状の物質が光化学反応などにより粒子状物質になったもの。PM2.5もこの一種。
気中生物学
・花粉
種子植物の花のおしべから出る粉状の細胞。
・胞子
シダ植物、コケ植物、藻類、菌類(キノコ、カビ、酵母など)が放つ生殖細胞。
その他の発生過程や性状に着目した分類
・粉塵(dust)
建物の破壊などによって空気中に粒子状となり分散されたもの。大きさは1マイクロメートル以上のものが多い。
・フューム(fume)
個体が蒸発し、凝縮され粒子になったもの。金属の加熱溶融などで発生し、1マイクロメートル以下のものが多い。
・煙(smoke)
燃焼により生じるもので、不完全燃焼となったもの、灰、水分などを含んでいる。
・ミスト(mist)
微小な液滴粒子の総称で、液体の蒸発や噴煙などで発生。
エアロゾルの人体への影響
エアロゾルは呼吸によって体内に入り吸収されます。
有害な粒子の場合は、人体に悪影響をもたらすため危険なため注意しなくてはいけません。
呼吸器に沈着し、次の症状をもたらす可能性があります。
・肺胞、気道の閉塞
・肺疾患
※ここでのエアロゾルによる疾患は、新型コロナウイルスのことではなく一般的なエアロゾルの影響について示しています。
溶けやすい粒子の場合は、消化器官により体内に吸収され臓器に取り込まれます。
組織を破壊したり、機能低下をもたらしたりもする。
まとめ
新型コロナウイルス関連のニュースでよく耳にする「エアロゾル感染」は、飛ぶ範囲を見ると「飛沫感染<エアロゾル感染<空気感染」といったイメージとなります。
日本の厚生労働省は、エアロゾル感染をするのかどうかということに関して、「証拠がない」として否定的な見解となっています。
エアロゾルは、無害なものもあれば大気汚染や人体に影響をもたらす危険性の高いものもあるため、スモッグやPM2.5などの情報は小まめにチェックして回避する必要があります。
自治体により注意喚起が行われますので、できるだけ無駄な外出は控えるようにしたい。