【ごごナマ】阪神淡路大震災から25年|防災について生き抜く方法を考える

【ごごナマ】阪神淡路大震災から25年|防災について生き抜く方法を考える

2020年1月17日(金)13:00~14:55にNHKで放送されたごごナマの「阪神・淡路大震災25年 2時間SP」。

 

1995年1月17日5時46分52秒に兵庫県の淡路島北部沖を震源としたマグニチュード7.3、震度7の大地震が起きました。

 

近年は、地震だけではなく、台風や長雨による河川氾濫など様々な災害が多発していますよね。

 

そんな時代だからこそ防災に務め、生き抜く方法を考えておくようにしましょう。

 

放送内容

災害を生き抜く力
・防災リュックづくり
・心がホッとする防災食
・中継:防災サバイバルに潜入
・震災当時小中学生だった”震災の子”を取材
出演者:西川きよし、三戸なつめ、浜本広晃、近田雄一
防災クッキングアドバイザー・鈴木佳世子、防災士・柳原志保



簡単&便利な防災リュックづくり

最低限必要となるものを入れた防災リュックを用意しておくことが大切になります。

 

大地震が起きて避難する際、リュックだけを持って行けば何かと助かるということもあるのです。

 

そこで、番組では簡単に防災リュックを作る方法を紹介。

防災士・柳原志保さんのリュックの中身
・衣服(1泊2日分)
・文具
・歯ブラシ
・ハサミ
・耳栓
・生活用品
・貴重品(小銭)
・ラジオ(手回し)
・食料品(アルファ米など)
・水(2リットル)
・タオル
・手回しライト
・ヘッドライト
・携帯トイレ
・コーヒー
などなど

柳原さんは総重量6kgほどで、自分が持てる量がいいと話しています。

 

大切なのは、事前に用意しておく「備え」。

 

夜に地震が起きたら、用意なんてしていられません。

 

1泊2日のキャンプをイメージして入れ、家族で何を入れるかなども話し合っておくと良いといいます。

 

家では、縁側や倉庫などに食料を保管しておき、避難所から一時帰宅して取りに行くことが可能なため、リュックにプラスしてストックしておきたいとも話します。

 

そして防災リュックは、人それぞれ自分流にするのが大切とのこと。

 

小銭は店頭販売ができるようになった場合に使うことができ、お店はおつりが用意できていないのでお札は役に立たないという経験があったことから重要だと。

 

避難所ではストレスを感じやすくなるので、日常を感じられることも大切。

 

柳原さんにとってはコーヒーでしたが、チョコレートでもおやつでも何でもOK。

 

子供にはおもちゃやゲームでもいいでしょう。

 

避難所の枕元に防災リュックを置いておくだけでも、子供が安心して心のケアにもなるとのこと。

便利グッズ

便利なグッズとして紹介したもの。

 

ピクニックなどで使うアルミシート
下に敷くのはもちろんのこと、身体にまとえば防寒になる。暑い日には、アルミが熱を反射してくれる優れもので、他の避難者とのしきりにも仕えるのも便利。

 

赤ちゃんのおしりふき
大きくてしっかりしていてノンアルコールのものが良く、肌に優しく衛生面にも優れている。子供がお風呂に入れない時に肌にボツボツがでてしまったという体験から。

 

ブラ付キャミソール
付けっぱなしでいると窮屈でストレスも溜まります。外してしまうと暑い夏に薄着になりたくても、周りの目を気にするとなれません。そんな時はブラ付キャミソールでリラックスできるため女性におすすめ。

 

防災リュックの中のものの8割が100円グッズでまかなっているということで、誰でもすぐに作ることができるのです。

 

ポイントとしては、ホッとできるものを入れることです。

 

日常から非日常となり、余震の不安のあるので心のケアにも役に立ちます

 

雨に濡れてしまう可能性があるので、それぞれのアイテムを袋に包むことをおすすめします。

災害時のトイレ

避難所では、トイレは非常に重要な問題です。

 

食べるのは何とか我慢できます(我慢は良くありません)が、排泄はどうしようもありません。

 

だからといって、水を飲まずにいればエコノミー症候群になってしまう可能性は高い。

 

衛生と健康に直結するため、とても大切なのです。

 

実際に柳原さんが経験した3つのこと

・水が止まり使えない
・仮説トイレが届かず3日間使えない
・体育館に臭いが充満

 

そこで携帯トイレがとても重宝されるのです。

 

携帯トイレとはビニール袋と凝固剤のセットで売られているのでチェックしておくと良いでしょう。

 

固まれば可燃ゴミに出せるので便利なのですが、ゴミを出す際は通常の可燃ゴミとは袋を分けて出すのがマナーです。

 

防臭袋やフタ付きの袋に入れて、しっかりとしばってゴミを出しましょう。

 

また、便器を使った非常用トイレとして、手作りトイレも紹介。

用意しておくもの
・ポリ袋45リットル×2
・ガムテープ
・凝固剤

 

作り方は簡単なので、非常時のために覚えておきたいですね。

 

①便器のフタを開けたままポリ袋を被せ、ガムテープで固定
→水が溜まっているので養生用です

 

②同じ要領で2枚目を被せ、そこで用を足します

 

③凝固剤を入れて固める

 

④2枚目のポリ袋を取り出し、空気を抜いて縛って可燃ゴミへ

 

※トイレが壊れて水が流れないのに、強引にしてしまうとつまったり溢れてしまったりするので控えるようにしてください。

阪神と東北をつなぐ

気仙沼との中継では、たい焼き屋さんを「二つの震災を乗り越えたたい焼き」というテーマで紹介。

 

東日本大震災のあとも、仮設テントで営業してきたお店でしたが、2020年に店舗を構えてオープンする予定。

 

ご主人は、かつて神戸でデパートの食品売り場で働いていました。

 

いつもやってくる常連のおじいさん。

 

話をすると、たい焼き屋をやっているといい、それを食べさせてもらうとおいしくて感動。

 

その味のレシピを教えてもらう運びに。

 

味をマスターすると、師匠からは西日本では営業するなという話になります。

 

西はオレで、東がお前ということで日本を真っ二つにすることにしました。

 

しかし、阪神淡路大震災により神戸は被災、師匠に連絡取ろうとするもつながらず行方不明に。

 

そして、月日は流れ、今度は東日本大震災が起きてしまいます。

 

たい焼きのレシピも連絡先も全て流されてしまいましたが、50m離れた場所で発見。

 

たい焼き屋をやれと言うことなのだと思い、今でも続けているのです。

 

師匠の行き先は分からないが、あの時の約束を今でも守り続けているのでした。

アートイベント

神戸三宮センター街では、「9131 絵がつなぐあの日とそれから」を紹介。

 

9131とは、阪神淡路大震災から、2020年1月17日までに日数とのこと。

 

9組の震災体験者の描いた絵がアーケード街に飾られています。

 

10年前に描いたの絵やその人たちが今描いた絵、さらには兵庫県ゆかりの漫画家やアーティストが描いた絵を展示。

 

今後も各地をまわるとのことですよ。

2020年1月17日(金)~19日(月):三宮センター街1丁目
2020年1月22日(水)~31日(金):兵庫県立美術館
2020年2月4日(火)~24日(月・祝)※10日(月)、17日(月)は休館:NHK仙台放送局
2020年3月2日(月)~11日(水):こむこむにぎわい広場(福島県福島市)
2020年3月13日(金)~22日(日):JR盛岡駅2階 南側コンコース(南口みどりの窓口前)
2020年3月28日(土)~29日(日):NHK大阪放送局

栄養満点おいしい災害食レシピ

避難所には物資が届きますが、必ずしもすぐに届くとは限りません。

 

防災クッキングアドバイザー・鈴木佳世子さんの経験ではタイミングによって物資の内容が変わってくるとのこと。

震災直後:アルファ化米、ビスケット
1週間後:弁当
1ヶ月後:揚げ物、ジュース

 

避難所生活が1ヶ月を超えてくると栄養が偏りがちで、精神なストレス口内炎・風邪などの症状も起きやすくなります。

 

そこで、避難所でも楽しめるポリ袋(耐熱性)を使った災害食レシピを紹介。

 

 

ポリ袋を使うメリットはゴミをあまり増やさずに済むので衛生面にもいいこと。

 

また、湯煎しかしないので水もあまり使わず、再利用できるという点。

 

ポイントは自分好みにおいしくアレンジすること。

具だくさん焼きそば

作り方
①ポリ袋に乾燥野菜、焼きそば、粉末ソース入れる

②水を入れる

③袋に空気を入れて振る

④口をねじってしばり、お湯に入れて15分加熱

⑤お好みでコーンやツナを入れたり、マヨネーズをかけたり

カルシウムたっぷりプリン

作り方
①ポリ袋に以下の食材を入れる
牛乳100
卵1個
砂糖大さじ1
シロップ適量

②20分湯煎(弱火)

野菜たっぷりサラダ

乾燥野菜をポリ袋に入れて湯煎するだけなので簡単にできます。

 

生の野菜が手に入らなくてもOKで、食物繊維も豊富に取れ便秘解消となります。



中継:防災サバイバルに潜入

神戸市長田区にある「ふたば学舎(元・双葉小学校)」と中継。

 

双葉小学校は、阪神淡路大震災で奇跡的に崩壊を逃れ、その後は避難所になるなど「復興のシンボル」に。

 

ふたば学舎は、災害を生き抜く知恵や語り継ぐ場として子供たちに「震災体験学習」を実施。

 

この日は、小学3年生1クラスが授業の一環として体験しました。

 

避難クイズと、新聞紙によるお皿の制作、被災者の経験した話を聞くなど。

避難クイズ

Q:下校途中に震災に、安全性が高い避難所は?
①コンビニ
②ガソリンスタンド
③交番

A:②ガソリンスタンド

阪神淡路大震災でもガソリンスタンドだけが残ったという写真を見せ、ガソリンスタンドについて説明。ガソリンスタンドは頑丈に作るようにする決まりがあり、耐火性も強くガソリンもしっかりと地下で保管されているので安全性が高い。しかし、あくまでも一時的な避難所として利用し、落ち着いたら避難所などを利用。

 

Q:お風呂の途中で地震が起きたらどうする?
①裸のままいち早く風呂の外に出る
②すぐに逃げられるように服を着る
③揺れが収まるまでじっとしている

A:③揺れが収まるまでじっとしている

お風呂の空間には、壁や柱があり強度がある程度あるとのこと。余裕があればドアだけ開けておくといいという。

 

とはいえ、災害の規模や地域、状況によって変わってくるので、防災に「これは正解」はないので注意とのこと。

お皿を新聞紙・チラシで作る

先ほどのポリ袋を使った料理も便利なのですが、お皿があれば普段の生活の感覚を戻せるため、精神的なケアにもつながります。

 

また、洗わなくて済むので水を使わずに済むのもメリットに。

 

といっても、新聞紙で作った皿は、長方形で作る箱なので誰もが作ったことがあるものかと思います。

 

ここでは折り方を説明はしませんが、気になる方は「新聞紙 箱 折る」などでググってみてください。

 

ああ、あれか!となる箱だと思いますよ。

震災当時小中学生だった”震災の子”を取材

13歳の時に、神戸で阪神淡路大震災を経験した加島康平さん(38歳)が経験を語ります。

 

日本赤十字社2005年入社し、青少年・ボランティア課で経験や防災について次の世代に伝える活動をしています。

 

震災直後に父の「うっ」という声を聞き、その瞬間亡くなったと思ったと。

 

父と小学校1年生の弟が亡くなってしまい、残ったのは母と妹。

 

祖母も家族として一緒に住んでいたとのことでしたが、そこについては言及していませんでした。

 

震災後は、大阪に移り住み、完全に心にフタをしてしまったといいます。

 

しかし、大人になるにつれて意識が変わり、震災をどんど忘れていく自分に気がつきます。

 

災後から20年後、母と話し合う機会を設けると、母はずっと震災後つらい思いをしていたということを話してくれます。

 

夜、子供が寝た後で泣いていた・・・その時母の気持ちが分かり、それがきっかけとなり震災への意識が変わったという。

 

震災を伝え、今までの自分の経験が活かされることで一人でも多くの命が救えるかもと。

 

そして、先ほどのふたば学舎に登場し「かたりべ教室」で体験を話します。

 

子供たちに伝えたいポイントは2つ

自分の身は自分で守ろう
大震災に遭えば、助けはすぐに来ません。レスキューのプロも怪我してるかもしれないし、道が壊れてこられないかもしれない。いくらプロでも行動には限界があり、自分の身は自分で守るのが大事になってきます。

「何とかなる」「誰かが助けてくれる」ではなく、自分で防災を勉強して、防災のために準備しておくことが大切なのです。

 

やらなかったらゼロ 行動を起こそう
加島康平さんが震災に遭う前、母親が家に亀裂が入っていることを話したそうです。しかし、家族は「何言ってるの?」といって真剣に話を聞けなかった。そして地震が起き、家は潰れ父と弟を亡くしてしまう。

なぜ話を聞いてあげられなかったのか、なぜ引っ越さなかったのか・・・気づいているのに、分かっているのに。行動しなかったらゼロ活かさなければゼロゼロとは、大切な人や物が気づいてしまうことなのです。

まとめ

2020年1月17日は、阪神淡路大震災が起きてからちょうど25年。

 

神戸では半数の人が経験していない世代になってきているということで、風化させないためにも伝えていくことは大切なものとなります。

 

阪神淡路、新潟中越、東日本、熊本、北海道胆振の大地震の地域だけではなく、いつ、どこで、誰が被災するか分からないからこそ、日頃からの防災対策や準備をするのが非常に重要なのです。

 

 

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