日本では年間で約900万トンのプラスチックが出ています。
そのうち、100万トンを中国を始めとする海外に輸出していました。
しかし、2017年末に、中国が受け入れを原則禁止し、2019年は日本の輸出量が100万トンを下回った。
日本での処理はすでに限界になりつつあり、今後は新たな買い手を見つけるのではなく、国内でどう処理していくのか新しい技術の開発が求められています。
地球温暖化・2019年日本のプラスチックゴミ輸出量は100万トンを15年ぶりに下回る
日本では、年間900万トンのプラスチックゴミのうち100万トンあまりを海外に輸出していました。
ゴミ輸出していたということに驚く人もいるかもしれません。
これは、ゴミの一部の処理をお金を払うことで「丸投げ」しているということなんですよね。
しかし、2017年末に中国がプラゴミの輸入を原則禁止。
その影響もあって、2019年の輸出量は89万8,000トンと、15年ぶりに100万トンを下回ったのです。
・マレーシア:26万トン
・台湾:15万トン
・ベトナム:11万トン
・中国:1万9,000トン
アメリカも100万トン以上を輸出していましたが、2019年は66万2,000トンで日本が上回る結果となっています。
日本でも今後は、排出量の削減や代替品の開発などが求められ、根本的な解決をしていかなければならない段階に入ってきています。
輸出がダメになったからなのか、2020年7月からはレジ袋の有料化がスタートする。
輸出が禁止になることを予測していたのかどうか分かりませんが、「ヤバイ」と思ってからでは遅すぎやしませんか・・・!?
しかも今さら有料化が最善なのか・・・。
アジアでのプラスチック処理
プラスチックゴミは、他のゴミに比べてリサイクルが面倒なものとなっています。
一言でプラスチックと言っても、様々な素材があるため細かく分別する必要がある。
手作業で行うのが最善となり、それが仕事(雇用)として成り立ってしまうのです。
アメリカでも、自分たちで行うよりもアジア各国に任せてしまったほうが安上がりな方法として輸出をしてきた。
しかし、実情はゴミの山を作っているだけの場所もあり、不衛生なものとなっています。
中国では衣類などにプラスチックを原料とする合成繊維を使用し、需要が高まっていった。
2017年の禁止以降、小規模なリサイクル業者は東南アジアに移転。
違法に工場を建て、プラスチックゴミを溶かしてペレットにして中国に売るという違法行為を行う業者が増えてきているという。
たまにニュースなどで、東南アジアのゴミ山の中で子供が売れるものを探している映像を見ることがありますよね。
さらには、ゴミの山が燃え、あたりが異臭漂う煙に包まれることも。
そのゴミの山には、日本から送られたゴミがあるかもしれないと思うとなんとも言えない気持ちにさられる。
海のゴミは中国が1位
海に流されるゴミは年々増え続けていますが、海ゴミの出所の1位は中国とされています。
地球上のゴミは30年後に70パーセント増加すると言われている。
さらに、驚くほどのハイペースで作られていくプラスチックは、アジア各国の処理能力を超えてしまっているのです。
いくら輸出しても追いつかないため、ゴミ問題は進んでいく一方。
2010年時点で、海に漂流しているプラスチックゴミは800万トン。
処理方法が変わらなければ、10年で10倍に膨れあがると言われています。
その出所を特定した研究チームは、中国からのものが1番多かったとしています。
1位:中国
2位:インドネシア
3位:フィリピン
4位:ベトナム
5位:スリランカ
6位:タイ
7位:エジプト
8位:マレーシア
9位:ナイジェリア
10位:バングラデシュ
・
・
・
20位:アメリカ
ちなみに、日本の順位はワースト30位で、1人あたりのプラゴミ量はアメリカに次いで2位となっています。
まとめ
プラスチックゴミの一部は、アジア各国に輸出され処理を丸投げしているという事実。
中国が禁止、今後はマレーシアやタイなど東南アジアも輸入を禁止していく方向になっていくとされています。
自治体での処理には限界が近づいているため、抜本的な対策が必要となっている。
地球温暖化の原因となる温室効果ガス排出量の第1位でもある中国、今まで日本もそれに貢献してしまっていたということを忘れてはいけない。