人は生きていれば、何かしら嫌な思い出というのはあるものですよね。
例えば、告白をしてフラれたことって、相手のことが好きであればあるほど記憶に残っていたりしませんか?
できたことよりもできなかったことのほうがはっきり覚えていることが多い気がするのは気のせいなんですかね!?
ここでは、フラれたことは記憶に残りいつまでも覚えているその理由についてお伝えします。
ここでは、さらに、過去の思い出を美化する心理についても紹介します。
ツァイガルニク効果|フラれたことを記憶に残りいつまでも覚えている!
恋愛いおいて、自分がフッた出来事よりも、フラれたことの方がいつまでも記憶に残りやすいといいます。
これは恋愛に限ったことではなく、仕事でも完了したものよりも途中で終わらざるを得なかった時の方が記憶に残りやすいものなのです。
仕事においても恋愛においても、完了できずに中途半端で終わってしまうことで、いわゆる「未練」が残っている状態になってしまいます。
このように、中断されたことに対して記憶に残りやすい現象を「ツァイガルニク効果」といいます。
ツァイガルニクとは女性の心理学者の名前で、次のような実験をしたことで知られています。
ある課題に対して、最後まで完了した人たちと中断した人たちに分け比較。
課題の内容を思い出してもらうと、中断したグループの方がよく覚えていたという結果になったというのです。
ツァイガルニク効果が起きるのはなぜ?理由は?
では、ツァイガルニク効果のような心理現象は、なぜ起きるのでしょうか?
これは、達成されてしまうことで今までの緊張がほどけてしまうからだと考えられています。
中断されてしまうと、持続されていた緊張がなくならずにそのまま維持され、記憶に残りやすいというのです。
緊張を長続きさせることで記憶に残りやすいとうことは、勉強にも応用が効くのでは!?
ということで、もっと続けて勉強したいという状態で、あえて中断することで集中も長続きし、記憶にも残りやすくなる可能性があるのです。
しかも、一時的に疲れている脳を休めることができるのというメリットもあるので効果的だと言われています。
バラ色の回想|思い出を美化するのはどうしてなのか?
できなかったことや中断したことに対して記憶が残りやすいのとは別に、たいしたことのない話を美化するのも人間の特徴ではないでしょうか。
これは、「認知バイアス」の一種で「バラ色の回想」とも呼ばれている心理現象です。
過去のエピソードの中で、とても良いことやとても悪いことはよく覚えていますが、ちょっと良いこと・悪いことは忘れやすくなっています。
精神的なストレスを和らげるために本能的に備わってる能力だと考えられているのです。
フォールスメモリー|相手との記憶に食い違いができる理由
同じ出来事を複数の人が体験しても、記憶に違いが生じることってありますよね。
どっちの思い出の記憶が正しいのか分からなくなってしまっているので正解もうやむやになってしまいます。
実際にはなかった出来事をあたかもあったかのように記憶してしまうことを「フォールスメモリー(虚偽記憶)」といいます。
過去の出来事を思い出す過程で、間違った記憶の情報まで一緒に集めてしまうために起きてしまうと考えられています。
記憶は、その出来事に関連した情報の断片をたどっていってつなぎ合わせます。
そこで、関係ない情報が紛れてしまえば、実際に起こらなかったエピソードができてしまうのです。
人と話しながら思い出す場合には、その会話が影響することがあるので、これもまた間違った記憶が完成してしまいます。
また、人や本、テレビなど、他の人から見聞きした情報を、自分の体験と思いこんでしまうことを「クリプトネムジア現象」といいます。
まとめ
人の記憶とは非常にあいまいなもので、達成した出来事よりも中断された出来事の方がよく覚えていることが多く、これを「ツァイガルニク効果」といいます。
あまり印象にないような出来事の場合は、思い出す際に間違った情報も紛れ込んでしまう「フォールスメモリー」になることが多くなります。
しかし、飲みながら過去の話で盛り上がれるのも、こういった記憶違いがあるからなのかもしれませんし、一概にそれが悪いとは言えないのも人間の魅力なのかもしれませんね。