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先進国の多くが「脱炭素化」の流れとなっているのに、なぜ日本は石炭火力発電を推し進めるのでしょうか?
石炭を燃焼することで電力を作り出すため、二酸化炭素が排出されてしまうのでは!?
この時代に逆行するかのような動きは、世界の先進国からも厳しい目で見られているんですよね。
ここでは、石炭火力発電について経済産業省・資源エネルギー庁での見解とともにお伝えしていきます。
パリ協定の日本の目標
2015年に採択され2016年に発効した「パリ協定」では、世界各国が温室効果ガスの削減目標を打ち出しています。
2020年になりいよいよ実施段階へと入っています。
・温室効果ガスを26%削減(2013年と比較)
・温室効果ガスを25.4%削減(2005年と比較)
日本では上記の目標を掲げていますが、世界からは目標の設定が甘いと指摘されているんですよね。
2020年2月末までにし直し、新たな目標値を提出するように求められていたのです。
しかし、日本政府は提出を見送っています。
見送った理由としては、再設定するためにはエネルギー基本計画の見直しが必要だからと言われています。
期限が決められていた中でのスルーは、もともと見直す考えはなかったと受け取られても仕方ないでしょう。
無理な高い設定を提出して失敗するよりは、波風立てずにそのまま行ったほうが得策なのだろうか。
しかし、時間を割いて取り組めばできると思われているため、批判的な意見も聞こえてきます。
日本はなぜ石炭火力発電を進めるのか?
パリ協定の再提出を見送った本当の理由は、実際のところは何だったのか計り知ることは難しい。
しかし、排出量を大幅に削減するのが難しいと判断したのでしょうね。
また、日本は石炭火力発電を推し進める計画であるため、世界からは批判的な目を向けられています。
なぜ、石炭火力発電を積極的に進めているのでしょうか。
それは、メリットが大きく日本とって必要なものだからとエネルギー庁のサイトに書かれています。
エネルギー源には様々な側面を満たすことが大切であり、それを全てまかなう完璧なエネルギー源はありません。
・経済性
・環境適合
・安全
など
石炭は、上記のうち「安定的な供給」「経済性」で優れているという。
再生エネルギーは、価格が高く発電量のコントロールが難しい。
日本では安定的なエネルギー源が難しいため石炭を活用しようということのようだ。
二酸化炭素は大丈夫なの?
気になる二酸化炭素の排出に関してはどうなのでしょうか。
2014年のエネルギー基本計画では、以下のことが書かれています。
エネルギー基本計画」でも、石炭は、「温室効果ガスの排出量が大きいという問題はあるが、地政学的リスクが化石燃料の中で最も低く、熱量あたりの単価も化石燃料の中で最も安い
技術開発が進められ、環境に対する負担はかなり減っているとのこと。
日本は少しの燃料でたくさんの電気をつくる技術に長けていて、排出される大気汚染物質もかなり減ってきている。
今後もさらに効率化を進め、二酸化炭素の削減に力を入れていくという。
石炭火力発電を輸出
さらに日本は、東南アジア諸国にクリーンな石炭火力発電技術を提供し支援しています。
経済発展が盛んになってきた新興国では、まだ石炭による火力発電が欠かせないとのこと。
一方、小泉進次郎環境大臣は2月25日(火)、石炭火力発電所の輸出政策の見直しに向けて協議することを表明しています。
推進派に対して、真っ向勝負を挑む形となっていますがはたしてどうなっていくのか注目が集まります。
国内の政治家からは反対され、新興国からも批判され、世界の先進国からは賞賛されるという運びになりそうですね。
まとめ
日本はなぜ石炭火力発電を推し進めるのか、それは技術の発展によりクリーンなものとなっているからなのです。
温室効果ガスの排出は大幅に減ってきているものの、出ているのは確かなため批判的な意見も多い。
石炭といえば黒い煙がモクモクしているイメージが未だにありますからね。
パリ協定の目標を維持したことで総スカンとなり、アメリカのように離脱することがないようにしてもらいたいものです。