2020年のゴールデンウィークは、帰省や外出の自粛が求められ「ステイホーム週間」と呼ばれています。
テレビでは毎日、医療崩壊の危機と医療従事者への感謝などが伝えられています。
一方で、医療従事者の家族や子供たちが「差別」を受けているという悲しい事実や、パチンコ店にこれでもかというくらいの行列を作る人々がいます。
感染拡大を気にすることもなく、欲求に負けて自粛を無視する人たちの心理ってなんなのでしょうか。
コロナなんて関係ない!?自粛を守れずパチンコに行く人の心理とは?
大阪では、店名を公表されてもいくつかのパチンコ店が営業を続けています。
テレビで店名を出したことで宣伝になってしまい、むしろ人が集まる環境を作り出したのではないだろうか。
とはいえ、パチンコ店にも言い分はあるようで、従業員を助けるためだと言っていますし、マスクも必ず着用し席も空けてもらっているようですね。
パチンコをしに行く客もインタビューを受け、「自分の体だから感染してもいい」というようなニュアンスの人もいました。
いまだにこういった考えの人がいるのには驚きですが、日本の法律では限界ですしどうしようもないのかもしれません。
来店した理由については「暇だから」「開いてるから」「閉めれば来ない」などなど・・・モザイクを取ってほしいくらいですよねホント。
ただ、医療従事者の家族に対して差別をする人も、自粛を無視してパチンコ店に行く人も、新型コロナウイルスに感染したら病院に行って助けを乞うんですよね。
なぜ、こんな行動に出てしまっているのか、以下のポイントについて見ていきたいと思います。
・都合のいい言い訳をする
・禁止されたら屋やりたくなる
・自分は大丈夫(感染しない)という謎の余裕
・家族は注意しないのか
同調現象|みんなと同じ行動をすれば安心する
もし、一人だけしかパチンコ店に来なければ、おそらく気まずくなり悪いことをしていると思うはずです。
よく言いますよね、「赤信号、みんなで渡れば怖くない」。
みんなと同じ行動をすることで安心し、違った行動をすると不安になるという心理が働いているのです。
これを「同調現象」といい、自粛を頑張っている方も起こりうる心理なので注意してください。
自分だけが正しい行動をしていても、周囲の人のほとんどが間違った行動をしていたら、なぜか不安になってしまいます。
危機感が薄れてしまい、ついには周りと同じ間違った行動をとってしまう可能性があるのです。
少数派の意見は、間違っているという印象を持たれてしまいますが、徐々に同意見が増えていくとやがて逆転する現象が起きてしまいます。
もし、旅行先で災害にあってしまい避難することになったら、間違っていたとしても他の人が向かっている場所に行こうとしますよね。
これは、多くの人と同じ方向に流れていくことで安心するからなのです。
自粛を無視してパチンコに行く人が、子供に対して「赤信号で渡っちゃダメ」と言っても説得力はありませんね。
認知的不協和|都合のいい言い訳をする
人は、何かを失敗すると、都合のいい言い訳をする傾向にあります。
受験、就職、夢、恋愛・・・などなど、人は必ずしも成功し続けるとは限りませんよね。
意図して言い訳をしているのではないため、自分では気づきにくいものなのです。
もし受験に合格していたとして、ももともと行きたい学校ではなかったし。
就職できていてもいい会社じゃないし、夢は別にあるから。
このような心理のことを「認知的不協和」といいます。
強い思いがあればあるほど失敗した時のダメージは深いため、より解消したいと思う傾向があるんです。
逆に、やりたくない仕事をしながら毎日せっせと働いているのであれば、どうにか肯定しようとします。
パチンコに行く人は、自分の行動を肯定するために「ちょっとならいいかなと思って」「閉まっていたら来ない」などと、自分に都合のいい言い訳をしていますよね。
カリギュラ効果|禁止されたらやりたくなる
触っちゃダメ!入っちゃダメ!と言われるとついつい触ったり入ったりしたくなっちゃいませんか?
有名な話は「鶴の恩返し」で、禁止されているのに欲求にまかせて破ってしまう心理が働いてしまう傾向にあります。
これを「カリギュラ効果」と呼び、人は何かを禁止されるとストレスを感じ、それを解消するための行動をしてしまうのです。
もともと人には自分で決めたいという潜在的な心理があります。
そのため、拒否されたり妨害されたりすると、無意識のうちに抵抗して反対のことをやってしまうんですよね。
学術的な用語としては「心理的リアクタンス」が用いられていますね。
子供に「勉強しなさい」「歯を磨きなさい」など、怒るように言っているようでは、そりゃ反抗しますよ。
親=国・都道府県、子=自粛を無視してパチンコに行く人。
まさに、この図式が成り立ってしまうという・・・ね。
正常性バイアス|自分は大丈夫(感染しない)という謎の余裕
災害時に、なぜか余裕をかまして逃げないでいる人っていますよね。
実際にその楽観的な考えのせいで、巻き込まれてしまうという人も大勢います。
いくら、災害が起きたとしても、「今までも大丈夫だったのだから、今回も平気でしょ」などと言って、都合の悪いことは無視してしまうことが起きてしまうんです。
このように自分にとって都合のいい解釈をしてしまう心理を「正常性バイアス」「正当性バイアス」などと呼びます。
また、避難指示が出ているにもかかわらず、たいした被害にはならないからと高をくくってしまい「自分だけは大丈夫」という心理になることから「楽観性バイアス」ともいいます。
パチンコに行っている人のほとんどは自分の周りで感染した人がいないのか、いまだに楽観視していることがうかがえますよね。
「自分の体だから感染してもいい」と言ってるのは、自分から他の人へ感染させる可能性についての想像力が乏しすぎて泣けてきますね。
自分さえ良ければいいという考えが、医療崩壊に近づけているかもしれないという意識を持ってほしいものです。
とはいえ、行き帰りに何も公共機関を使わず、何も触らず、どこにも寄らずに帰るのであればいいとは思いますがはたして。
家族は注意しないのか
ここまで、心理的なことについて書いてきましたが、パチンコ店に行くことに対して家族は注意しないんでしょうかね。
例えば、仕事が休みで暇だからといって旦那が「パチンコ行ってくる」といったら奥さんはなんて応えるのでしょうか。
心理的に考えていくと、おそらく夫婦間が上手くいっているほど注意していないと考えています。
これは、夫婦ともに常識的ではないという意味で、関係が良好であれば夫が行くといったらOKを出すでしょう。
そもそも、行くという考えが出ている時点で、今後ついて行けなさそうですけどね普通だったら。
逆に奥さんが常識的な人で我慢を促す意見を伝えた場合に、行くのをやめる夫であればまだいいですが、それでも行くのであれば関係がいいというのには無理がありますよね。
恋愛において好きになった人の悪いところは気にならないほどのめり込んでしまう人っていますよね。
このように、相手のいい情報しか見えなくなってしまうことを「確証バイアス」といいます。
つまり、関係が上手くいっているということは相手の悪いところは見て見ぬフリをしてしまうというわけなのです。
まあ、人の命に関わる事態になっているのに、堂々とパチンコに行けちゃう人と一緒に生きていかなきゃならないんだから、まともであれば夫婦関係が壊れ、ゾッコンであれば気にすらしていないでしょうね。
並んでいるのを誰かに見られてて、学校再開したら子供が「お前のオヤジ、ゴールデンウィークにパチンコ行ってたらしいじゃん」なんて言われなければいいんですけど・・・。
自分の行動によって家族が嫌な思いをする可能性があること、そこまで想像してリスクを減らすことって本当に大事だと改めて思い知らされます。
子供も、自粛中に親がパチンコに行ったと分かったら、親子の間に壁ができそうですけどね。
まとめ
命の危険と欲求を天秤にかけた時にどっちを選ぶかは自由ですが、国や都道府県からの要請をガッツリ無視するのはいかがなものか。
家族や友人の中に、この状況でパチンコ・旅行・飲み会なんてやっている人がいたら、終息後にその人の接し方(気持ちや信用の部分)が変わってしまいそうですね。
もし、パチンコ店で感染しても、医者に診てもらうんですからね・・・困ったものです。