【ストックホルム症候群|リマ症候群】人質が犯人を好きになってしまう心理とは?過去の事例

【ストックホルム症候群|リマ症候群】人質が犯人を好きになってしまう心理とは?過去の事例

人質にあった被害者が、犯罪者に協力した・・・といった話しを聞いたことはないでしょうか?

 

こういった心理のことを「ストックホルム症候群」といい、実際に起こってしまう現象なんですよね。

 

悪い人だと分かっているのに、どうして好きになってしまうのでしょうか。

 

ここでは、ストックホルム症候群、そして「リマ症候群」についてお伝えしていきます。



ストックホルム症候群|人質が犯人を好きになってしまう心理とは?

1973年8月に、スウェーデンの首都であるストックホルムで起きた銀行強盗の人質事件によって見られた現象こそが「ストック折ホルム症候群」でした。

 

人質が解放された後、なんと人質が警察官に銃を向けて捜査を妨害し、犯人側に協力したのです。

 

解放されても、犯人に好意を持ち非協力的な証言も行っていました。

 

命がかかっている極限状態では犯人が主導権を握っているため、好意的になった方が生存できる確率は上がります

 

極限のストレスの中では、犯人に共感したり協力したりした方が気持ち的にも楽になります。

 

その結果として、犯人に好意を持つ人が出てきてしまうと言われています。

 

また、犯人の許可がなければ、トイレに行くこともできない状況にあるため、許可してくれただけで「犯人は親切」だと感じることで見方が変わるもとされています。

 

この事件はノルマルム広場強盗事件と言われていて、ストックホルム症候群は「ノルマルム広場症候群」とも呼ばれています。

リマ症候群|犯人が人質が好きになってしまう心理

一方で、監禁した側が被害者に対して好意を持つ場合もあります。

 

これを「リマ症候群」といい、1996年12月~1997年4月にかけてペルーのリマで起きた「在ペルー日本大使公邸占拠事件」にちなんで名付けられています。

 

武装グルーブは、約600人を人質にしましたが、人質に同情をして数時間後に200人を解放。

 

順次解放を行い、最終的にはペルー政府の要人や日本大使館の職員など72人が残りました。

 

その過程において、若いゲリラグループは同情心を持つに至っています。

 

4ヶ月もの間、共同生活をすることになるのですが、トランプやオセロなどで遊んだと言われています。

 

さらに、日本語のレッスンをするなど有効的な関係を築いていたのです。



ストックホルム症候群の過去の事例

ストックホルム症候群が見受けられた過去の事例には、日本での出来事も含まれています。

 

例えば、1970年に発生した「よど号ハイジャック事件」。

 

人質となったある乗客は、「北帰行(ほっきこう)」1961年のヒット歌謡曲を歌って犯人を応援したといいます。

 

別の乗客は降りる際に「頑張ってください」と激励し、不思議な一体感が生まれていたのです。

 

また、パトリシア・ハースト事件では、誘拐された女性が犯人グループに加入し銀行強盗を行っています。

 

代表的な事例には次のものがあります。

よど号ハイジャック事件(1970年)
パトリシア・ハースト事件(1974年)
三菱銀行人質事件(1979年)
ジェイシー・リー・デュガード誘拐事件(1991年)
福島悪魔払い事件(1995年)
在ペルー日本大使公邸占拠事件(1996~1997年)
オーストリア少女監禁事件(1998~2006年)
エリザベス・スマート誘拐事件(2002年)

まとめ

ストックホルム症候群は、生きていられるかどうかの極限状態において、仕方なく犯人側に寄り添うしかない場合もあります。

 

しかし、なかにはグループに入って事件を起こすこともあるというのだから驚きですよね。

 

とはいえ、実際にそのような状態になってしまった場合、どんな行動を取ることになるのか。

 

上記の過去の事件の詳細を見てみると、かなり考えさせられますね。

 

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