日陰や屋内から外に出た際に、太陽の光を浴びるとなぜだかくしゃみが出るといった経験はありませんか?
晴れた日の強い日差しや、ゲレンデなどの雪の反射によって眩しいと感じた時に起こるんですよね。
ただ、誰もが必ずしも経験する現象ではないので、人に話しても理解されない場合もあります。
この現象を「光くしゃみ反射」といい、日本人は4分の1が経験するものというのだから、共感を得られないのも納得ではありますが・・・。
太陽光を見るとくしゃみが出るのはなぜ?
太陽光を見るとなぜくしゃみが出るのか、この「光くしゃみ反射」についてはっきりとした原因は解明されていないんです。
光くしゃみ反射は、光による刺激によってくしゃみが出てしまうという生理現象の一つ。
そのため、身体的にとって正常なことなので、特に心配するものでもありません。
くしゃみは、鼻の中に入り込んだ異物を吹き飛ばす役割がありますよね。
異物が入ってくれば鼻水が分泌され、その情報が脳にあるくしゃみ反射中枢に伝えられてくしゃみが出ます。
光くしゃみ反射のメカニズムは解明されていませんが、原因として考えられるのは次のことが挙げられています。
光くしゃみ反射の因子を持っていると、光によって鼻水を出す神経が刺激され、くしゃみ中枢に伝えられてしまうことでくしゃみが出るとされています。
ネコの実験により、まぶしさを感じた瞬間に瞳孔を小さくするのと同時に鼻水の分泌も起こっていると考えられているのです。
鼻水が粘膜を刺激することで感覚神経である三叉神経を経て中枢に伝えられくしゃみが発動。
これらが関係しているというのが濃厚ですが、他の動物では実験が行われていないので、やはり結論は出ず謎のままとなっています。
光くしゃみ反射は日本人の4分の1(25パーセント)が経験!?
光くしゃみ反射は、誰もが経験するものではありません。
とはいえ、日本人の4分の1(25パーセント)だというのだから、かなり多くの人が共感できるものとなっているんですよね(鹿児島大学の研究チームによる調査)。
ただし、この25パーセントの中の経験者は
・弱い光でも起きる
・ごく稀にしか起きない
・子供の頃だけ起きていた
など、人それぞれ。
日常的にくしゃみが出る人は25パーセントの中の、さらに半分の人になるとされています。
くしゃみの回数も、1回、2回、3回と人それぞれ。
ただ、それ以上は起こることは少なく、くしゃみが出る時間が短いのも特徴となっています。
光くしゃみ反射は遺伝!?
光くしゃみ反射の因子を持つ家系では、家族の多くが光によってくしゃみをするとのこと。
この因子は優性遺伝と考えられ、子孫に受け継がれていくものと言われています。
ただし、なぜ眩しいからといってくしゃみが出るのかは不明とされています。
ヒトがまだ動物に近かった遠い遠い祖先の時代に、動物に必要だった反射だったのかもしれません。
今では意味のないのに反射となって残っているか、正式な解明の結果が待たれます。
ちなみに、英語でくしゃみの「ハクション」という擬音語は「ACHOO」ですが、光くしゃみ反射の現象をACHOOと呼びたいがために次のように提唱している論文があるようですね。
ACHOO=Autosomal dominant Compelling Helio-Ophthalmic Outburst syndrome
→常染色体上にある優性遺伝子が引き起こす突発性太陽視覚症候群
まとめ
太陽光を見てくしゃみをする現象を「光くしゃみ反射」といい、日本人は4人に1人が経験しています。
引き起こされる光の強さには個人差があり、基本的に遺伝によるものとされています。
もし、近くに眩しそうな時にくしゃみをしている人がいたら、光くしゃみ反射なんだ理解してあげて、あからさまに怪訝そうな顔しないでくださいね。