「あの人の名前って何だっけ?」
「あのー、あれ、あれ、えーっと・・・」
顔は思い出せるのに名前が出てこないなんてことは、誰もが一度は経験したことがあるのではないでしょうか。
絶対知っているはずなのに思い出せない・・・これってなぜなのか気になりませんか?
誰だっけ?あれだよ!顔は思い出せるのに名前が出てこない!
顔は思い出せても名前が思い出せない。
どんな職業で、どこ出身で、どんな性格の人なのかは思い出せるのに・・・。
このように名前の他の情報は思い出せるのに、一番思い出したいことが思い出せない現象を「ベイカーベイカーパラドクス」といいます。
何だか不思議な名前ですが、直訳すると「パン屋のベイカーのパラドクス」となります。
パラドクスが訳されてないじゃん!というのはさておき、意味としては職業はパン屋と思い出せるのにベイカーという名前が思い出せないというジョークのようなもの。
年齢と共に名前などを思い出せずに、「あれ、あれだよ、えーっと」などと言いがちになってしまいます。
これは、名前に限らず、地名、本や映画のタイトル、モノの名前など、固有名詞が出てこなくなることも含まれまてきます。
ベイカーベイカーパラドクスが起きるのはなぜ?
では、なぜベイカーベイカーパラドクスが起きてしまうのでしょうか。
実際には、これだという結論は出ていませんが、映像の情報よりも文字の情報の方が記憶に残りにくいからなのではないかと推察されています。
映像による情報、つまり天敵や危険な場所の情報を記憶する能力がもともと備わっていると言われています。
これは、脳の後頭葉の働きによるもので、基本的には歳を重ねても大幅に能力がダウンするものではありません。
名前は年取ると衰える!?
名前が思い出せないと、人はイライラが募ってしまいますよね。
のど元まで出かかっているのに思い出せない・・・顔は分かっているんだよ・・・。
過去に名前を記憶し、脳にインプットされているのは確実なのに、うまく検索できないことにもどかしさを感じてしまいます。
この状態のことを「舌端現象」、もしくは「舌先現象」といいます。
英語では「Tip of the tongue」といい、略してTOT現象とも呼ばれています。
文字情報というのは、人間にだけに備わっている能力で、前頭葉の働きにより年を重ねると衰えてしまいます。
加齢によって名前を検索する能力がうまく機能しないために、名前が出てこなくなってしまうというわけなのです。
まとめ
顔は思い出せるのに一番肝心な名前が思い出せない、そんな状態のことを「ベイカーベイカーパラドクス」と呼ばれています。
そのことによってもどかしさやイライラが募ることを「舌端現象」といいます。
映像情報と文字情報では、文字の方が記憶に残りにくいためとされていますが、詳しくはまだ解明されていません。