【THIS MAN】夢に出てくる男の都市伝説は作り話?正体の真相は宣伝だった!?

【THIS MAN】夢に出てくる男の都市伝説は作り話?正体の真相は宣伝だった!?


出典:Several authors – http://www.thisman.org/index.htm, CC0, リンクによる

THIS MAN」という男の都市伝説をご存じでしょうか?

 

↑のモンタージュはどこか気持ち悪く、一度見たら頭から離れない風貌をしていますよね。

 

この男は、2000年代に入ってから世界中の人の夢に出てくるということで、国境を越えて話題になったこともある人物です。

 

ここでは「THIS MAN」の正体や、都市伝説の真相についてお伝えします。



「THIS MAN」夢に出てくる男の都市伝説

2006年頃から、世界で2,000人以上の夢に出てきたといわれ、現実の世界では決して見かけることのない謎の人物が「THIS MAN」です。

 

発端は、2006年1月にニューヨークの精神科医のもとを訪れた女性が、相談したことでした。

 

夢によく現れる見たこともない男の似顔絵を描いて見せ、先生に夢の話をします。

 

男は、夢の中で彼女にアドバイスを送るというのですが、全く知らない人であることで気になっていたのです。

 

さらに、精神科医の先生がこの話を忘れた頃、別の男性が相談に訪れ、同じような話をしたのです。

 

女性の時と同様に似顔絵を描いてもらうと、ほとんど同じ顔だったのでした。

 

疑問に思った先生は、同僚たちに似顔絵を見てもらい相談。

 

すると、数ヶ月以内に同じようなことを経験した患者が4人もやってきたのです。

 

さらに、彼らにも似顔絵を描いてもらうと、同じ男の顔が・・・。

 

精神科医はこの謎の男を「THIS MAN」と名付けます。

 

さらに、夢で出会った人は増え続け、ニューヨークのみならず世界中で2,000人以上が同じ経験をしたとう報告がなされたのです。

「THIS MAN」は作り話で仕掛け人がいる!正体の真相は宣伝だった!?

「THIS MAN」に出会うシチュエーションは、人それぞれで異なり規則性はありません。

 

そもそも、都市伝説の話も本当なのか・・・前述の精神科医についても有名な医師という情報はあっても、名前は分かっていないんですよね。

 

というより、精神科医も最初の女性も、もともと存在していないんです。

 

これは全くの作り話で、イタリア人のアンドレア・ナテッラという人が仕掛け人だったのです。

 

広告代理店の「KOOK(クック)」の社長で、プロモーションの一環で企画したもの。

 

商品を客がどんどん広めていくように仕掛ける方法で「バイラル・マーケティング」というものを利用。

 

「THIS MAN」を通じて、この情報が世界中に広まるのかということを検証するために行われたプロジェクトだったのでした。

 

バイラルにはウイルスという意味も込められていて、感染が拡大するように広がっていくというもの。

 

今で言うところの「バズ」を狙った手法で「ゲリラ・マーケティング」なんて言われたりもします。

 

一部では、「THIS MAN」という映画のためのプロモーションだったとも言われていますが、結局は公開されていません。

 

ただ、検証のためのプロジェクトは大成功し、公式サイトでは20億のアクセスを記録し、35ヶ国に翻訳。

 

「KOOK(クック)」自体が、「変人」という意味ですし、「THIS MAN」を企画したのも納得です。



「THIS MAN」の5つの説

公式ホームページには「ThisMan.org」では、5つの説が書かれています。

・This Manはカール・ユングの学説であり、無関係の人々が共通で見るという無意識の元型イメージの1つである。
・This Manは神が顕現した存在である。
・企業が人々に精神的な条件付けを施してThis Manの夢を見せている。
・単にThis Manを見た人の話を聞いた人がその夢を見ただけである。
・夢の中で人の顔を覚えるのは困難であるため、自分が見た夢を思い出そうとしてThis Manの似顔絵を思い浮かべてしまう。

 

ちなみに「THIS MAN」は、映画などの作品に採用されています。

・韓国映画「Lucid Dream(英語版)」の冒頭で短時間使用
・「X-ファイル」エピソード”Plus One(英語版)”
・「世にも奇妙な物語 ’17春の特別編」のなかの「夢男」
・漫画「This Man〜その顔を見た者には死を〜」

 

さらには、「THIS MAN」を有名人の顔にコラージュするのも流行り、似ている人を探す人もネット上で多く見られました。

 

Arud Kannan Ayyaというインド人の導師は、自分こそが「THIS MAN」だと主張。

 

まさに世界中の人やメディアを巻き込んだ、情報のマーケティングに成功したのでした。

まとめ

夢に出てくる男「THIS MAN」は、マーケティングのプロジェクトの一環として行われたものでした。

 

つまり、都市伝説を自分で作ってしまうことで、情報を一気に世界中に拡散できるということが証明されてしまったわけです。

 

緊急な事態や災害が起きた時に、デマによってお店の商品がなくなってしまうというのも、もしかしたら仕掛け人がいるのかもしれません。

 

情報の出所と信ぴょう性を確かめることが大切だということを教えてくれた都市伝説とも言えますね。



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