地球温暖化を含む、気候変動の問題でよく聞かれる「パリ協定」。
世界で温暖化を防いでいくための決まり事ということはイメージできますが、詳しく把握している人は少ないのではないでしょうか。
簡単に言うと、各国それぞれで温室効果ガス排出量の削減目標を決め、達成させましょうという取り決めのことになります。
日本はどれくらいの目標で、世界はどれほどなのかお伝えしていきます。
地球温暖化・パリ協定の内容とは?
パリ協定は、2015年11月30日~12月12日にパリで開催された「第21回気候変動枠組条約締約国会議(COP21)」において、12月12日に決められた気候変動を抑制するための国際的な協定です。
気候変動に関する枠組みは、1997年の京都議定書(第3回気候変動枠組条約締約国会議・COP3で採択)以来、18年ぶりのものとなっています。
196ヶ国が参加し、各国における温室効果ガスの削減目標を2030年に向けて設定。
しかし、排出量が中国に次いで2番目のアメリカが2019年11月4日に正式に脱退するなど、現在の加盟は187ヶ国に減っています。
パリ協定の目的
18世紀半ば~19世紀にかけて、世界では産業革命が起きました。
産業の発展とともに、温室効果ガスが大量に大気に放出され、温暖化の原因となっています。
パリ協定での目的は、その産業革命より前の世界の平均気温からの上昇を「2度未満」に抑えること。
さらには、平均気温の上昇を「1.5度未満」に抑えることを目指すとしています。
個人や企業・学校などは、節電やエコなどに注意しながら生活し、温暖化を進める可能性のあることはしないようにしていくことが望まれている。
ちなみに、世界の温室効果ガスのうち約42パーセントが、中国、アメリカ、インドの3ヶ国によるものとなっています。
パリ協定の内容の日本の温室効果ガス削減の目標
では、日本が掲げている目標はどのようなものなのでしょうか。
・温室効果ガスを26%削減(2013年と比較)
・温室効果ガスを25.4%削減(2005年と比較)
気候団体には、実に情けない指摘を受け批判されています。
「全ての国がこのレベルの目標を採用すれば、地球温暖化が21世紀中に3~4度超える可能性が高い」
非常に不十分だと言われてしまっているんです。
ほか、2020年までに自然エネルギーの発電量を8パーセントを目指す。
森林などによる吸収量は3,700万トン(2013年の排出量の2.6%程度)を想定していますが、パーセントで見れば微々たるものとなっている。
2020年7月からは、プラスチックゴミの削減に向けてレジ袋の有料化がスタートしますが、はたして意味はあるのかどうなのか・・・。
パリ協定の内容の日本の温室効果ガス削減の目標
主な世界の国の目標を見てみましょう。
中国
温室効果ガス排出量の世界1位の中国。
・GDPの二酸化炭素排出量を60~65%削減(2005年と比較)
※GDP=国内総生産(国内で生み出される)
・一次エネルギー消費における非化石燃料の割合を20%に増やす
・森林を約45億立方メートル増加
二酸化炭素の排出量は2030年頃までに抑え、もっと早い段階で抑えられるように努力するとしている。
韓国
BAUと比べて温室効果ガスを37%削減
※BAU=対策のない自然体のケース
EU
・温室効果ガス排出量を40%削減(1990年と比較)
スイス
・温室効果ガス排出量を50%削減(1990年と比較)
2025年までに、35%の削減(1990年と比較)を達成できるとされている。
カナダ
・温室効果ガス排出量を30%削減(2005年と比較)
オーストラリア
・温室効果ガス排出量を6~28%削減(2005年と比較)
シンガポール
・温室効果ガス排出量を36%削減(2005年と比較)
2030年頃を排出量のピークになることを目指し、以降は増やさないように安定させることを目標にしている。
アメリカ
アメリカは、2019年11月4日に脱退。
・温室効果ガス排出量を26~28%削減(2005年と比較)
まとめ
地球温暖化の原因となる温室効果ガスを抑制するために、世界各国が目標を設定。
その話し合いにより、採択されたものが「パリ協定」となります。
今後10~30年での抑制が温暖化に大きな影響を与えると予想され、早急で大規模な対策が必要になってきているという。