宝くじが当たったら、幸せな未来が待ってる!
と思って、毎回買っては当たらずに残念がっている人は多いことでしょう。
ところで、万が一宝くじが当たったとしたら、ずっと幸せは続くと思いますか?
また、幸せ=結婚という考えもありますが、好きな人と結婚できなかったらそれは不幸なのでしょうか?
宝くじに当たったら幸せになる?
宝くじに当たったという人のニュースを見ると、うらやましいと思ってしまいますよね。
しかし、驚くことに幸福度というのは一時期のものであって長続きしないというのです。
人は、大げさに評価をしてしまい、幸せも長続きすると予測してしまいます。
このような心理を「インパクト・バイアス」といいます。
宝くじに当たる前は、当たった後に待っている幸せに満ちた生活を想像しますが、実際に当たってみると幸福感の持続に影響しないとのこと。
結局は、徐々に盛り下がっていき、元の幸福度に戻ってしまうのです。
逆に、不幸なことが続いた場合でも、時間が経てば気持ちも回復していき落ちついていきます。
幸福も不幸も、最初は大きな感情の起伏があるものの、1年や数年後に幸福度を聞くとあまり変わらないというのです。
不幸になると幸福感を味わいやすい!?
不幸になると、「心理的免疫システム」なるものが働き、幸せを感じやすくなるといいます。
これは、アメリカのハーバード大学の心理学者であるダン・ギルバートが提唱するもので、不幸レベルが強いほど心理的免疫システムも強く働くとのこと。
これを利用すれば、意図的に幸福感を味わうこともできるようですよ。
人は、希望や選択肢が少ない方が幸福度を感じやすくもあります。
例えば、4つの中から一つ好きなものをあげると言われたとします。
一番好きなものをもらえるのだから幸福度は高いですよね。
しかし、そこで「一度選択しても、後で交換することも可能」という条件をつけると、最初に選択したものに対しての満足度は低くなってしまうのです。
ささやかな幸福や満足の事例ではありますが、幸せというのは自分で作り出せるものでもあるのです。
フォーカシング・イリュージョ|好きな人と結婚できなければ不幸?
幸せは、人それぞれが何を持って幸せとするかで変わってきますよね。
宝くじが当たったということでなくても、希望の大学に受かった、いい企業に就職できた、好きな人と結婚できた・・・などなど。
人はいつの間にか「お金があれば幸せ」「結婚できれば幸せ」のように思い込むようになってしまうもの。
反対に、「稼ぎが少なければ幸せではない」「結婚できなければ幸せではない」と勝手に他人の価値観も決めつけてしまうんですよね。
このような心理のことを「フォーカシング・イリュージョン」と呼びます。
しかし、最大の幸せだと思って結婚したとしても離婚する人はたくさんいます。
いい企業に就職できても、慣れてくれば「こんなものか」と思うようになるかもしれません。
宝くじと同様に、いくら幸せを定義づけしても長続きするとは限らないのです。
近年は、自分が優位に立ちたいという思いから「マウント」をとりたがる人が増えていますよね。
少し前であれば、勝ち組、負け組なんて言葉もありました。
これらは、自分の価値観や、世間の多数派の意見を「正」とした考えであり、決してそれだけが幸せではないということを付け加えておきたいと思います。
ちなみに、多数派を正しい意見と思ってしまう心理を「同調現象」といい、SNSの炎上なんかもその類いです。
まとめ
宝くじが当たったという人と、事故で大怪我をしてしまった人では、数年後の幸福度はあまり変わらないと言われています。
もちろん、最初は幸せを感じ、怪我をすれば不幸だと思うことでしょう。
しかし、幸福は長続きしないこともあり、「幸せ」というものは人それぞれで異なってくるものなのです。
世間一般に言われている幸せを得るために、本当の幸せを見逃しているかもしれない・・・何とも滑稽な時代ですね。