誰もが一度はやったことがあると思われる「10回クイズ」。
例えば、ピザって10回言った後に、「じゃあここは?」と肘を指で示されても膝と答えてしまうあれです。
何気なくやっていた簡単な遊びですが、ひっかかてしまう理由をご存じででしょうか?
これを利用すれば、人の行動を操ることも可能だというのだから気になりますよね!?
プライミング効果|10回クイズに引っかかってしまう理由は?
10回クイズは、質問をされる直前まで本当の答えとは違う情報をインプットします。
すると、無意識のうちにその言葉から連想した答えを言ってしまうんです。
これを「プライミング効果」といい、10回クイズに引っかかってしまった人はこの心理の効果にはまってしまったということ。
このプライミング効果には大きく分けて「直接プライミング効果」と「間接プライミング効果」の2つに分類することができます。
10回クイズのように、同じ刺激が繰り返されることで起きるもので「反復プライミング効果」とも呼ばれています。知覚的なことに関して起きることが多く、単語完成課題などもその事例に当てはまります。
単語完成課題の例としては、事前に「しんぶんし」という単語を見せておき「○ん○ん○」に当てはまる単語は何か答えてもらう問題があります。
「しんぶんし」と答える人は、事前に見せていない人に比べ多く、しかも速く答えられるというもの。
この課題をやるにあたって、答える人は意識的ではなく無意識に関連させてしまうというのがポイントなのです。
一方、間接プライミング効果は「意味的プライミング効果」とも呼ばれ、先に与えられた刺激に対してそれに関連する単語まで思い起こさせる効果があります。
例えば、文章の中に「しわ」「白髪」「バリアフリー」などの単語を入れておくと、その問題を解き終わった後には自分の動きもゆっくりになっているということがあるのです。
横断歩道を何気なく見せた後に、草食動物を答えてと言われると「シマウマ」を連想しやすいとうこともあります。
また、目の前にヘルメットが置いてあっただけでは、何をしたらいいか分かりませんよね。
しかし、もし一緒に自転車があれば、ヒントがなくても理解できるし、スコップがあればまた違った受け取り方をしますよね。
ピコピコハンマーがあればまた違ったことを思い浮かべるでしょう。
さらには、「はし」という単語を聞いた後に、「ご飯」という単語を聞いた場合と「本」という単語を聞いた後では、もちろん「ご飯」と聞いた方が「箸」だとすぐに意味が分かります。
人を操るのは簡単だった!?
プライミング効果を使えば人を操ることだって不可能ではありません。
実は、世の中のほとんどの人はすでに操られながら生活しています。
事前に見たり聞いたりしていたことによって、行動に影響を与えているんですよね。
例えば、夕飯はラーメンに決めたとします。
なぜ、ラーメンにしたのか聞かれたあなたは、ちょうどラーメンが食べたかったから食べただけと言うでしょう。
しかし、日中にどこかで何気なく見たテレビCMや雑誌の広告でラーメンを見たことで無意識的にラーメンを選んだのかもしれません。
広告でなくても、近くにいた人の会話がラーメンの話題だった、ラーメン屋の前を通っていた、コンビニで目の前の客がラーメンを買い込んでいた・・・。
自分で決めたと思っていても実は無意識に誘導されていたなんてこともあるのです。
これを利用すれば、人の行動を操るのって意外と簡単なのかもしれませんよ。
まとめ
10回クイズのように同じ言葉を繰り返した後に、「じゃあこれは?」と問題を出された時に間違えてしまうのはプライミング効果によるものです。
今日の夕飯を、そのメニューにした理由は何だったのか・・・。
あなたが今からしようとしている行動も、誰かが仕掛けた広告による誘導かもしれません。