外国に旅行に行った際に、体調を崩してしまったという経験はないでしょうか?
いわゆる「パリ症候群」と呼ばれるもので、ウツになりやすいと言われているんですよね。
なぜパリ症候群が起きてしまうのか気になる方もいるかと思いますので、原因をお伝えしていきます。
また、行ってはみたものの、雑誌の情報や写真などの素晴らしさとのギャップによって幻滅する「がっかりスポット」についても紹介します。
パリ症候群|外国に行くとうつになる?
パリ症候群とは、映画やネットなどで見た憧れの地であるパリに、実際に行ってみたら想像とのギャップに落ち込んでしまう症状のことを意味しています。
パリは、ファッションや芸術の最先端というイメージがあり、オシャレな国民性という思い込みがあります。
憧れて移住を決意したところ、フランスの習慣や環境に対応できず、精神的に参ってしまいウツになってしまうこともあるといいます。
フランス在住の精神科医・太田博昭氏が1991年に出版した著書「パリ症候群」により、世間に広く知られることでフランスでも認知されるようになりました。
現地では、パリに来て暗い顔して帰国していく日本人女性というのが名物となっているくらいなんです。
近年は世界中に大勢の中国人が観光に出かけていますが、なかにはパリ症候群になってしまう人も多くなってきているようですよ。
ちなみに、世界中どこでも起こる可能性があるのでパリに限らず海外へ行く際には注意する必要があります。
パリ症候群の原因とは?
パリへの過度な憧れと現実のギャップは、パリ症候群を引き起こす原因の一つと考えられていますが、フランス語へのストレスもあると言われています。
フランス語は、会話の合間に舌打ちのような表現のフィラーと呼ばれる感嘆詞が入ってくるため、違和感を覚えストレスを感じる人がいるといいます。
もちろんフランス人やフランス語が悪いのではなく、訪れる人の語学の勉強不足による未熟さが原因というのは言うまでもありません。
フランスで生活をしようとした際に、フランス語が上手くならず、仕事もうまくいかないという人も影響されやすくなります。
さらに、日本との文化に違いがあるため、相手が自分の心のテリトリーにズカズカ入り込んできたり、主張が強かったりすることに慣れていません。
日本では敬遠される態度でも海外ではそれが普通であり、むしろ日本人の控えめさや奥ゆかしさは、外国で理解されるのはなかなか難しい。
憧れだけで行ってしまったために、自分がフランス人から嫌われていると思い込むようになり、だんだんと落ち込んでいってしまうこともあるのです。
行きたいところへの交通手段や通貨の種類、電車やタクシーの乗り方、ホテルの手続き、治安の良さ・・・旅行においての生活で最低限の情報を調べたからといって油断は禁物です。
文化や国民性についても理解し、パリ症候群に陥る可能性にはどんなものがあるのかまで調査して億おくことも大事になってくるのです。
世界のがっかりスポットをチェック
パリ症候群になるかどうかは人それぞれですが、写真の美しさや雑誌などによって良いイメージを膨らませるのはほどほどにしておいた方がいいですよ。
世の中には「がっかりスポット」なるものがあり、期待して行ってみたものの「え、これだけ!?」「何これ!?」という感想になることもありますよね。
そういうところには、残念さを楽しみに行くくらいの気持ちで臨むくらいがちょうどいいんです。
ハードルをかなり下げておけば、「思っていたより残念じゃないじゃん」と思えるかもしれませんしね。
世界には3大残念スポットなるものがあるので紹介しておきます。
ドイツ・ブリュッセルの「小便小僧」
ブリュッセルの観光名所の一つである「小便小僧」ですが、実はレプリカなんですよね。
オリジナルは、1619年にフランス人彫刻家のジェローム・デュケノワが制作され、盗難を防ぐための処置1960年代にブリュッセル市立博物館に保管されています。
がっかりする原因の一つはその大きさにあると思われます。
身長はたったの55.5cmしかないですし、建物の影に隠れ高い位置に設置されています。
とはいえ、小便小僧は人気が高く、世界から多くの衣装が贈られてきます。
なにかあるごとに着替えて大きな話題となっているんです。
その衣装の数は1000を超え、「ジュリアン坊や」という名前でも親しまれています。
デンマーク・コペンハーゲンの「人魚姫の像」
「人魚姫の像」はアンデルセンの童話の人魚姫をかたどった銅像で、像の作者は彫刻家のエドヴァルド・エリクセン。
人魚姫の像は幾度となくイタズラをされ、落書き・破損と修復を繰り返しています。
像の高さは1.25mあり、岸から数メートルのところにあるので小便小僧よりは存在感がありますね。
ただ、目的地まで行くためのアクセスが悪く、時間がかかって見に行った割には「これだけ?」って思ってしまうんです。
一応は名所なので観光客も多く、情緒を感じるのが難しいという点も原因なのかもしれません。
ちなみにエドヴァルド・エリクセンの妻がエリーネ・エリクセン、エリーネの妹がインゲボルグ・シーヴァルセン。
インゲボルグ・シーヴァルセンの息子が俳優の岡田眞澄さんなんですよ。
シンガポールの「マーライオン」
マーライオンは、マーメイド+ライオンの造語で、上半身がライオンで下半身が魚っぽくなっているコンクリート製の像になります。
1972年にフレイザー・ブルーナーという水族館の館長により設計され、彫刻家のリム・ナン・センがアンダーソン橋近くに作りました。
2002年5月8日に完成したマーライオン・ピアに移設し、見やすくなったことで人気も上昇。
移転前は正面を見ることが難しかったため、あまりいい印象がないという人もいるのでしょう。
現在は正面から見ることができますし、トリック写真を撮る人も多いので意外と残念度は低いのかもしれませんね。
ただし、噴水口が汚いということも聞きますし、残念なところは多少まだ残っています。
まとめ
「パリ症候群」は、日本との文化の違いやコミュニケーションの考え方の違いなどによって、引き起こされている可能性があります。
憧れていた理想とのギャップにもショックを受け、ホームシックの一種とも言われています。
海外への移住や長期の旅行をする際には、過度な期待を持たず日本とは違うということを頭に入れておくようにしましょう。
最悪のことを想定しておけばリスク回避にもつながりますが、旅行においても最悪な状況になった時のことを考えておくと良いかもしれませんね。