「マジカルナンバー7」という、記憶に関するキーワードを聞いたことはあるでしょうか?
これは、人間が同時に覚えられる限界値を表したもので、7種類くらいが限度ですよというもの。
近年では「マジカルナンバー4」なのでは!?とも言われています。
また、マジカルナンバーを利用してマーケティングに活かすポイントをお伝えしていきます。
マジカルナンバー7±2|一度に多くのことを覚えようとすると混乱するのはなぜ?
人は、一度に多くのことを覚えようとすると混乱してしまうものです。
その理由は、短期的に7つ程度のことしか記憶できないからだとされ、それを「マジカルナンバー7」という。
アメリカの心理学者ジョージ・ミラーが唱えたもので、「7つ程度」としていることもあり「マジカルナンバー7±2」という表現をされることが多く、実際には5~9と幅広いものになります。
または「ミラーの法則」とも呼ばれています。
9180384
14142135617320508
上記は、上が7つ、下が17個の数字をランダムに並べたものです。
数秒見たあとに目を瞑ってもすぐに言い直す場合、上はすぐに言えると思いますが、下は混乱して覚えにくいのではないでしょうか。
もちろん、フラッシュ暗算を得意とするような人は別ですが、普通は覚えきれませんよね。
ミラーは、記憶できるひとつの塊を「チャンク」と呼び、最大9チャンクまでと考えたのです。
先ほどの「14142135617320508」は17チャンクということになります。
しかし、数字をある言葉に置き換えて読み、グループを作ってしまえばチャンクの数は減っていき覚えられる量は増えていきます。
14142135617320508をそれぞれ
1356(ひとみごろ)
1732(ひとなみに)
0508(おごれや)
こうすることで4チャンクにまで減らすことができます。
元素記号の覚え方の「水平リーベ僕の船 七曲りシップスクラークか・・・」なんてのも有名ですよね。
一度に覚えられる記憶限界は4±1だった!?
ミラーが発表した論文は1956年でしたが、2001年に新たな説を唱える人物が現れました。
ミズーリ大学の心理学教授ネルソン・コーワンは、「マジカルナンバー4±1」が真の記憶限界だと提唱したのです。
つまり、5~9チャンクではなく、3~5チャンクこそが正しいのだと。
例えば、別々の動物が書かれた9枚のカードを10秒で覚えてから裏返しにした時に、何枚正解できるのかを考えると全部は難しいはず。
そう考えると5くらいが限界というのも納得できる説になっていますよね。
ビジネスでも伝えたい内容は3~5に抑える
マジカルナンバーは、ビジネスやマーケティングにおいても利用されていて、私たちも知らないうちに使っていたりします。
何かの情報を得たい時には、ネットなどで検索すると思いますが、関連する情報と合わせて3~5つくらいで満足する気がしませんか?
もちろん、10個以上関連する情報が書いているのはありがたいですが、今はそんなにいらないし覚えられないって思いますよね。
ビジネスのプレゼンで相手にしっかりと覚えてもらいたいという時も、3~5つのポイントにまとめた方が理解されやすいはずです。
一方で、商品を売り込みたい時なんかは、情報やメリットを多く見せることで消費者に満足感を与えることが可能となります。
その場合は、5つ以下ではなく6つ以上(マジカルナンバー7±2を考えると10以上は欲しい)を意識して情報を載せることで、より豊富な情報やメリットがあるということを印象づけることができるでしょう。
商品を選ばせたい時は選択肢が多いと迷ってしまうので、3つくらいに抑えてあげると選びやすくなります。
・5つ以内(3つ以内が簡潔)
情報の多さをアピールする場合
・6つ以上(10個以上は欲しいところ)
選ばせたい場合
・3つ程度
一概に全てのメディアやマーケティングに通用するものではありませんが、気にしておくと役に立つかもしれませんね。
ちなみに、奇数と偶数では、奇数の方が収まりもよく、縁起もいいとされているので好まれる傾向にありますよ。
まとめ
「マジカルナンバー7±2」が記憶の限界と言われてきましたが、近年では「マジカルナンバー4±1」が真の記憶限界という説が有力となってきています。
伝えたいことがある場合は3~5に絞り、できれば3つくらいにしておくと良いかもしれません。
情報が豊富にあるということをアピールしたいのであれば、6つ以上、マジカルナンバー7±2を考えると10個以上は欲しいところでしょう。