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深海を調査する「しんかい6500」は1989年に完成し、2019夏年までに1500回を超える調査が行われていました。
そんななか、2019年9月に千葉県の房総半島東沖の水深5,700メートル付近で36年前のゴミが見つかったという。
プラスチックは溶けるものではなく海洋を漂い、海洋汚染は世界的に深刻な問題となっています。
なぜ深海にまで沈んでしまうのか、このまま増え続けると未来はどうなってまうのでしょうか。
環境汚染・深海6000メートルに36年前のハンバーグの袋!
2019年9月に、水深5,700メートルの海底で36年前のビニール袋が発見された。
袋には「昭和59年製造」と書かれ、長い期間海を漂っていたことがうかがえます。
つまり、海洋の環境汚染は近年だけのものではなく、30年も前にもすでに始まっていたということになります。
これまでも日本の深海では、多くのプラスチックゴミが発見されているため、偶然というわけではありません。
1999年10月には「しんかい2000」によって、水深1,300メートルの地点から見つかっている。
30年以上にわたって海底を調査していますが、見つかったゴミの90パーセントが袋のような使い捨てのゴミ。
↓の記事の中で、中国が海ゴミの出所で1位というのを紹介しています。
日本の順位はワースト30位となっていますが、1人あたりのプラゴミ量はアメリカに次いで2位となっています。
ところで、ビニール袋は海面を漂っているイメージですが、なぜ海底に沈んでいるのでしょうか。
ビニール袋が沈んでいるのはなぜ?
プラスチックは、長い期間海水に浸かっていれば劣化して細かくなると思われがちですが、原型をとどめているのは驚きですよね。
しかも軽いはずのプラスチックが沈んでいるのは、なぜなのでしょうか。
それには2つの理由があると、しんかい6500でも調査する中嶋亮太氏は話しています。
②海水の沈み込み
生物の付着
海面を漂うプラスチックゴミには、貝や藻などが付着し重くなるため沈む可能性があるとのこと。
また、細かい粒状となったマイクロプラスチックの場合は、プランクトンやフンなどに包まれ沈む。
生物の体内に入れば、深海でフンとして出されることもあるとしています。
海水の沈み込み
気候の変化により起こる、海水の沈み込み。
冷たい風によって海面温度が低くなり、さらに蒸発して塩分濃度が高くなると海水が重くなる。
海水が沈み込むことによって、一緒にゴミも海底に引きずり込まれるというわけだ。
海のゴミが増えると未来はどうなる?
世界の海には、1億5,000万トンのプラスチックゴミが存在しているという。
対策をせずに、このままプラスチックゴミが海に増え続けければ、2050年には10億トンになるとのこと。
海に生息する魚は8億トンと言われているため、上まる数字となってしまいます。
日本周辺では、マイクロプラスチックが世界での平均の27倍。
特に東京湾の一部で多く見られるという。
このままだと、生態系が壊れる可能性がある。
ウミガメやクジラなどが飲み込んでしまい命を落とすケースも多く、鰯などの小さな魚からも発見されています。
さらに、プラスチックの添加物に含まれる一部の有害な物質は、環境ホルモン(内分泌攪乱物質)となるものもあるとのこと。
環境ホルモンは、生体に障害・有害な影響を引き起こしたり、逆にホルモンの作用を阻害したりする化学物質のことになります。
まとめ
深海に沈んでいるゴミは、30年経っても劣化することなく原型をとどめている。
大陸から離れた海のど真ん中では、より多くのゴミが沈んでいる可能性が高く、深海の汚染は深刻なものとなっています。
水深1万メートルを超えるマリアナ海溝でもプラスチック袋が見つかっている。
プラスチックゴミは海洋の汚染だけでなく、中国の輸入の禁止により国内でどう処分するのか、大気汚染を福含め問題は山積みとなっています。