【新型コロナウイルス】パンデミックとは?基準・意味・アウトブレイクとの違いは?過去の事例一覧

【新型コロナウイルス】パンデミックとは?基準・意味・アウトブレイクとの違いは?過去の事例一覧

新型コロナウイルスの感染拡大は世界規模となり、日本でも学校が臨時休校、イベント・スポーツの試合延期など様々な影響を受けています。

 

そんななか、2020年2月28日(金)、世界保健機関(WHO)は世界全体に対して危険性評価を「高い」から「非常に高い」に引き上げました。

 

しかし、パンデミックではないと強調もしています。

 

パンデミックとは一体何なのか、基準・意味・アウトブレイクとの違いや過去の事例一覧を紹介します。

 



新型コロナウイルス・パンデミックとは?基準・意味を解説

新型コロナウイルスのニュースで度々耳にする「パンデミック」という言葉。

 

パンデミックとは、国中もしくは世界的に感染症が大流行し、多くの人に影響を及ぼす状況のことを意味しています。

 

世界流行」と言われることもあり、語源はギリシャ語の「パンデミア」で「パン=全て」「デミア=人々」。

 

新型コロナウイルスのようにヒトからヒトに感染するウイルスは、1人から複数人に拡大する可能性が高く爆発的な広がりを見せる。

 

現代は、飛行機や客船などによろ世界を簡単に行き来できるため、パンデミックは起きやすい環境になっているのです。

 

WHOは、パンデミックについて「6つのフェーズ」に分類し、警戒を促しています。

パンデミック「6つのフェーズ」

パンデミックの6つのフェーズは、大きく分けて3段階となっています。

 

各国の政府や自治体はフェーズを目安に、パンデミックへの対策を行う必要があります。

 

パンデミックとならないように事前に食い止め、企業や学校などの組織なども働く人員や生徒などを守るため対策を行うこととなります。

 

「非常に高い」がパンデミックではないということであれば、フェーズ5まで達しているといってもいいのかもしれません。

・前パンデミック期:フェーズ1~2
・パンデミックアラート期:フェーズ3~5
・パンデミック期:フェーズ6

フェーズ1・前パンデミック期

動物から検出:あり(ヒトへ感染する可能性あり)
ヒトから検出:なし
対策の目標:世界、国家、州、県、都道府県、コミューン(フランスの自治体)、市区町村それぞれで対策を強化

フェーズ2・前パンデミック期

動物から検出:あり(ヒトへ感染するリスクが高い)
ヒトから検出:なし
対策の目標:ヒトへの感染拡大のリスクの減少、感染が起きたら迅速な検知・報告できる体制を整備

フェーズ3・パンデミックアラート期

動物から検出:あり
ヒトから検出:あり(ヒトからヒトへの感染はなし)
対策の目標:迅速な検査診断・報告、患者が増えることに備える

フェーズ4・パンデミックアラート期

動物から検出:あり
ヒトから検出:あり(ヒトからヒトへの感染あり・小規模)
対策の目標:隔離など物理的に封じ込め、ワクチン開発・接種の計画、対策に必要な時間の確保に努める

フェーズ5・パンデミックアラート期

動物から検出:あり
ヒトから検出:あり(ヒトからヒトへの感染あり・大きな集団発生)
対策の目標:フェーズ4と同様

フェーズ6・パンデミック期

動物から検出:あり
ヒトから検出:あり(一般社会で休息に感染拡大)

パンデミックとアウトブレイクとの違いは?

感染症の流行は、規模によって呼ばれ方が異なり、一番大きな規模となるのがパンデミックです。

 

アウトブレイク」という言葉もよく聞かれますが、こちらはもう少し規模が小さく「エピデミック」に分類されています。

 

規模が小さい順に3つに分類
エンデミック(地域流行)
特定の狭い地域に、ところどころ感染が見られ、患者数は少ない。拡大するスピードも遅く流行の一歩手前の状態。
例:季節性のインフルエンザ

 

エピデミック(流行)
一時的に特定の集団の中で拡大し、突発的に規模が拡大して集団で発生していく「アウトブレイク」という。
例:SARS(重症急性呼吸器症候群)

 

パンデミック(汎発流行)
さらに規模が大きくなり、国内や世界中で大流行となる。
例:2009年新型インフルエンザ



パンデミックの過去の事例一覧

 

感染症 年代
ペスト 14世紀
天然痘 16世紀
コレラ 1817~1823年
1826~1837年
1840~1860年
1863~1879年
1881~1896年
1899~1923年
1961~現在
スペインかぜ 1918~1919年
香港かぜ 1968~1969年
後天性免疫不全症候群(エイズ) 1980年代以降
高病原性トリインフルエンザ 1997年
重症急性呼吸器症候群(SARS) 2002~2003年
2009年新型インフルエンザ 2009~2010年
新型コロナウイルス 2019~2020

 

正確にいうと、高病原性トリインフルエンザSARSはパンデミックに至っていませんが、一歩手前の状態まで流行しています。

 

また、パンデミック宣言はなされていませんが、2012年に初めて報告された「中東呼吸器症候群(MERS)」は、2015年に韓国でアウトブレイクが発生ししています。

 

2015年に決められたWHOの「名称決定についてのガイドライン」では、人名地名食品名動物名特定の文化産業に関する名前を含まないようにしている。

 

まとめ

世界保健機関(WHO)により「非常に高い」に引き上げられた新型コロナウイルスは、明確なフェーズは示されていないもののフェーズ5に達したといっても過言ではないでしょう。

 

パンデミックは、世界的な大流行という意味合いですが、もはやパンデミック状態に限りなく近い状態となっています。

 

東京オリンピックの中止や延期などの話も出てきていますが、早めの終息により無事迎えられることを祈りたい。

 

それにしても、学校の臨時休校によって突然の卒業となった最終学年の子供たちの涙にはやるせなさを感じずにはいられない。

 

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