「病は気からと言いますし、明るくいきましょう」とポジティブに考えようとされるために使うことが多い「病は気から」というフレーズ。
気持ち次第で病気も治りますよ、あまり深く悩まないでくださいね、といった一種の励ましの意味が込められています。
はたして、そんな昔からのことわざめいた言葉に根拠や効果はあるのでしょうか?
プラシーボ効果|思い込みでも薬は効く!?
医者が薬を処方する際に、「この薬は良く効きますよ」と言っておくとその薬が偽物でも本当に効いてしまうことがあるといいます。
この現象は「プラシーボ効果」または「プラセボ効果」と呼ばれています。
偽薬として、薬としてまったく効果のない小麦粉を固めただけのものを処方しても治ることもあると言われています。
北海道大学の村上正晃教授らのチームが「病は気から」のメカニズムを2017年に生命科学専門誌「eLIFE」8月15日号に発表しています。
世界で初めて、分子レベルでの解明となったという報告がなされているんですよね。
「病は気から」の根拠は?
偽薬でも病気が治ってしまう可能性があるのは、もともと病気を治す力があるからと言われています。
風邪を引いたからといって、ずっと治らないわけではありませんよね。
薬を飲まなくても、数日経てば徐々に回復し健康な状態に戻ることができます。
しかし、不安や悩み、ストレスなどを抱えると、体力が低下したり病気にかかったりしてしまうこともあります。
これこそが「病は気から」であり、気持ち次第では健康・病気どちらにもなり得るのです。
「この水を飲み続ければ健康になりますよ」と言われて買ってみたら、実際に健康になった・・・。
悪徳な霊感商法の決まり文句ですが、これはプラシーボ効果によるものであり、商品に効果があるかは怪しいので騙されないように!
副作用がでる場合もある!
逆に、本当の薬を処方した時に現れる副作用について、詳しく説明した上で処方したとします。
そうすると、なんと偽薬であっても副作用が現れてしまうことがあるのです。
これを「ノーシーボ効果」「ノセボ効果」といい、まさに「病は気から」がマイナス方向に影響してしまったことになります。
また、効果のある本物の薬を処方されても、患者が「薬は効かない」や「そもそも投与されていない」と強く思い込むと薬が効かないというケースもあると言われています。
これもまたノーシーボ効果(ノセボ効果)からくるものなのです。
日常生活におけるプラシーボ効果
プラシーボ効果は、いわゆる思い込みによって回復に向かうということです。
ということは、日常生活にも応用できることが結構あるんですよね。
・仕事
・美容
・勉強
これらは、意識していないだけで実際にプラシーボ効果を使っているかもしれなにのです。
【恋愛】
相手のことをより好きだと思い込むことで、2人の関係をよりよくすることになるかもしれません。「好き」という言葉を言われ続けてたら、実際にその相手を好きになってしまったということも一種の思い込みですよね。
【仕事】
尊敬する上司や経営者などに「君ならできる」と言われたら、できる気がして成果を上げることに繋がったなんてこともあるでしょう。嫌々やっている仕事よりも、好きだと思ってやる仕事の方が能率もアップするのは当たり前ですよね。
【美容】
「キレイになった」と言われて、どんどん魅力的になっていく人っていますよね? 鏡を毎日見たり、かわいいと思い込んだりすることで身体が磨かれていく・・・芸能人がこんなことを話したりしていますよね。
【勉強】
「優秀な生徒」と言われると実際に成績が上がって、優秀な生徒になってしまうこともあります。さらに、優秀な先生に教えてもらいましょうという言い方をすると、教える立場の教師の能力も上がると言われています。
まとめ
昔から言われている「病は気から」は、偽薬でも回復することがあるということからも実際にも効果のある考え方です。
プラシーボ効果には、疑問視する声もあり倫理的に認めないという意見もあるので、必ず効果があるとも言い切れませんが・・・。
ちなみに、ダミー手術によってもプラシーボ効果が現れることがあるといから、人間って単純なのか複雑なのか分かりませんよね。