仕事や趣味、スポーツ、人生設計、何事にも目標を持ち、それに近づくとやる気が出る!?
というお話なのですが、あなたは目標もなく何かをするなんてそもそもできますか?
お金をもらいたいから働く、記録を出したいから練習をする、将来のために貯金をする・・・などなど、何かしらの目標や理由があるのではないでしょうか。
ここでは、やる気を出すには目標に近づいていくことが大切であり、趣味を仕事にすると長続きしないというテーマについてお伝えしていきます。
目標勾配仮説|目標に近づくことでやる気が出る!
スポーツに縁がない人でも、子供の頃は校内マラソン大会なんてものがあったことでしょう。
長い距離を走るのは辛くても、次の電柱まで頑張ろう、たどり着いたらまた次の電柱まで・・・これを繰り返してゴールまで走りきったという人も多いのでは!?
ゴールが近づけば、力がみなぎってきてスピードがアップしたりしますよね。
これは、目標が近づいてくることで達成したいという思いが強くなるからであり、この心理のことを「目標勾配仮説」といいます。
登山なんかも、山頂が見えていない時は果てしなく感じてしまいますが、頂上が見えてくるとやる気がみなぎってきます。
マラソンや登山にかかわらず、仕事でも何でも目標勾配仮説のような心理が働くので、目標を持つことは大切なのです。
集客するためのスタンプカードの心理
1回の来店でカードにスタンプを1個押し、10個押されたら1品無料といったサービスをしているお店をよく見かけますよね。
最初にもらう時には、その時の分の1個が押されるのであと9回来れば達成することになります。
その後、お店に行く度に押されていき、10個に到達という明確な目標が近づけば近づくほどお店に行くペースも上がるのです。
例えば、別々のお客さんに次のスタンプカードをそれぞれ渡したとします。
・スタンプ10個でコーヒー1杯無料(スタンプ1つ押した状態)
2つとも、あと9回スタンプが押されればコーヒー1杯無料になるのは同じ条件です。
しかし、3個押されているカードの方がお店に訪れる回数が増えるというのです。
これも、ゴールが近づいてきているという錯覚を起こし、ゴールへの欲求が高まってくるからと推察されています。
アンダーマイニング効果|報酬をもらうとやる気が出なくなる
一方で、一度報酬をもらってしまったらやる気が出なくなってしまうこともあります。
例えば、もともと積極的にボランティアとして活動していたとします。
社会貢献や人助けの精神を持って、無償で汗を流していました。
しかし、一つの奉仕活動に対して報酬をもらうようになったら、他のボランティア活動に対するやる気がなくなってしまうというのです。
報酬をもらったことで、無償の活動には出たくなくなってしまうという心理が働いてしまうからであり、これを「アンダーマイニング効果」と呼びます。
作業をするに当たっての動機には、外的要因と内的要因の2つがあります。
外的要因というのは、働くことで報酬をもらうことを目的にすることや、命令されて仕方なく働かされている場合など。
内的要因は、その作業が好きだからだったり上達したいからだったり、目標を達成したいなどが含まれ、もちろん動機付けとしても外的なものよりも強いものがあります。
そのため、内的な動機によるものだった行動に対して外的な報酬などが与えられてしまうと、目標が報酬へと変わってしまうのです。
もともとが強い動機付けだったために、外的要因にすり替わてしまうとやる気がなくなってしまうので注意しておきたいところです。
趣味を仕事にすると長続きしない!?
好きなことを仕事にして暮らしていきたい!
このように思っている人は多いのではないでしょうか?
しかし、好きでやっていた趣味を仕事にしたらやる気がなくなってしまうということもあるので注意しておきましょう。
趣味は明らかな内的動機によるものであり、ここに報酬が絡んできてしまうと「楽しむ」よりも「稼ぐ」という目標に変わってしますので意欲が低下する可能性が高くなってしまうのです。
よく「趣味は仕事にするな」といいますが、あながち間違っていないんですよね。
仲の良かった友人と、仕事関係でパートナーになってしまうと上手くいかなくなってしまうというのと似ている感覚でしょう。
万人に言えることではありませんが、プライベートと仕事は別々にしておいた方が良さそう!?でしょうかね。
ピグマリオン効果|期待を込めて接すると応えてくれる心理
一方で、期待を込めて相手に接するとそれに応えてくれるという心理もあります。
これを「ピグマリオン効果」といい、認めてあげれば能力を発揮してくれるのです。
ピグマリオンとは、神話に登場する王様の名前で、自分が作った女性の彫刻に恋をした人物です。
人間になることを期待して女性の彫刻を彫ったのですが、願いが通じて人間となり結ばれたというのです。
このことから、期待を込めて接すれば期待に応えてくれるということをピグマリオン効果と呼ぶようになっています。
また、アメリカの教育心理学者のローゼンタールが行った実験により「ローゼンタール効果」とも呼ばれています。
教師が期待をした生徒のほうが成績が伸びたという実験結果が出ています。
反対に、期待されなかったことでの能力が低下してしまうのを「ゴーレム効果」といいます。
これは、ゴーレムは額にある護符をとってしまうとただの泥人形になってしまうことからつけられたものになります。
まとめ
人は、目標が近づいてくると達成したいという欲求が働くため、やる気がみなぎってきます。
これを「目標勾配仮説」といい、スタンプカードに見られるようにマーケティングにも利用されています。
人のやる気は「アンダーマイニング効果」によって低下しまうこともあるので、趣味で始めたことを仕事にすると逆効果になる可能性があるので注意しましょう。