アメリカと日本の竜巻の威力の違いは?風速や中心気圧はどれくらい?

アメリカと日本の竜巻の威力の違いは?風速や中心気圧はどれくらい?

竜巻といえばアメリカでのニュース映像でよく目にしますよね。

 

アメリカでは大小合わせて年間1,000個ほど発生しているというから驚きです。

 

もちろん日本でも年間約20個発生し、小規模ながら被害をもたらしています。

 

では、アメリカと日本での威力や被害の規模にはどんな違いがあって、風速や中心気圧はどれくらいなのでしょうか?

 



アメリカと日本の竜巻の威力・被害の違いは?

アメリカと日本では、竜巻による被害にはどれくらいの違いがあるのでしょうか?

 

アメリカと日本の主な竜巻被害を一覧で比較してみると、数100人規模での犠牲者が出てしまっているアメリカのほうが圧倒的な威力だということが分かります。

 

一方、日本では被害はアメリカほど大きくはありませんが、数人の犠牲者を出していますので甘く見ていてはいけません。

主なアメリカでの被害

複数の竜巻が発生し、広範囲にわたって被害を与えることが多くなっています。

※藤田スケールについては次の項で紹介しています。

 

発生日時 発生地域 藤田スケール 犠牲者数
1840年5月4日 ミシシッピ州ナチェズ 317人
1884年2月19~20日 南部から中西部にかけての広範囲 178人以上(1,200人に達した可能性もある)
1896年5月27~28日 ミズーリ州、イリノイ州 284人以上
1908年4月24 ミシシッピ州、ルイジアナ州 143人以上
1920年3月28日 南部から中西部にかけての広範囲 380人
1925年3月18日 南部から中西部にかけての広範囲 F5 747人
1936年4月5~6日 南部(ミシシッピ州トゥペロなど) F5 436人以上
1953年6月8~9日 中西部(ミシガン州など) F5 247人
1965年4月11~12日 中西部 F4(17個) 271人
1974年4月3日 東部の広範囲 F5(6個)、F4(24個) 300人以上
1980年6月3日 ネブラスカ州グランド・アイランド 7人
1999年5月3~6日 オクラホマ・カンザス・テキサス・テネシーの各州 F5 48人
2008年2月5~6日 アーカンソー・テネシー・ケンタッキー・ミシシッピの各州 58人
2011年4月14~16日 (241個) 45人
2011年4月25~28日 アラバマ州を中心に米国の南部および東部の各州 (425個以上) 354人以上
2013年5月19~20日 オクラホマ・カンザス・イリノイ・アイオワの各州 EF5 24人以上



主な日本での被害

日本での竜巻い関する被害について、古くは鴨長明の「方丈記」に記されています。

 

現代まで竜巻は日本各所で発生していますが、F3レベルが最強となっています。

 

発生日時 発生地域 藤田スケール 犠牲者数
1180年5月25日 平安京
1926年9月4日 埼玉県 8人
1962年7月2日 茨城県 2人
1969年8月23日 茨城県 2人
1978年2月28日 南関東
1990年2月9日 鹿児島県 1人
1990年12月11日 千葉県 F3 1人
1999年9月23日 長崎県
1999年9月24日 愛知県 F3
2006年9月17日 宮崎県 F2 3人
2006年11月7日 北海道 F3 9人
2006年11月18日 沖縄県 F2
2009年7月19日 岡山県 F2
2009年7月27日 群馬県 F2
2009年9月30日 秋田県
2011年8月21日 長崎県
2011年8月21日 福岡県
2011年11月18日 鹿児島県 F2 3人
2012年5月6日 茨城県
ほか
F3 1人
2013年9月2日 埼玉県
ほか
2013年9月4日 三重県
2016年8月22日 岩手県 F2
2016年9月28日 福岡県 F2
2016年10月5日 高知県 F2
2017年8月7日 愛知県 F2
2017年9月20日 秋田県 F2
2018年6月16日 沖縄県 F3
2018年6月29日 滋賀県 F2
2019年10月12日 千葉県 F2 1人

竜巻の風速や中心気圧はどれくらい?

竜巻は基本的に中心気圧を計測することはないため、そもそも気圧が分かっている例はあまりありません。

 

しかしながら、少ない例から見ると中規模の竜巻で950hPa(ヘクトパスカル)ほどだと考えられています。

 

また、2003年にアメリカのサウスダコダ州で850hPaが観測されています。

 

ちなみに、台風の歴代最強の中心気圧は1979年10月12日に確認された870hPaですが、海上での数値なので日本へそのままの威力できたわけではありません。

 

ハリケーンでは、2005年に発生したウィルマという名前のもので882hPaとなっていますが、こちらは陸地を襲ってきますし台風のレベルを超えていますね。

 

いずれにしても、台風をギュッとしたような威力が竜巻だと考えると、いろんなものを吹き飛ばすことにもうなずけます。

 

藤田スケール

1971年にシカゴ大学の藤田哲也氏により風速の基準となる「藤田スケール(F)」が考案されました。

 

以降、竜巻にはF0~F5の6段階に分けられているFが用いられています。

 

F値が大きければ竜巻の規模も大きいということを示します。

 

しかし、日本ではF4以上の竜巻はまだ観測されていません。

藤田スケール(F)
F0:32m/s未満
F1:33~49m/s
F2:50~69m/s
F3:70~92m/s
F4:93~116m/s
F5:117~141m/s

 

その後、2007年からは「改良藤田スケール」が使われています。

改良藤田スケール(EF)
EF0:29~37m/s
EF1:38~49m/s
EF2:50~61m/s
EF3:62~74m/s
EF4:75~89m/s
EF5:90m/s以上

 

日本では、2016年から日本版改良藤田スケールを採用、微妙に数値が変わってくるので分かりにくいことになっています。

日本版改良藤田スケール(JEF)
JEF0:25~38m/s
JEF1:39~52m/s
JEF2:53~66m/s
JEF3:67~80m/s
JEF4:81~94m/s
JEF5:95m/s以上

まとめ

日本では大きな竜巻は発生していませんが、それでも犠牲者や負傷者は出ています。

 

家の瓦や屋根が飛ばされるケースも見られ、樹木も折れることもあるので十分に警戒しなければいけません。

 

アメリカでは地下チェルターが普及しているということですが、将来的には日本でも気象災害に対してシェルターが必要になってくるのかもしれませんね。

 

竜巻を含めた気象災害の避難行動については以下を参考にしてみてください。

 

 

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