※イメージ
2020年2月22日(土)~23日(日)にかけて、スペイン領のカナリア諸島で砂嵐が発生。
政府は22日に警戒態勢を宣言し、無駄な外出は控え、窓を閉める対策を行うように呼びかけました。
砂嵐といえば、↓の記事でも少し触れていますが、1月には森林火災のさなかにオーストラリア東部を直撃し、あたりが砂に覆われたことが記憶に新しい。
スペイン・カナリア諸島での大砂嵐の原因とは一体何なのでしょうか。
スペイン領カナリア諸島で大砂嵐が発生!
カナリア諸島は、アフリカ大陸の北西沿岸からほど近い大西洋上にある7つの島の総称。
スペイン領ではあるものの、諸島全体でカナリア諸島自治州を構成しています。
・グラン・カナリア島
・ランサローテ島
・ラ・パルマ島
・ラ・ゴメラ島
・エル・イエロ島
・フエルテベントゥーラ島
砂嵐の影響で複数の空港が閉鎖され、グラン・カナリア島とテネリフェ島の発着便は欠航や迂回することとに。
Arguineguin, Gran Canaris, turns into a scene from Mars, as a historical Saharan dust event, Calima, unfolds over the Canaries.
Thanks to Cristian Cabrera Ruiz for the report. Posted with permission. pic.twitter.com/Db1iDoWha4
— severe-weather.EU (@severeweatherEU) February 25, 2020
撮られた動画を観ても、全てがオレンジ色に染まっていることが分かりますよね。
秒速45メートルの風が吹いたことにより山火事も起き、気温30度以上を記録したところもあるといいます。
過去20~30年で最悪の砂嵐、前代未聞と言われるほど。
この大規模な砂嵐は、一体何が原因でどこからやってきたのでしょうか。
砂嵐の原因は?
カナリア諸島を襲った砂嵐の原因は、付近で停滞していた低気圧です。
アフリカに広がるサハラ砂漠、特にアフリカ西部から砂を運んだことで砂嵐が発生していたのです。
↓は、砂漠の砂がカナリア諸島に飛んでいく様子がはっきりと分かる衛星からの動画となっています。
Can you see #Lanzarote disappear in this video under a cloud of Saharan dust? I can…from my window.#calima #duststorm pic.twitter.com/oomfXD8Ei0
— Flat Cap Dad 🇺🇸🇬🇧🇪🇺 (@FlatCapDad) February 22, 2020
↓は砂の移動と分布・濃度がわかる動画。
砂嵐「カリマ」の意味と役割
サハラ砂漠の砂を運び、カナリア諸島に吹く暖かい風のことを「カリマ」といいます。
カリマとは、スペイン語で「Calima」、意味は「煙霧」となります。
冬に発生することが多く、何日かにわたって吹き続ける特徴がある。
砂嵐は体内に入れば、人体に影響をもたらすこともあるため十分に注意しておきたいものです。
日本でも春に黄砂の影響を受けますが、似たようなものですからね。
とはいえ、サハラ砂漠の砂にはミネラルが含まれ、海を豊かにするといういい面も持っていると言われています。
砂の影響でプランクトンが発生したことが報告され、2011年には衛星からも確認されています。
また、太陽を遮るために大西洋の温度を下げ、強烈な低気圧などの発生を抑えてくれる働きもあるといいます。
まとめ
スペイン領カナリア諸島での砂嵐は、サハラ砂漠から低気圧「カリマ」によってもたらされています。
空港や交通に影響が生じ、政府も警戒を強まる事態に。
日本では黄砂が似た現象となりますが、ここまでの視界不良にはならなため油断しがちでしょう。
黄砂は、体内に入れば危険なこともあるので、マスクの着用、無駄な外出を控えるなどしっかりとした対策を。