黄砂はどこから飛んでくる?色・大きさ・成分・何が危険なのか|影響と対策

黄砂はどこから飛んでくる?色・大きさ・成分・何が危険なのか|影響と対策

春になるとどこからともなく日本にやってくる黄砂。

 

マスクが手放せなくなり、洗濯物も干すことができない厄介なものですよね。

 

ところで、黄砂ってどこからやってきてどんな成分なんか、どんな危険があるのかご存じですか?

 

影響や対策についても紹介していきますので参考にしていてください。



黄砂はどこから飛んでくる?


出典:気象庁 http://www.data.jma.go.jp/gmd/env/kosahp/4-4kosa.html

黄砂は、中国をはじめとした東アジアの内陸部にある砂漠乾燥地域黄土地帯から強風によって吹き上げられたものが、東アジアの広範囲に降り注ぐ現象です。

 

砂嵐によって砂塵(さじん・砂やちり)が風に乗って浮遊し、降下する。

 

日本の黄砂の発生源は、タクラマカン砂漠やゴビ砂漠などで、春(3月~5月にかけて)の低気圧や上昇気流によって上空5,000~1万メートルにまで舞い上がります。

 

偏西風によって2~3日で数1,000キロメートルも移動し、日本にもやってくるのです。

 

大きめの粒子(10マイクロメートル以上)は重力によってすぐに落下しますが、小さい粒子は上空で浮遊し続け、北アメリカ大陸やグリーンランドにまで及ぶこともあるという。

黄砂の色・大きさ

黄砂の色は、黄土色・黄褐色・赤褐色に近く、大気中に浮遊し続け視界がかすんで見えます。

 

濃度が薄ければ白っぽく見え、濃ければ黄褐色・赤褐色に見える。

 

日本に飛来する黄砂の粒子の大きさは、0.5~5マイクロメートルほどで、分類的には砂というよりも泥の粒子の大きさとなる。

 

なかでも4マイクロメートルの大きさが最も多いとされています。

黄砂の成分・何が危険なのか

黄砂は主に、石英、長石、雲母、緑泥石、カオリナイト、方解石(炭酸カルシウム)、硫酸アンモニウムなどから構成されています。

 

浮遊中に、大気中の様々な粒子とくっつくため、飛来する地域では多少異なると考えられています。

 

工業地帯を通過すれば、硫黄酸化物や窒素酸化物を吸着すると考えられ、実際に茨城県のつくば市で調査した際は二酸化窒素や硫酸水素が多く含まれていた。

 

韓国・釜山での調査では、大気中のダイオキシンの濃度が増加することが判明し、人体への摂取量が2倍になったという結果に。

 

また、韓国の調査では細菌の濃度が通常の7~22倍カビの濃度が15~26倍となっています。

 

発ガン性物質も25パーセント増加したという報告もされています。

 

これらは韓国のデータですが、朝鮮半島を越えて日本に飛来するため、無視できない結果でしょう。

 

日本でも黄砂の後には、麦の病害である「黒さび病」が増加し、同じく麦の病害「黄さび病」の胞子も多く飛来することが分かっています。

 

太陽光によって滅菌されると考えられていますが、化学物質が分解され有害なものになる可能性も懸念されているのです。



黄砂の影響

黄砂により、建物の窓や洗濯物、車などが汚れる被害が起きます。

 

農作物へ降り注げば、生育不良になることもあり、ビニールハウスに積もれば光を遮ってしまうことも。

 

黄砂は、大気汚染物質のように長時間大気に留まるため、雲を茶色くするなどして太陽光を遮り、農作物へ被害をもたらす。

 

黄砂が雨雲に入ってしまうと、雨や雪に混じって降ることもあり、雨と混ざって泥状になる。

 

そうなると、建物や車にべっとりとこびりつき取れにくくなる。

 

ワイパーやタオルで強く拭くと傷つけるため、水で洗い流すようにしたい。

 

濃度が高ければ視界が悪くなるので、飛行機や車、鉄道の運行などにも影響を及ぼすこともある。

 

その他、電波障害、気象観測、電波の乱れなども引き起こす可能性もあります。

黄砂と病気

黄砂を吸い込むと、様々な疾患の症状が現れるという報告がなされています。

・呼吸器疾患
・呼吸器感染症
・心臓・脳などの循環器疾患
・ぜんそく
・アレルギー性鼻炎
・結膜炎
・目の病気

 

心筋梗塞、脳卒中、高血圧なども増加が見られるとのことなので、かなり注意しておく必要がある。

黄砂への対策

黄砂への対策でまず思い浮かぶのはマスクの着用。

 

そして、無駄な外出は控えるといったことでしょう。

 

ありきたりですが、他にメガネの着用、うがい手洗いの徹底なども有効な対策です。

 

根本的な対策としては、砂漠化や乾燥化を防ぐ必要があります。

 

緑化や農法の改良などの対策が重要視され、様々な技術開発が進められている。

・適切な植林
・効率の良い薪などの燃料の確保
・家畜の管理
・土壌浸食の防止
・外部から水を人工的に供給する灌漑(かんがい)
・水資源の有効利用
・エネルギーの再利用
・適切な土地利用・農法への転換
・砂の移動防止

 

ただし、古くから黄砂現象は歴史的にずっと続いてきたものでもあるので、防ぎようがないという意見もある。

まとめ

日本の黄砂は、タクラマカン砂漠やゴビ砂漠などから、春(3月~5月にかけて)に飛来する。

 

PM2.5と時期的にもかぶるため、春先はこまめに飛来情報をチェックしておきましょう。

 

マスクや空気清浄機、窓を開閉しない、外出を控えるなど体内に取り込まない対策をしっかりしておきたい。

気象庁の黄砂情報はこちら

 

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