2020年1月13日(月)12:00~テレビ東京で放送の「お江戸のリスクマネジメント~もしもの備え!今と昔~」。
江戸時代には、安政の大地震を始め、地震や火事に悩まされた時代となっています。
現代でも入っておくのが必須となっている地震保険ですが、そのルーツはなんと江戸時代にあったと言われています。
番組では、以下の3点について紹介されていましたが、ここでは「地震保険のルーツは江戸にあった」について見ていきます。
江戸の地震保険
江戸時代の保険は、船の海難からはじまったと言われています。
南蛮貿易をするようになると、海外への渡航は難破というリスクが伴いました。
そこで、「無尽(むじん)」や「頼母子講(たのもしこう)」と呼ばれる、庶民の互助制度を採用。
みんなでお金を出しあって貯めておくというもので、万が一に備えた保険のようなものになります。
これが悪いほうに変化してしまうことで賭博にも利用され、くじで当たった人のものとするという裏の文化も現れるようになりました。
その後、ヨーロッパで進んでいた本格的な保険制度が、福澤諭吉によって江戸に紹介されたと言われています。
組合員からお金を集め、何かあったら使うという方法は、文明開化とともに明治に入るとさらに変わっていったのでした。
昭和まで作られなかったのはなぜ?
明治時代になると、実業家として活躍していた渋沢栄一や岩崎弥太郎によって東京海上火災保険(現・東京海上日動火災保険)が設立されます。
生命保険や火災保険が作られていく中、地震保険はなかなか作れなかった歴史がありました。
地震は、いつ起こるか分からない上に被害は広範囲になってしまいます。
保険金も莫大な金額になってしまうという背景もあり、民間での設立は難しかったのです。
しかし、1964年6月16日に発生した新潟地震によってその風向きが変わることになります。
新潟県の出身で選挙区でもある昭和の大物政治家・田中角栄氏が地震保険制度を作るために尽力したのです。
地震の2年前に北陸を中心に起きた豪雪の災害「サンパチ豪雪」、この時に大蔵大臣だった田中角栄氏が災害救助法を適用しました。
1965年に大蔵大臣を辞任して幹事長になっていますが、1966年には「地震保険に関する法律」と「地震再保険特別会計法」が施行されたのでした。
損害保険会社が保険金を払えない状況になったとしても、政府から保険の保険である再保険が受けられるようになったのです。
まさに、現代における地震保険のベースであり、現代ではなくてはならないまでになっています。
地震保険とは?
地震保険とは、地震、津波、噴火による災害での損失を補償する保険のことになります。
生活再建を目指した保険で、政府と民間が官民一体となって運営する制度となっています。
地震保険4つの注意点
①火災保険+地震保険
地震保険は必ず火災保険と合わせて加入しなければならない。
②損害額の保証は全額ではない
火災保険の30%~50%の範囲で加入時に設定する。
上限:建物5000万、家財1000万
③居住地域や建物構造によって変わる
地震保険料は、住んでいる地域や建物の構造で変わる。
地震の危険度によって都道府県別に1~4等地に分けられていて、建物構造は木造と非木造に分けられる。また、築年数や耐震等級によっても割引制度がある。
④保険金の支払額は家屋の損傷具合で変わる
家の被害状況は、全損・大半損・小半損・一部損とありそれぞれ支払われるパーセンテージが変わってくる。
大半損:地震保険金額の60%(時価の60%が限度)
小半損:地震保険金額の30%(時価の30%が限度)
一部損:地震保険金額の5%(時価の5%が限度)
どのくらいの期間で支払われるのかというのは被害によって変わりますが、熊本地震は損傷具合の認定を住民が了承してから1週間後となっています。
東日本大震災では3ヶ月後となったところも多く、全体で3兆円にまで達したといいます。
地震保険は、いつ来るか分からないからこそもしもの時のリスクマネジメントとして入っておくべき保険となっているのです。
まとめ
保険は江戸時代に福澤諭吉によって紹介されたとのことですが、地震保険ができたのは昭和に入ってからのことでした。
地震保険は家の再建に使用するだけでなく、生活再建のための保険でもあるので生活費に使っても問題ありません。
今後30年以内に70パーセントの確率で起こると言われている「首都直下地震」、いざという時のためにも地震保険に入っておくことをおすすめします。
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