古くから地震を予知するとされてきたナマズ。
時には地震前にナマズが騒ぎ出したと話題になることもありますが、これって本当なのでしょうか?
江戸時代にあった地震とナマズに関するエピソードを紹介します。
過去に大地震の後に流行ったという鯰絵(なまずえ)とはどんなものだったのかもあわせてお伝えします。
地震予知とナマズの関係を示すエピソード
ナマズが地震と関係があると言われるようになったのは江戸時代初期と言われています。
人口の多い江戸では地震の被害は自然と大きくなってしまいます。
そんな時代に、ナマズの行動と地震との関連が言い伝えとして誕生したとされているのです。
1855年に起きた安政江戸地震の3、4時間前には、釣り人がウナギを捕りに出ているとナマズが暴れ出し、ウナギは仕掛けから逃げてしまったという話があります。
結局ナマズを3匹釣りましたが、地震が来るのではないかと思い、家に帰って貴重品を持ち出すことにしたといいます。
釣り人の妻は変なことをする人だと笑っていましたが、その後には地震が起きて家財が助かったという話があります。
一方、隣の家の人も漁をしていてナマズが暴れるのを確認していましたが気にしませんでした。
すると、地震が起きて家に帰ると家屋も蔵も家財も全部ダメになっていたのでした。
ナマズが地震を予知するのは本当?
では、ナマズが地震を予知するというのは本当なのでしょうか?
ナマズを含めた一般的な動物は、味覚や聴覚、味覚、触覚など様々な刺激を感じる器官があります。
他にも、痛覚、温度覚、平衡覚、電気覚などがありますが、これらを刺激されることで暴れることがあるといいます。
地震が発生する前には、これらを刺激する何らかの要因があると言われていますが、明確には分かってはいないんですよね。
しかし、地震が起きる際には電気的な変動が起きることが考えられていることから、ナマズも微弱な電流に反応している可能性があると言われています。
ナマズは電流に敏感で、実験でも地中の電気変化に反応し行動が活発になるという結果が認められています。
また、ウナギの方が電気に敏感なのではないかという指摘もされているのです。
安政の大地震後に流行った鯰絵(なまずえ)とは?
大鯰を懲らしめる民衆を描いた鯰絵
江戸時代に日本で出版された鯰絵(なまずえ)は、ナマズが描かれた錦絵になります。
鯰絵は250以上の作品が今までに確認されいてますが、実際はもっと多かったとも言われています。
ナマズが地下で騒ぐことによって地震が起きると信じられていたこともあり、安政の大地震をきっかけとして流行しました。
しかし、当時は本の出版には幕府のチェックがあり、鯰絵のほとんどが違法な出版だったといいます。
1840年代には、質素倹約を掲げた幕府によって贅沢品とされた浮世絵などは規制の対象になっています。
しかし、安政の大地震が発生するとすぐに出版され、次の意味が込められたとのこと。
・お守り
・復興への希望
・明日からも頑張ろう
2ヶ月に渡って流行し、多くの鯰絵が出版されました。
まとめ
地震とナマズの関係は、江戸時代初期から信じられてきたもので、安政の大地震では鯰絵として流行しました。
実際に関係あるのかはまだ明確に結論は出ていないものの、電気に敏感なナマズが地震の前に暴れることは十分に考えられるのです。
現代ではナマズを見る機会は少なくなりましたが、もし見かけた際に暴れていた時には要注意です!