気温が平均的に低い夏のことを「冷夏」と言いますが、冷夏になってしまうと野菜の値段が高くなり家庭の食卓にも影響が飛び火してきます。
そうなると、節約したり毎日の献立を工夫したりすることが多くなってしまいますよね。
そもそも冷夏ってどうやって起きてしまうのかご存じでしょうか?
どうやら、一説ではエルニーニョ現象が関係しているというので詳しく見ていきましょう。
冷夏はエルニーニョ現象が原因か?
冷夏となれば農業に大きな被害をもたらし、農作物が不作となる傾向があります。
市場に出回る野菜やお米はおのずと品不足になるため、一つ一つの値段が上がってしまいまうという仕組みとなっています。
冷夏が起きる原因の一つとして考えられているのがエルニーニョ現象なのではないかと言われています。
実際にエルニーニョ現象が起きている年は冷夏となることが多いことが分かっています。
ただし、反対の減少となるラニーニャ現象が起きていた年でも冷夏になったことがあるので一概には言えません。
さらに、エルニーニョ現象が発生しなかった1992年、1997年、2002年でも冷夏となったため、完全に言い切ることはできない現状となっています。
エルニーニョ現象、ラニーニャ現象についての詳しい解説は↓の記事を参考にしてみてください。
冷夏とは?
冷夏とは、平年の夏の気温と比べて低い夏のことになります。
6~8月の平均気温で気象庁が定める「低い・少ない」に相当すると冷夏となるのです。
・低い・少ない:値が小さい方から順番に10番目まで
・平年並:11~20番目まで
・高い・多い:21~30番目
冬であれば「低い・少ない」であれば寒冬、「高い・多い」は暖冬と表現されます。
1990~2019年までの30年間を参考にしている場合は、「2019年統計」といいます。
また、1993年は記録的な冷夏で米不足となり「1993年米騒動」とまで呼ばれています。
エルニーニョ現象と台風の関係
エルニーニョ現象が起こるとだいたい3ヶ月遅れで、遠く離れたインド洋の海面水温が上昇すると言われています。
インド洋では対流が活発化するため、通常であればフィリピン近海へ向かうはずのモンスーンが弱くなります。
フィリピン近海の対流の活動も弱まり、台風の活動は収まってしまいます。
そのため、エルニーニョ現象が終わる翌年の春から夏は台風の発生が少なくなる傾向があります。
しかし、夏の後半から秋は、インド洋の水温も収まり、高気圧も東に移動していきます。
すると、台風の発生回数が増えるというしくみとなっています。
2014~2016年にかけて発生したエルニーニョ現象は、2016年夏に弱まりを見せ、夏の後半から北海道に3つ台風が上陸しました。
合計で日本に6個上陸し、2016年は上陸数の歴代2位の記録となったのです。
まとめ
日本の冷夏の原因の一つとされているエルニーニョ現象は、台風の発生にも影響している可能性が高いとされています。
冷夏になれば、野菜やお米などの高騰を引き起こすため、これからの夏は大丈夫なのか気になるところでしょう。
全てではないにしても、エルニーニョ現象の状況が分かれば予測がつくかもしれませんので、注意しておくとよいかもしれません。
エルニーニョ/ラニーニャ現象の発生確率 | |||
---|---|---|---|
年月 | エルニーニョ現象 | 平常 | ラニーニャ現象 |
2020年7月 | 0% | 60% | 40% |
2020年8月 | 0% | 60% | 40% |
2020年9月 | 0% | 60% | 40% |
2020年10月 | 0% | 60% | 40% |
2020年11月 | 0% | 60% | 40% |
出典:気象庁
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