2020年1月8日、気象庁を始めとした日中韓の研究チームが、温暖化がこのまま進めば台風のスピードが遅くなっていくと発表しました。
台風が長期にわたって日本列島に滞在すれば、それだけ被害は拡大してしまいます。
毎年のように河川の氾濫が起き、ダム貯水の限界からの緊急放流など、対策しなくてはならない課題が山積み状態になるでしょう。
これは、日本に住んでいる限り、聞き捨てならない研究発表ですが、詳しく見ていきましょう。
温暖化で台風のスピードが遅くなる?
気象庁を始めとした日中韓の研究チームが、温暖化がこのままのペースで進んでいくと台風の速度が遅くなり滞在時間も増えると発表しました。
今世紀末には、今より10パーセントも遅くなる地域が出るといいます。
ということは、80年ほど先の予想となりますが、今後は徐々に被害が拡大していることになりますよね。
また、温室効果ガスが減らずに出され続けると、今世紀末には平均気温が約4度も上がるという予測もされています。
この状況下でのスーパーコンピューターの計算では次のようになるとのこと。
・緯度30~40度の地域で約10パーセント遅くなる
・東京付近では時速約35キロメートルから31キロメートルになる
・緯度0~20度はあまり変わらない
※日本の緯度:北緯20~46度 東京:北緯36度
台風を動かしている要因の一つとなる偏西風が、中緯度で弱まることが原因となるとのこと。
気温も上昇!洪水や河川氾濫も増えることに?
台風が長く続けば、当然雨も増え河川も氾濫する可能性が高くなります。
2019年は、台風15号や19号の影響で、氾濫した河川が多くありましたよね。
また、気象庁が2020年1月6日に発表した2019年の平均気温は、過去30年の平均を0.92度も上回ったといいます。
統計を開始した1898年以降で、最も高く、この原因も温暖化という見解を示しています。
2016年にも過去最高を叩き出していて、その時は平均よりも0.88度高くなっています。
わずか3年で更新してしまうほどに高くなっているということに驚きです。
気温は上がり続け、台風が遅くなり、洪水が毎年起きる・・・本当に地球が終わる日が近い将来なんじゃないかと思わせますよね。
ダムの改修工事も必要か!?
2019年の台風19号では、次々と全国で緊急放流が相次ぎました。
下流の河川の水位が上がり氾濫することに加え、ダムの貯水が限界に達するケースが増えてきています。
全国にある治水や多目的のダムの中で、大雨の対策として事前に放流できるのはたった4割超ほどで、246基だといいます。
2018年の西日本豪雨では、愛媛県でダムが限界に近づいてしまい緊急放流。
その影響もあって下流では氾濫が起きて、犠牲者が出るまでになってしまいました。
そもそも大雨によって河川が限界だって時に、ダムからも水が送られてきたら限界以上になるのは誰でも分かることです。
しかし、ダム決壊での被害の方が甚大になるからという、非情な決断だったというわけなのでしょう。
温暖化によって台風の移動が遅くなれば大雨が続くことになり、水害が相次ぐことが予想されます。
ダム建設が多かった時代は技術が数進んでいなかったこともあり、事前放流のための放流ゲートがないものも多いんです。
ダムを改修を終えるのが先なのか、温暖化による台風の被害が大きくなるのが先なのか・・・。
このままでは、毎年全国で河川の決壊ラッシュが起きることになるのでしょう。
まとめ
地球温暖化の影響で、台風の進むスピードは遅くなり日本での被害は拡大することが予想されています。
このままいくと四季などという日本らしさはなくなってしまうのではないだろうか。
そういった世紀末になってになってしまわないためにも、一人一人の環境への意識は高めて少しでも食い止めたいものです。