【地球温暖化】オゾン層の役割やメカニズム・破壊の原因!現在の状態・オゾンホールは将来ふさがる?

【地球温暖化】オゾン層の役割やメカニズム・破壊の原因!現在の状態・オゾンホールは将来ふさがる?

オゾン層の減少やオゾンホールの拡大など、地球温暖化とともに問題となってきたオゾン層問題。

 

多くの紫外線が地上に降り注ぐ原因ともなるオゾン層の減少は、なぜ起きてしまったのでしょうか?

 

今後のオゾンホールの回復・消滅はあり得るのでしょうかね?

 

近年はあまり耳にしませんが、オゾン層について改めて見ていきましょう。



オゾン層とは


出典:気象庁 https://www.data.jma.go.jp/gmd/env/ozonehp/3-10ozone.html

オゾンは酸素原子「O」が3つからなる「O₃」の気体。

 

オゾン層とは、大気中でこのオゾンの濃度が高い場所のことのことになります。

 

上空約10~50キロメートル約90パーセント存在し、特に25キロメートル(20キロメートルとも言われています)付近に一番濃くなっています。

宇宙空間
外気圏(800~10,000km)
熱圏(80~800km) 電離層(50~500km)
中間圏(50~80km)
成層圏(11~50km) オゾン層(10~50km)
対流圏(0~11km) 自由大気(1~11km)
境界層(0~1km)

オゾン層の役割やメカニズム

オゾン層は、太陽光に含まれる紫外線を吸収する役割があり、地表には一部のみ到達する。

 

紫外線は、皮膚に有害となるもので炎症や皮膚ガンの原因ともなり、地上の生態系を守る働きをしています。

 

紫外線を吸収することで成層圏の大気を暖める効果もあり、地球の気候を絶妙なバランスで保たれているのです。

 


出典:気象庁 https://www.data.jma.go.jp/gmd/env/ozonehp/3-10ozone.html

高度20kmより上空では、強い紫外線により酸素分子が分解して酸素原子となり(①)、それがまわりの 別の酸素分子と結合してオゾンが生成されます(②)。 一方でオゾンは酸素原子と反応して2つの酸素分子に変化し、消滅します(③)。 自然界のオゾンはこの生成と消滅のバランスにより濃度が保たれています。
高度20kmより下では、オゾンの生成はほとんどありませんが、成層圏内の大気の流れによってオゾンが運ばれてきます。
出典:気象庁 https://www.data.jma.go.jp/gmd/env/ozonehp/3-10ozone.html

オゾン層の破壊の原因!

オゾンは、次の物質によって分解されますが、これらはもともと自然に発生するもので、生成と分解を繰り返しバランスを保っていました。

・塩素分子
・一酸化炭素
・ヒドロキシラジカル
など

 

しかし、20世紀になると冷蔵庫クーラーなどが生産され多く使われるようになりました。

 

これらの家電からは、オゾン層を破壊する物質である塩素を含んだフロンが大量に大気に排出されていたのです。

 

成層圏で塩素原子がオゾンを分解することが判明、南極の上空ではオゾン層が9~10月頃に減ることも分かり、いよいよ国際的な問題に。

 

これがいわゆる「オゾンホール」で、現在にも大きな課題として残されています。

・オゾン層の保護のためのウィーン条約(1985年)
・オゾン層を破壊する物質に関するモントリオール定義書(1987年)

 

一酸化窒素亜酸化窒素もオゾン層破壊につながり、塩素の影響がない場合は一酸化窒素による反応が強く働いてしまう。

 

亜酸化窒素は、紫外線によって分解されると一酸化窒素を生成。

 

フロンの規制が行われたことにより、1997年頃(京都議定書の採択)からオゾン層の減少は収まり回復してきている

 

21世紀に入ると、フロンは減っていったため、むしろフロンよりも亜酸化窒素の方が影響をもたらすことになっています。

 

ほか、自動車の排煙、産業による大気汚染物質、火山ガスから生成される硫酸エアロゾルなどもオゾン層を破壊すると言われています。



オゾンホールの現在の状態

1979~1997年には年々オゾン層が減少し、以降は回復の傾向があります。

 

オゾンホールも1979~1997年に拡大し、やはり回復してきています

 

ただ、2006年9月には、例年の冬よりも上空の気温低かったことが原因でオゾンホールは過去最大になっています。

オゾンホールの大きさ
・1980年:300万平方キロメートル
・1992年:2,500万平方キロメートル
・2005年:2,500~3,000万平方キロメートル
・2019年:1,100平方キロメートル(最大値)


出典:気象庁 https://www.data.jma.go.jp/gmd/env/ozonehp/3-30ozone_o3hole.html

2019年は、過去10年で一番小さい状態で推移し、9月7日に最大に。

 

10月下旬から縮小し11月10日に消滅、1990年以降で最も早い消滅となった

オゾンホールは将来はふさがる?

オゾンホールは、8~9月頃に出現し、11~12月頃に消滅を繰り返しています。

 

では、オゾン層は完全にふさがるくらいにオゾン層が回復することはできるのでしょうか?

 

オゾンホールはしばらく大きな状態は続くものの、2020年頃から縮小するという。

 

2050年頃にはふさがり1980年当時と同じくらいの規模となる予測結果が出ています。

 

しかし、フロンが使用された場合には回復は遅れるとされています。

まとめ

オゾン層は1980年頃から減少し、オゾンホールは拡大を続けていました。

 

原因は冷蔵庫やクーラーなどから排出されるフロンが主で、規制後は回復傾向にあります。

 

完全に戻るのは2050年頃になるとされ、今後も継続して地球温暖化に対して対策を講じていくことが大切のなります。

 

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