通販やテレビショッピングなどで、返品可能の商品ってなぜだか魅力的に感じませんか?
ついつい買ってしまい、結局は返品せずに使っていたりするんですよね。
消費者の心理をついたマーケティングの方法で、商品を売るための罠にまんまとはまってしまっているんです。
ここでは、返品可能の商品が売れる理由、得する喜びより損する悔しさが大きい心理についても紹介していきます。
保有効果|返品可能の商品が売れる理由!
人には、一度手に入れたモノは、簡単に手放したくないという心理が働きます。
手に入れる前と後では、そのモノに対して愛着の度合いが変わってくるのです。
さらに、自分のモノになったら価値が上がったと思うようになり手放したくないと感じ、結局は返品なんてしないんですよね。
もちろん、返品するための手続きが面倒だという理由も相まって、返品することが億劫になってしまうことも理由としてあるでしょう。
この心理を「保有効果」といい、通販の手法としても使われ多くの人がこの罠にかかってしまっているんです。
返品できると分かっていても、ちょっとくらいの不満では返品しないことの方が多いのです。
現状維持バイアス|現状を変えることに不安がある
人は、日常において毎日同じような行動をしていることが多いはず。
朝起きて、朝食を食べて出社し、昼食、帰宅、夕食、就寝・・・。
根付いてしまっている同じ行動や習慣は、そう簡単には変えることができません。
行動を変えることに不安や抵抗を感じることを「現状維持バイアス」や「現状維持の法則」といいます。
現状維持バイアスもマーケティングに利用され、いつの間にかハマってしまっていることに気がついていないんですよね。
通販などの「お試し無料サービス」はまさこの心理を取り入れた手法となっています。
例えば、1ヶ月無料お試しで美容クリームを取り寄せ、1ヶ月毎日使っていたとします。
すると、人は途中でやめることに抵抗を感じるため、継続して購入をする流れに陥りやすいのです。
行動を変えたくない心理が働くため、最初の入り口のところを無料にしておくことがポイントですね。
一歩踏み入れてしまえば、販売する側はしてやったりという訳なのです。
損失回避性|得する喜びより損する悔しさが大きい訳
人は、得する喜びより損する悔しさが大きい思う心理が働きます。
例えば、5,000円の商品をオークションを利用して2,500円で手に入れたとします。
しかし、購入した後で、1,500円で売っているのを発見し、さらに見た目も新しい商品に出会ってしまいました。
本来であれば2,500円も得したはずなのに、損した意識を持ってしまいます。
この心理のことを「損失回避性」といい、得したことよりも損したことの方が強く意識に残ってしまうのです。
損を無意識に避けてしまう
人は無意識のうちに損をすることを避けてしまう生き物です。
あなただったら、次の2択に関してどちらを選択するでしょうか。
B:じゃんけんで勝ったら20万円もらえるが、負けたらもらえない
じゃんけんで負けても、±0なはずなのに、負けたら損をするという意識が働きAを選ぶ人が多くなると思われます。
では、次の2択ではどうでしょうか。
D:じゃんけんで勝ったら支払いなし、負けたら2万円支払う
この2択だと、Dを選択する人の方が多くなるのです。
Cだと必ず損をしますが、Dだと損を帳消しになるかもしれないため、確実に損をするCを避けたくなります。
つまり、確実に利益は得たいが、確実な損は回避したいという心理が働いてしまうのです。
人は必ずしも合理的に選択をするものではないことが証明されていて、これを「プロスペクト理論」といい、期待や予測を意味するものとなっています。
まとめ
人は、「保有効果」や「現状維持バイアス」によって、商品をまんまと購入してしまっているのです。
得する喜びより損する悔しさが大きい「損失回避性」も働くため、慎重な行動を取りがちになります。
とはいえ、平穏な生き方をすることがいいのか、それともリスクをともなったとしても大きな得のために行動するのか、一度、見直してみてもいいかもしれませんね。
というのも、もはや公務員以外は安定して生活できるという時代ではなくなってしまっていますしね。