インドでプラスチックからレンガを作る技術で商品化したインド人が2017年の学生時代に起業した。
インドのプラスチックゴミは環境破壊にも影響し、レンガも製造過程で大量の温室効果ガスを出していました。
この発明は世界でも高い評価を受けているという。
過去10年の世界の平均気温は過去最高を更新したばかり。
プラスチックのレンガは温暖化対策の救世主となるのか注目が集まります。
インドでプラスチックからレンガ作り
インド人のアビシェク・バナジー氏は通常の粘土で作られるレンガに変わる「プラスティキューブ」を発明。
2017年にクラスメートと立ち上げた「Qube」。
その1年前、バナジー氏はレンガ工場を見学した際に、作業員の労働環境に驚きを隠せなかったという。
素手で粘土を掘り、非人道的な扱いを受けていたのだそうだ。
インドでは伝統的なレンガ作りとのことですが、働く環境だけでなく地球を壊す原因の一つともなっている。
インドのプラスチックゴミは1日に2万5,000トンという想像しがたい量が出ています。
その40パーセントほどが回収できていないとのこと。
Qubeでは、回収業者と協力し、プラスチックや袋などのゴミを回収してレンガの原料にしているのです。
プラスチックのレンガは温暖化の救世主となるか!?
回収したプラスチックゴミは、自分たちの手で洗って刻み、プレスしてレンガのブロックにする。
重ねてはめ込める連結式で、オモチャのブロックのようになっています。
一般的なレンガが約15円なのに対して、プラスティキューブは約9円と値段も安い。
従来のレンガ工場は、1年で4,000万トンもの温室効果ガスを大気に放出しているとのことで、プラスティキューブに切り替わることができれば、かなりの削減となります。
まだ、実際に使われている段階ではありませんが、耐久性や耐火性をテストし実用に向けて進めているといのこと。
ただ、インドには14万ヶ所もレンガ工場があり、経営者や働き手から仕事を奪いかねないので、今後の動向が気になるところ。
フィリピン・タール火山でもレンガ作り
2020年1月12日に発生したフィリピンのルソン島タール火山での噴火では、多くの火山灰が飛散。
それを利用したエコな活動が現地のレンガの製造会社によってスタート。
世界各国で深刻なゴミ問題にも関わるこの取り組みでは、火山灰と砂、セメント、プラスチックゴミを混ぜてレンガを作ることを計画。
こちらでもレンガを作るというアイディアで、灰とゴミを有効利用することになっています。
それにしても、アジアではレンガが重宝されているのだと改めてわかるニュースですよね。
フィリピンの2019年のポリ袋の使用量は600億枚という圧倒的なものになっているのです。
1日で5,000個ほどのレンガを作る予定とのことですが、まずは長いスパンで続けて成果のある結果を残してもらいたいところ。
まとめ
インドでは、プラスチックのレンガ「プラスティキューブ」が開発され、環境問題に一石を投じました。
実用化はまだですが、近い将来インドのゴミが本当に減り温室効果ガスの排出量も少なくなっていくのか、動向に注目したいところ。
フィリピンでもプラスチックと火山灰でレンガ作り・・・世界のテクノロジーの開発スピードが速くなっていっている現代においても、レンガで環境対策ということがベストなのかはちょっと謎ですね。