集団で作業をしている時、手を抜いてしまっていませんか?
同じ作業を大人数でやっていると、やる気が出なくなってしまうのってどうしてなんでしょうかね。
一方で、誰かに見られているとやる気が出てきたりするものです。
この2つの心理的な動きについては、ちゃんとした理由があるので見ていきましょう。
リンゲルマン効果|作業する人数が増えると手を抜く!?
作業場において、人数が多くなると手を抜いてしまうという心理的な現象を「リンゲルマン効果」といいます。
または「社会的手抜き」とも呼ばれていますが、意識的に手を抜いてしまっているわけではないというのだからおもしろいんですよね。
ドイツの心理学者・リンゲルマンは、綱引きをする際に人数を増やせば増やすほど一人一人が発揮するパワーも大きくなると予測を立てた実験を行いました。
しかし、予想とは裏腹に一人一人の発揮するパワーは小さくなってしまったというのです。
いつでも全力を出しているつもりでも、集団で何かを行う時には無意識に力を抜いてしまうことが多いのです。
もし、あなたが大人数で仕事をしているのであれば、もしかしたら知らない間に力を抑えてしまっているかもしれないので注意してみてくださいね。
傍観者効果|「見て見ぬフリ」が起きる心理とは?
都会では、近所との繋がりがなくなり、隣の家族がどんな構成になっているかも分からないということが多いですよね。
多くの人が集まる場所で事故が起きても見て見ぬフリなんてこともあるというのだからビックリです。
誰かが通報してくれるだろう、助けてくれるだろう・・・そんな考えが頭をよぎってしまうのでしょう。
これは、先ほどのリンゲルマン効果に似ている心理が働いていてしまっているんです。
自分は行動を起こさずに、見て見ぬフリをしてしまうという心理のことを「傍観者効果」といいます。
倒れている人を助けたという学生のニュースがたまに報道されますが、そもそもそういった行動を大人が当たり前にとる世の中にならないといけないんですけどね。
ホーソン効果|人に見られているとやる気が出る?
一方で、誰かが見ているとやる気が出てくるなんてこともありますよね。
一人で黙々と作業をしていると手を抜いてしまいがちですが、誰かが見ていれば良いところを見せたいという心理が働くこともあるでしょう。
スポーツでも、サポーターやファンが応援してくれていることに対して応えたいという思いが強くなります。
そのことによって、実力以上の力が出てくるなんてことはよく聞く話ですよね。
このように、見られていることで頑張れる心理のことを「ホーソン効果」といいます。
ホーソンとは、アメリカのシカゴにあるウエスタン・エレクトリック社の工場の名前で、このホーソン工場で行われた実験が元となっています。
作業の効率を上げるためには、工場の設備を改善するという方法が考えられます。
しかし、上司の目が光っている環境で作業をするという条件の方が生産性が上がったというのです。
注目されているということで、期待に応えたいという心理が働いたと思われています。
直接見ていなくても、期待されてるという意識を持ってもらうことで仕事の能率や学力がアップすることもあるのです。
従業員同士が褒め合うことで生産性を上げる企業もあるといいます。
まとめ
集団の中では手を抜いてしまう心理を「リンゲルマン効果」、期待されていると意識することで仕事や勉強の能率が上がるという心理を「ホーソン効果」といいます。
部下や後輩がいる場合、命令・指示だけしているだけでなく期待しているということを伝えるといいのかもしれませんね。
部下の能力が伸びないのは、もしかしたら上司であるあなたが原因なのかもしれませんよ。