買い物をしている時に、もともと買う予定じゃなかったものまで買ってしまったなんてことありますよね。
いわゆる衝動買いと呼ばれる行為ですが、これってなんで買ってしまうのか気になりませんか?
また、必要ないものまで買ってしまうなんてこともありますよね。
ここでは、必要ないものを買ってしまう心理についてお伝えしていきますので、買い物の際に役立ててみてください。
現在バイアス|なぜ衝動買いしてしまうのか
人が買い物において衝動買いをしてしまうのは、「現在バイアス」という心理が働くためだと言われています。
現在バイアスとは、将来に利益があったとしても目先の利益を優先してしまうもの。
これは利益だけのものではなく、快楽なんかもそうですね。
現在の利益のほうが、将来受ける利益よりも大きく感じてしまうのです。
例えば、「今すぐに1万円もらえる」のと、「1年後に3万円もらえる」を選ぶとしたら、今すぐに1万円をもらえる方を選んでしまう人が多いといいます。
1万円で、すぐにおいしい食事をしたり、好きなものを買うといったことを優先してしまうんです。
選好逆転|条件が変われば優先も変わる
しかし、条件が変わってくれば、優先するものも変わってきます。
「1年後に3万円もらえる」というのと、「1年1ヶ月後に4万円もらえる」との2択になると後者を選びがちになります。
これは、1年後も1年1ヶ月後もあまり変わらないという判断に至るために、金額の高い4万円を選んでしまうのです。
これを「選好逆転」といい、人の決定は条件によってすぐに変わってしまうんですよね。
なんとも、人とというのはいい加減な生き物なんです・・・。
極端の回避性|松竹梅の秘密
お寿司やさんや定食屋などで、「松竹梅」にグレードを分けて提供しているお店ってありますよね。
実は、これにもマーケティングの手法が盛り込まれていて、わたしたちはまんまと乗せられてしまっているんですよ。
竹:1,500円
梅:1,000円
このなかからランチを選ぶとしたら、どれにしますか?
多くの人は無難なものを選びたくなる傾向があり、「竹」を選ぶようになります。
極端に高いもの避ける・・・これを「極端の回避性」や「妥協効果」といいます。
高い「松」を選んでたいしておいしくなかったら損した気分になり、「梅」は一番下という意識があるので気が引けて、結局は真ん中の「竹」を選んでしまうんです。
おとり効果|高額の商品の近くのものが安く感じる
もし、売りたい商品があったとしたら、その商品と比較する形で3種類を用意しておくと効果が期待できます。
グレードが上の商品と下の商品を一緒に売り出し、売りたい商品に真ん中の値段設定をしてあげると有効になります。
これを「おとり効果」といいます。
例えば、新聞の勧誘なんかで見られることがありますね。
B:5,000円契約・・・新聞&電子版の購読費用
そもそも選ばないという考えは置いといて、どちらかを選ぶのであればをAを選びますよね。
そこで、Bを選ばせたい時には、さらにCを選択肢に入れてあげればいいのです。
B:5,000円契約・・・新聞&電子版の購読費用
C:5,000円契約・・・紙の新聞のみの購読費用
最初から3択にしてあげると、Bがお得に感じるようになります。
A+C=Bになるので、2,000円+5,000円=7,000円になるので、Bの5,000円はお得ですよね。
売りたい商品の隣に劣っている商品を示してあげれば買ってしまうという作戦なので、こういったケースの場合にはしっかりとカラクリを確認してから買うようにしたいところです。
感応度逓減制|必要ないものを買ってしまう心理
高価な買い物をする際には、必要ないものまで買ってしまうことってありますよね。
車を買う時なんかに、実際には必要ないオプションを付けてしまいませんか?
家を購入する時にもありがちで、結婚式のオプションもそうですよね。
このように、高額な買い物では多少の金額ではたいしたことないと思ってしまう心理のことを「感応度逓減制(かんのうどていげんせい)」といいます。
競馬やパチンコなどのギャンブルにおいても、最初は慎重にお金を使っていたとしても、そのうちちょっとならいいやと思うようになり、大金をツッコんでしまうんです。
レジの横に置いてあるお菓子やチョコなんかも、安いからといって買ってしまうのも似たような心理が働いているため。
感応度逓減制を、しっかりと意識して買い物をしなければ、気づいた時には多額の出費がかさんでいることがあるので注意しておきましょう。
まとめ
買い物をする際に、必要のないものまで衝動買いをしてしまうのは、「現在バイアス」「極端の回避性」「おとり効果」「 感応度逓減制」と様々な心理を利用されているからなのです。
無駄なものを抑えるためには、これらのことを意識して、お店側の思うツボにならないようにするのが大切です。
レジに持っていく前に本当に必要なものなのか、慎重に検討してから持っていくように心がけましょう。