2020年3月3日(火)、参院予算委員会で五輪相の橋本聖子氏が東京オリンピックの開催について言及。
これを受けて海外メディアでは、オリンピックの2020年内延期の可能性について報じています。
イギリスのBBCやロイター通信では、「五輪相が、新型コロナウイルスの影響で夏から年内に延期される可能性があると述べた」としています。
はたして、日程通り開催できるのか、中止・延期いったいどこに向かっているのか気になる報道となっています。
【新型コロナウイルス】東京オリンピック開催?中止?延期?橋本聖子五輪相の発言が話題に
国際オリンピック委員会(IOC)が明記する内容には、2020年に開催としてある東京で開催されなければ中止できるという決まりがあるといい、橋本聖子五輪相の発言はこれに触れたもの。
「20年中であれば延期できると取れる」と述べたのです。
これを、海外メディアは「年内の延期の可能性」と一斉に報じたという流れとなります。
AP通信は、「五輪相2020年ならいつでも開催できる」。
アメリカのウォールストリートジャーナルは「東京オリンピックは遅れる可能性がある」。
イギリスBBC「日本の五輪相は、コロナウイルスへの影響で、東京2020大会は夏から年内に延期される可能性があると述べています」。
Japan’s Olympic minister says Tokyo 2020 Games could be postponed from the summer until later in the year amid coronavirus fears https://t.co/vpd4KAmMKn https://t.co/DkRAOBX0PG
— BBC News (World) (@BBCWorld) March 3, 2020
各海外メディアはどれも、橋本聖子五輪相の発言を似たような解釈で取り上げています。
橋本聖子五輪相は、開催についての判断について「5月末が大きな基準になっているのではないかと思う」と述べています。
IOCの判断は?
IOCは3月3日(火)に理事会を開き、大会組織委員会、世界保健機関(WHO)などと共に合同で特別作業チームをつくり新型コロナウイルス対策に取り組みと明らかにしています。
さらにIOCは、WHOの助言に耳を傾けながら「東京オリンピックの成功に向けて全面的に関与する」として通常通りの開催へ意欲を示しています。
東京五輪 WHOなどと合同チームで対応 IOC理事会 #nhk_news https://t.co/cEejgyFzEF
— NHKニュース (@nhk_news) March 3, 2020
東京オリンピックの契約条件
東京オリンピック開催にあたって「開催都市契約」というものが交わされています。
もちろん契約というくらいなので、法的な効力を持つと思われる約束事が細かく決められています。
そのなかで注目なのが「契約の解除」の項目。
IOCが契約を解除できるという条件には以下のことが記されています。
i) 開催国が開会式前または本大会期間中であるかにかかわらず、いつでも、戦争状態、内乱、ボイコット、国際社会によって定められた禁輸措置の対象、または交戦の一種として公式に認められる状況にある場合、または IOC がその単独の裁量で、本大会参加者の安全が理由の如何を問わず深刻に脅かされると信じるに足る合理的な根拠がある場合。
ii) (本契約の第 5 条に記載の)政府の誓約事項が尊重されない場合。
iii)本大会が 2020 年中に開催されない場合。
iv) 本契約、オリンピック憲章、または適用法に定められた重大な義務に開催都市、NOC または OCOG が違反した場合。
v) 本契約第 72条の重大な違反があり、是正されない場合。
出典:開催都市契約
冒頭の橋本聖子五輪相が触れた、「2020年中であれば・・・」というのはこのiii)の項目のことですね。
i)の前半部分の「争い」に関しては当然問題ありませんが、後半の「本大会参加者の安全が理由の如何を問わず深刻に脅かされると信じるに足る合理的な根拠がある場合」に新型コロナウイルスが当てはまるかどうかということが問題になってきます。
つまるところは、IOCが独自に判断を下せばそれで中止になってしまうんですよね。
このままであれば開催は厳しいことが予想されるため、ギリギリ5月末まで様子を見て判断しようということなのでしょう。
マラソンコースを札幌に半ば強引に移させたIOCでも、さすがに中止時の被害総額を考えないわけにはいかないでしょうし、中止の選択はしない気がするんですけどね。
東京や日本はもちろんのこと、放映権などを考えるとIOCにもおそらく莫大な損害が出ると思われますしね。
開催地を変えるにしても、日本がダメならどこもダメでしょうし・・・。
橋本聖子五輪相が年内の延期を匂わせたことで、「その手があったか!」と感じてIOCは日程をずらしてでも実行するのでは!?
まとめ
橋本聖子五輪相が東京オリンピックの開催を2020年内のなかでの延期に触れたことで、世界では「延期の可能性がある」として一気に拡散されました。
IOCは、WHOなどと協力して東京開催で行くことを宣言していますが、あのIOCですしどうなるのかヒヤヒヤものですよね。
中止・延期・開催の判断は、2020年5月末ということなので、新型コロナウイルスの早急な終息が待たれます。
ちょいズレで↓が当たるのはちょっと嫌ですね・・・。