紫外線はどんな環境で強くなる?紫外線情報の見方と対策の目安とは?

紫外線はどんな環境で強くなる?紫外線情報の見方と対策の目安とは?

日差しが強くなってくると気になる紫外線。

 

意外と冬も紫外線が強いなんて話も耳にしますが、どんな環境で強くなるのか気になりますよね?

 

気象庁では毎日、紫外線情報を出していますが確認したことはあるでしょうか?

 

ここでは、紫外線はどんな環境で強くなるのか、紫外線情報の見方と対策の目安についてお伝えしていきます。



紫外線とは?

紫外線とは、太陽光のうち波長が10~400nm(ナノメートル)の範囲で、可視光線よりも短くX線より長い目に見えない電磁波になります。

 

可視光線の紫色の波長の外側ということで「紫外線」という名前になっています。

 

UVと表現されることが多く、これは英語で紫外線を意味する「ultra-violet(ウルトラ・バイオレット)」の頭文字を取ったもの。


出典:気象庁 https://www.data.jma.go.jp/gmd/env/uvhp/3-40uv.html

細かく見ると、紫外線は波長の長い方から3つに分かれています。

・UV-A=400~315nm
・UV-B=315~280nm
・UV-C=280nm未満


出典:気象庁 https://www.data.jma.go.jp/gmd/env/uvhp/3-40uv.html

3つの紫外線の波長のうち、UV-AとUV-Bはオゾン層を通過し地上へ到達し、UV-Cは地球の大気を通過することはありません。

 

地表に到達する紫外線の99パーセントがUV-Aと言われていますが、太陽光に含まれる割合は数パーセントと少なく、生物に与える影響もあまりないとされています。

 

UV-Bは太陽光に占める割合が0.1パーセントと多くなく、オゾン層でほとんど吸収され地上に到達するのはわずか。

 

しかし、オゾン層の破壊などによって多くのUV-Bが到達すると生物に有害な影響を与えるとされているのです。

 

紫外線を浴びすぎてしまうと、皮膚、目、免疫系などに疾患をもたらす可能性があるので注意する必要があります。

紫外線はどんな環境で強くなる?

では、紫外線はどんな環境の時に強くなるのでしょうか?

 

紫外線との関係を以下の視点から見ていきます。

・オゾン層=オゾンが減ると強くなる
・太陽の高度=夏、昼に強くなる
・雲=雲が多ければ弱くなる
・エアロゾル=エアロゾルが増えれば弱くなる
・雪の反射=反射率が高いと強くなる
・標高=1,000m高くなると10%強くなる

オゾン層

オゾン層は、紫外線を吸収するため、オゾンが少なくなれば地上に届く紫外線の量も多くなります。

 

オゾン量は春が最大で徐々に少なくなり秋が最小となる。

 

日射量は5月が最大となりますが8月も極めて高く、オゾンが少なくなる8月頃に紫外線の量もピークとなります。

 

太陽の高度

太陽の高度が高いほど紫外線の量も多くなり、1年を通してみると夏、1日で見れば昼が最も多くなります。

 

オゾンなどの影響を考えずに同じ環境で比較すると、それぞれ夏至(6月21日頃)前後正午頃が最大に。

 

さらの、日本では南にある地域ほど紫外線の量は多くなります。

快晴の時の紫外線量を100パーセントととした場合、雲の量では次のように変わります。


出典:気象庁 快晴時のUVインデックスを100%とした場合の天気毎のUVインデックスの割合
https://www.data.jma.go.jp/gmd/env/uvhp/3-73uvindex_mini.html

曇りで60パーセント、雨で30パーセントとなっていますが、日差しが地上に届くような雲の状態であれば紫外線は若干増えます。

エアロゾル

エアロゾルは、大気中に漂う細かい粒子のことで、多く存在すれば視界が悪くなる。

 

太陽光を吸収し、散乱させる性質があるためエアロゾルが多いと地上に届く紫外線の量は少なくなります。

 

ただし、散乱による紫外線は様々な方向に放たれるので、日陰にいても紫外線を受けている可能性があります。

 

日傘や帽子で対策をしていても、予想よりも浴びているかもしれないので注意。

 

雪の反射

雪など、反射率が高い環境にいると、紫外線を受けやすい。

 

直射だけでなく、跳ね返りにより下からも浴びてしまいます。

 

環境省の「紫外線環境保健マニュアル2015」によれば

新雪:80パーセント
砂浜:10~25パーセント
アスファルト:10パーセント
水面:10~20パーセント
草地・土:10パーセント以下

となっています。

標高

標高が1,000メートル高くなれば、紫外線は10パーセント高くなるといいます。

 

標高が高いと、大気の量が少なくなるため紫外線の散乱は受けにくいため、紫外線は強くなる。

 

オゾンの吸収も少なくなり紫外線が強まる。

 

澄んだ空気であればさらに強くなることがあるため、登山の際には紫外線対策をしっかりとしておきたい。



紫外線情報の見方と対策の目安とは?

紫外線には「UVインデックス」と呼ばれるUV指数が採用され、紫外線対策の目安となっています。

・11+(極端に強い)・・・日中の外出はできるだけ控える、必ず長袖・帽子・日焼け止めを使用
・8~10(非常に強い)・・・日中の外出はできるだけ控える、必ず長袖・帽子・日焼け止めを使用
・6~7(強い)・・・日中はできるだけ日陰を利用、できるだけ長袖・帽子・日焼け止めを使用
・3~5(中程度)・・・日中はできるだけ日陰を利用、できるだけ長袖・帽子・日焼け止めを使用
・1~2(弱い)・・・安心して外で過ごせる

 

環境省の「紫外線環境保健マニュアル」では以上のようなことが注意喚起として示されています。

 

また、気象庁では毎日、紫外線情報が発表されているので外出前には確認しておくと良いでしょう。

 

全国のUVインデックスが色分けによって見やすくなっています。

 

見たい都道府県をクリックすると拡大化され、黒い●をクリックすれば地域の詳細情報を見ることができます。

まとめ

紫外線は、季節や時間帯だけではなく、雲やエアロゾルなどによっても影響を受ける量は変わってきます。

 

紫外線対策をしていても、エアロゾルによる散乱や地面の反射によって浴びてしまう可能性があるので注意しておきましょう。

 

外出する際には、紫外線情報を確認して対策を怠らないようにしておきたい。



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