2019年9月から猛威を振るい続けるオーストラリア東部の大規模な森林火災。
鎮火の見通しが付かないなか、2020年2月10日(月)までに降った記録的豪雨によって一部が鎮火しています。
火災の被害を受けているニューサウスウェールズ州では3年間も干ばつ状態で火災の進行を進める原因となっていました。
そこに待望の雨となったわけですが、洪水や交通網への影響も懸念されています。
オーストラリア(豪)に大雨で森林火災は一部鎮火
2月6日(木)には、1日当たりの降雨量が過去15ヶ月で最多となり、10日までに降った豪雨は過去30年で最大となったといいます。
4日間の雨量は391.6ミリメートルとなり、鉄砲水の恐れもあるとして警戒を強めている。
6日までに、60件あった火災のうち、20件が鎮火。
10日には31件ほどにまで減少しているとされています。
特に大きな火災だった2つの地域で消し止められたことが報告されています。
74日間にわたって燃え続けたショールヘイブンという町の50万ヘクタールを焼き付くした「カロワン・ファイア」。
312棟もの住宅が壊滅となる被害をもたらしていました。
そして、シドニー西部の「ゴスパーズ・マウンテン・ブレイズ」という名の付いた火災。
10月から燃え続け、消火するのは困難のものとされていた。
オーストラリア(豪)が「世界の終わり」すぎる!洪水・砂嵐・ひょう・・・災害だらけ
待望の雨となった2月上旬の豪雨は、数年間に及ぶ干ばつによる水不足の解消にも繋がっています。
ニューサウスウェールズ州では、シドニーに水を供給しているワラガンバ・ダムでは、70パーセントにまで貯水量が戻ってきたという。
大雨の前までは42パーセントだったといいうから、かなり落ち着きを戻してきた。
しかし、豪雨がもたらすのは良いことばかりではなく、洪水の恐れもあるとして警戒しています。
一旦、10日に雨が止んだものの、10日以降もさらに雨が降る予報となっていて、通常よりも高い満ち潮となる「キング・タイド」が起こる可能性も。
1月中旬にも豪雨に見舞われ、多くの火災を消し止めましたが、洪水や鉄砲水の被害にもあっています。
国の70パーセントを覆い隠したと言われる煙は大気汚染をもたらし、空をオレンジに染める異様な空間となった。
さらに、1月には砂嵐、ゴルフボール大の雹(ひょう)、落雷、と火災を始めとして様々な災害が襲いかかり、まさに「世界の終わり」を思わせる状況になっているのです。
お隣のニュージーランドでも、氷河がピンクに染まるという影響を受けています。
洪水に近づかないでと呼びかけ
オーストラリアでも、日本と同じように災害に対して真剣に考えていない人がいるようです。
日本では、台風時に川や海を面白半分で見に行って巻き込まれてしまうニュースは毎年必ず耳にしますよね。
オーストラリアでは今回、デイビッド・エリオット国家非常事態相は、洪水に近寄らないようにと呼びかけを行っています。
さらに、警報を真剣に受け止めるように呼びかけているという。
世界どこでも、防災意識が低い人がいるということがうかがい知れますよね。
また、災害時になぜか逃げない人もいますが、これは「自分は大丈夫」という心理が働く場合があるから。
注意報や警報は意味があるから発令されているわけで、もし避難して何事もなくてもそれはそれでいいではないですか。
防災に対して真剣に受け止めてほしいものです。
まとめ
オーストラリアの森林火災は、過去30年で一番の豪雨となり一部が鎮火した。
水不足も解消されつつあるものの、洪水や鉄砲水などの災害の可能性も高くなっている。
まだまだ鎮火していない火災も30件あまりあり、完全に鎮火するまでは油断できない。