【噴火の基礎知識】噴火警戒レベル・取るべき行動|火山爆発指数・破局噴火とは?

【噴火の基礎知識】噴火警戒レベル・取るべき行動|火山爆発指数・破局噴火とは?

日本には現在111もの活火山が存在しています。

 

長らく火山活動がない火山についてはかつて休火山と呼ばれていましたが、全て「活火山」に統一。

 

火山活動が起きた際には「噴火警戒レベル」が設定され、入山禁止や避難指示など取るべき行動が決められています。

 

さらには、火山爆発指数という指標もあるので、噴火についての基礎知識として抑えておきましょう。



噴火警戒レベルと取るべき行動とは?

噴火警戒レベルは、日本の火山活動に対しての警戒レベルを示したもので、気象庁が発表しています。

 

1~5の5段階で示され、、「火山防災のために監視・観測体制の充実等が必要な火山」として火山噴火予知連絡会によって選定された50火山のうち48の火山において監視が行われています。


出典:気象庁
https://www.data.jma.go.jp/svd/vois/data/tokyo/STOCK/kaisetsu/katsukazan_toha/katsukazan_toha.html

 

5段階のレベルには、それぞれ避難行動の目安があり、どのような行動を取ればいいのかが把握できるようになっています。

種別 レベル 呼称 対応する警報
特別警報 1 避難 噴火警報(居住地域)
2 避難準備
警報 3 入山規制 噴火警報(火口周辺)
4 火口周辺規制 噴火予報
予報 5 活火山であることに留意
レベル 火山活動の度合い 避難行動の目安
1 居住地域に重大な被害をもたらす火山活動(噴火)が発生した、あるいはその恐れが高く切迫したじょうたいにある。 危険な地域ではすべての住民が避難する。
2 居住地域に重大な被害をもたらす火山活動(噴火)が発生すると予想され、その恐れが高まっている。 災害時要援護者は避難する。危険な地域ではほかの住民も避難の準備を行う。
3 生命に危険を及ぼす火山活動(噴火)が発生し、居住地域の近くにも及んだ、あるいはその恐れがある。 状況に応じて、登山禁止や入山規制などが行われる。災害時要援護者の避難準備が行われる場合もある。
4 火口内や火口の周辺で、生命に危険を及ぼす火山活動(噴火)が発生した、あるいはその恐れがる。 火口周辺は立ち入りの規制をされる。
5 火山活動はほぼ静穏だが、火山灰を噴出するなど活動状態に変動があり、火口内では生命に危険が及ぶ可能性がある。 火口内では立ち入りの規制をする場合がある。

日本の活火山の数はいくつある?


出典:気象庁
https://www.data.jma.go.jp/svd/vois/data/tokyo/STOCK/kaisetsu/katsukazan_toha/katsukazan_toha.html

日本には111の活火山があり、活動の度合いによって「A、B、C、対象外」のランクに分けられています。

ランクA
100年活動度または1万年活動度が特に高い活火山
火山数:13
十勝岳、樽前山、有珠山、北海道駒ケ岳、浅間山、伊豆大島、三宅島、伊豆鳥島、阿蘇山、雲仙岳、桜島、薩摩硫黄島、諏訪之瀬島
ランクB
100年活動度または1万年活動度が高い活火山
火山数:36
知床硫黄山、羅臼岳、摩周、雌阿寒岳、恵山、渡島大島、岩木山、十和田、秋田焼山、岩手山、秋田駒ヶ岳、鳥海山、栗駒山、蔵王山、吾妻山、安達太良山、磐梯山、那須岳、榛名山、草津白根山、新潟焼山、焼岳、御嶽山、富士山、箱根山、伊豆東部火山群、新島、神津島、西之島、硫黄島、鶴見岳・伽藍岳、九重山、霧島山、口永良部島、中之島、硫黄鳥島
ランクC
100年活動度および1万年活動度がともに低い活火山
火山数:38
アトサヌプリ、丸山、大雪山、利尻山、恵庭岳、倶多楽、羊蹄山、ニセコ、恐山、八甲田山、八幡平、鳴子、肘折、沼沢、燧ヶ岳、高原山、日光白根山、男体山、赤城山、横岳、妙高山、弥陀ヶ原、アカンダナ山、乗鞍岳、白山、利島、御蔵島、八丈島、青ヶ島、三瓶山、阿武火山群、由布岳、福江火山群、米丸・住吉池、池田・山川、開聞岳、口之島
対象外
データが不足しているためランク分け対象外となっている火山(北方領土や海底火山など)
火山数:23
ベヨネース列岩、須美寿島、孀婦岩、海形海山、海徳海山、噴火浅根、北福徳堆、福徳岡ノ場、南日吉海山、日光海山、若尊、西表島北北東海底火山、茂世路岳、散布山、指臼岳、小田萌山、択捉焼山、択捉阿登佐岳、ベルタルベ山、ルルイ岳、爺爺岳、羅臼山、泊山

現在の噴火警戒レベル

2014年9月27日に発生した御嶽山の噴火より前は、噴火警戒レベル1の呼称は「平常」でした。

 

しかし、「安全だという誤解につながる」という意見が上がったため、「活火山であることに留意」と変わりました。

 

また、レベルの引き上げにはならないものの、火山活動に変化がある場合には「臨時」として明記して発表することに変更されています。

 

現状の警報情報を知りたい場合は、最新の噴火警報・予報を参考にしてください。

 

また、気象庁では「火山登山者向けの情報提供ページ(全国)」において、最近1週間以内に情報を発表した火山を示してくれているので登山に行く際には事前に確認しておきましょう。



火山爆発指数

火山爆発指数とは、噴火の爆発の大きさの指標のことでVEI( Volcanic Explosivity Indexで示されます。

 

VEI0~8で示され、噴出物の量によって区分されています。

 

値が1上がると噴出物の量は10倍となっているが、1と2の間は100倍となっている。

VEI 噴出物の量 状況 機構
0 ~10,000㎥ non-explosive
(非爆発的)
ハワイ式
1 10,000㎥~ gentle
(小規模)
ハワイ式/ストロンボリ式
2 1,000,000㎥~ explosive
(中規模)
ストロンボリ式/ブルカノ式
3 10,000,000㎥~ severe
(やや大規模)
4 0.1㎦~ cataclysmic
(大規模)
プレー式/プリニー式
5 1㎦~ paroxysmal
(非常に大規模)
プリニー式
6 10㎦~ colossal
(巨大)
プリニー式/ウルトラプリニー式
7 100㎦~ super-colossal
(超巨大)
8 1,000㎦~ mega-colossal
(非常に巨大)
ウルトラプリニー式(破局噴火)
VEI 噴煙の高さ 発生頻度 ここ1万年の発生数
(1994年調べ)
0 ~100m ほぼ毎日 マウナ・ロア山 無数
1 100~1,000m ストロンボリ島
2 1~5km ほぼ毎週 ガレラス山(1993) 3477
3 3~15km ほぼ毎年 コリャーク山 868
4 10~25km 10年~ プレー山(1902) 278
5 25km~ 50年~ セント・ヘレンズ山(1980) 84
6 100年~ ピナトゥボ山(1991) 39
7 1,000年~ タンボラ山(1815) 5(+推定2)
8 10,000年 トバ湖(BP 73,000) 0

 

機構(噴火の種類)はこちらの記事で解説しています↓

 

破局噴火とは?

VEI8のウルトラプリニー式噴火は、破局噴火、カルデラ噴火、スーパーボルケーノとも呼ばれ地球規模の影響を与える巨大な噴火です。

 

今後起きるかもしれない破局噴火として挙げられているのが、アメリカ・アイダホ州、モンタナ州、ワイオミング州にまたがるイエローストーン国立公園

 

約220万年前、約130万年前、約64万年前と3回破局噴火が起き、周期は60万年ほどだとされているため、64万年過ぎている今、いつ起きてもおかしくないと言われているんです。

 

もし、イエローストーンで破局噴火が起きた場合、3~4日以内に大量の火山灰がヨーロッパ大陸に到達すると予想されています。

 

アメリカでは75パーセントの土地で環境が変わり、火山から1,000キロメートル以内の住人は90パーセントが窒素すると言われている。

 

地球規模では、平均気温が10~12度下がり6~10年も続くと言われています。

過去の主な破局噴火
・ラ・ガリータ・カルデラ フィッシュキャニオンタフ(アメリカ) 2700万年前
・イエローストーン(アメリカ)220万年前
・ガラン山(アルゼンチン)220万年前
・イエローストーン(アメリカ)64万年前
・トバ湖 (インドネシア)7万3,000年前
・タウポ湖(ニュージーランド)2万6,500年前

まとめ

日本では噴火警戒レベルによって、噴火の危険度が示され、どのような行動をする必要があるのかが決められています。

 

警戒レベル1であっても御嶽山のように噴火が起こることもあるので、必ずしも安全というものではありません。

 

火山に登山する際には事前に警戒レベルを確認し、登山しない方も日本のどの山が危険なのか把握しておくようにして、旅行などの際には注意しておくようにしましょう。



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